新欧州橋
新欧州橋 New Europe Bridge | |
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新欧州橋 | |
基本情報 | |
国 |
ブルガリア ルーマニア |
所在地 | ブルガリア・ヴィディン - ルーマニア・カラファト間 |
交差物件 | ドナウ川 |
用途 | 鉄道道路併用橋 |
路線名 |
汎ヨーロッパ回廊4号線 欧州自動車道路E79号線 |
管理者 | 合弁会社「ヴィディン=カラファト・ドナウ橋」 |
設計者 | カルロス・フェルナンデス・カサド |
施工者 | FCC |
着工 | 2007年5月13日 |
竣工 | 2013年4月 |
開通 | 2013年6月14日 |
座標 | 北緯44度0分17.7秒 東経22度56分52.0秒 / 北緯44.004917度 東経22.947778度 / 44.004917; 22.947778 |
構造諸元 | |
形式 | エクストラドーズド橋 |
材料 |
鋼鉄 コンクリート PC鋼材 |
全長 | 3,598 m |
幅 | 31.35 m |
高さ | 44.77 m |
最大支間長 | 180 m |
地図 | |
新欧州橋の位置 | |
関連項目 | |
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新欧州橋(しんおうしゅうきょう、新ヨーロッパ橋、ノヴァ・エヴロパ橋、ブルガリア語: Нова Европа、ルーマニア語: Podul Noua Europă、英: New Europe Bridge)は、ヨーロッパの東南部を流れるドナウ川に架かる橋の1つ[1] [2] :10[3] 。ブルガリア・ヴィディン州の町ヴィディンとルーマニア・ドルジュ県の都市カラファト (ブルガリア語版、ルーマニア語版、英語版)を結んでいる[2] :10。2007年からおよそ6年かけて建設され、2013年6月に開通した[4] [5] [6] 。2014年に『エンジニアリング・ニュース=レコード』誌によるグローバル・アワード・オブ・メリットを受賞している[7] 。
概要
[編集 ]橋は、ブルガリアの最北西端部にある[8] 。ドナウ川の、ブルガリアとルーマニアの国境 (英語版、ブルガリア語版)をなす610キロメートルの部分に最初に架けられたのが、河口から488.7キロメートルの地点にある第1ドナウ橋 (英語版、ブルガリア語版)であり、2番目に架けられたのが、河口から796.1キロメートルの地点にある新欧州橋である[4] [9] [10] 。
橋は、汎ヨーロッパ回廊の4号線 (英語版)および欧州自動車道路のE79号線の一部を構成する[1] [4] [11] 。車線は片側2車線ずつの計4車線であり、自転車道、鉄道線路および緊急車両用道路が1本ずつ、歩行者用道路が2本設けられている[4] [12] [13] 。ルーマニアとブルガリアの合弁会社「ヴィディン=カラファト・ドナウ橋」が2013年6月6日に設立され、この会社が橋の管理・運営および料金徴収などの業務を行っている[14] [12] 。
建設はスペインの建設会社、FCCによって行われた[4] 。設計はFCCとスペインのエンジニアリング会社、カルロス・フェルナンデス・カサドが担当した[7] 。建築主はブルガリアの運輸省 (英語版、ブルガリア語版)である[15] 。
名称
[編集 ]建設段階では、第2ドナウ橋(第2ドナウ架橋、ドナウ第2架橋、ドナウ川第2架橋、ブルガリア語: Дунав мост 2、ルーマニア語: Podul Dunării 2、英: Danube Bridge 2)という名称で呼ばれていた[2] :10[9] 。カラファト=ヴィディン橋(ブルガリア語: Мост Калафат-Видин、ルーマニア語: Podul Calafat-Vidin、英: Calafat-Vidin bridge)が正式名称であるとする文献がある一方で、ヴィディン=カラファト・ドナウ橋(ブルガリア語: Дунав мост Видин-Калафат、ルーマニア語: Podul Dunării Vidin-Calafat、英: Danube Bridge Vidin-Calafat)が正式名称であるとする文献もある[2] :10[16] [17] 。ヴィディン=カラファト橋(ブルガリア語: Мост Видин-Калафат、ルーマニア語: Podul Vidin-Calafat、英: Vidin-Calafat Bridge)とも呼ばれる[18] 。
新欧州橋という名称は通称であるとされるが[2] :10、これが正式名称であるとする文献もある[19] [20] 。2013年6月15日に、ブルガリアの当時の運輸・情報技術・通信大臣ダナイル・パパゾフ (ブルガリア語版、英語版)がラジオ放送局、ダリック・ラジオ (ブルガリア語版、英語版)の番組内で「ドナウ川に架かる新しい橋は、新欧州橋と呼ばれる」と述べている[21] 。
由来
[編集 ]1909年にヴィディンの住民らによって、ヴィディンとカラファトを結ぶ橋をドナウ川に架けることを要求する請願書が、ブルガリアの当時の首相アレクサンドル・マリノフに提出されており、ルーマニア側も同意していたが、このときは橋の建設は実現されなかった[4] [12] 。
第2ドナウ橋を建設するプロジェクトは、1990年代後半に立ち上げられたが、その進行の途中で暗礁に乗り上げることが何度もあった[22] 。2000年3月27日、ブカレストにおいて、第2ドナウ橋の建設に関する両国間の宣言への署名が、ルーマニアの当時の首相ムグル・イサレスク (ルーマニア語版、英語版)とブルガリアの当時の首相イヴァン・コストフ (ブルガリア語版、英語版)によって実施された[23] 。同年6月5日、ブカレストにおいて、第2ドナウ橋の建設に関する技術的、組織的、法的および財政的な問題に関するルーマニア政府とブルガリア政府との間の協定への署名が、ルーマニアの当時の外務大臣ペトレ・ロマンとブルガリアの当時の外務大臣ナデジダ・ミハイロヴァ (ブルガリア語版、英語版)によって実施された[23] 。
