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栗当の不動明王磨崖像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

栗当の不動明王磨崖像(くりとうのふどうみょうおうまがいぞう)は、富山県 南砺市栗当にある磨崖仏

1970年(昭和45年)8月31日に利賀村の天然記念物に指定され、利賀村が南砺市に合併した後も市の指定文化財とされている[1]

概要

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砺波郡平野部から利賀谷地域を訪れる際、古くは「藤懸の渡り(現在の庄川合口ダムの辺り)」で庄川東岸に渡り、名原村・落村・湯山村(いずれも旧東山見村に属する)を経て栗当村(利賀谷最北端)に出るルートが主流であった[2] 。しかし井波町が発展したことで井波町と五箇山の往来が増えると、「杉谷峠」で山を越え、「仙野原大橋」で庄川を渡り、栗当村に出るルートが主に用いられるようになった[3]

栗当の不動明王は、この井波町と利賀谷をつなぐ道沿いに刻まれたものである[4] 小牧ダムの建設以前、栗当村の庄川と利賀川が合流する一帯は、河川が渦巻く難所であった[5] 。地元の伝承では、河川の渦巻く深淵に雌雄の竜が棲み、仙納原村はその通い道であったという[5] 。そのため、不動明王像は利賀川筋往還の守護を、不動明王の霊威に託して刻まれたものと考えられている[5]

磨崖像には「天保十五年甲辰(1844年)四月 越中住人森准作」の造像銘があり[6] 江戸時代後半の作ではあるが、古くからの歴史と信仰を背景に持つものと評されている[5]

脚注

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参考文献

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  • 利賀村史編纂委員会 編『利賀村史2 近世』利賀村、1999年。 
  • 利賀村史編纂委員会 編『利賀村史3 近・現代』利賀村、2004年。 
構成
歴史
人物
寺院
神社
史跡
名勝
自然
その他
文化財
特産品
施設
  • 太字は国指定の文化財。斜体は県指定の文化財。寺院・神社が文化財を所蔵している場合、()内に記載した。

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