2005年3月に入札が行われる[9] 。建設工事は2007年5月13日に開始された[4] [6] 。2012年10月24日までに建設工事の大部分が終了し、同日、ルーマニアの当時の首相ヴィクトル・ポンタとブルガリアの当時の首相ボイコ・ボリソフが渡り初めを行う[24] [25] 。2013年4月に完成され、同年6月14日に開通された[5] [24] [6] 。
構造
[編集 ]橋の全長は3,598メートルである。河川の上を通過する部分の長さは1,971メートルであり、これを全長とする文献もある[1] [4] [26] [27] [18] 。高さは44.77メートルである[28] 。橋には2万6,000トンの鋼鉄、12万立方メートルのコンクリートおよび2,300トンのPC鋼材が用いられている[29] 。
ルーマニア側の航行可能な部分は、構造形式がエクストラドーズド橋となっており、高さが39 - ×ばつ180.0+115.0メートルである[8] [7] 。ブルガリア側の航行不可能な部分は、高さが4 - 20メートルの8つの橋脚 ×ばつ80.0メートルである[8] [7] 。幅員は31.35メートルである[30] [31] 。プレストレスト・コンクリートでできた箱桁は4.5メートルの深さがあり、横断支柱が設備されている[32] [15] 。
脚注
[編集 ]- ^ a b c Босева 2018, p. 24.
- ^ a b c d e "ブルガリア月報【2013 年 6 月】". 在ブルガリア日本国大使館 (2013年7月). 2021年12月11日閲覧。
- ^ ゲオルギエヴァ マサコ (2014年7月12日). "保存されし歴史遺産ババ・ヴィダ城塞の貫禄【ヴィディン】". 地球の歩き方. 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Kochańska 2014, p. 33.
- ^ a b "Euronews: „Дунав мост 2" може да се срути внезапно". Chronicle.bg. (2013年10月30日). https://www.chr.bg/zhivot/evronyuz-dunav-most-2-mozhe-da-se-sruti-vnezapno/ 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c "CROSS-BORDER EURO-REGIONS IN THE LOWER DANUBE BASIN". MTA Regionális Kutatások Központja (2016年). 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c d "New Europe bridge - BULGARIA". FCC Construcción. 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c Llanos 2014, p. 414.
- ^ a b c "New Europe Bridge (formerly Danube Bridge 2)". Road Traffic Technology. 2021年12月11日閲覧。
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- ^ "INVEST IN BULGARIA". Invest Bulgaria Agency. 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b c "Дунав мост 2 - история на повече от век". Investor.bg. (2013年6月14日). https://www.investor.bg/ikonomika-i-politika/332/a/dunav-most-2-istoriia-na-poveche-ot-vek-152677/ 2021年12月11日閲覧。
- ^ "New Bridge Boosts Bulgaria-Romania Trade". Balkan Insight (2014年3月7日). 2021年12月11日閲覧。
- ^ "Company Information". "Danube Bridge Vidin - Calafat" AD. 2021年12月11日閲覧。
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- ^ "Comisarul Hahn salută deschiderea „Podului Noua Europă", un simbol marcant al cooperării europene". 欧州委員会 (2013年6月14日). 2021年12月11日閲覧。
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- ^ ""Дунав мост 2" с ново име - "Нова Европа"". Новините ЕАД. (2013年6月15日). https://www.novinite.bg/articles/41122/Dunav-most-2-s-novo-ime-Nova-Evropa 2021年12月11日閲覧。
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- ^ "13 г. по-късно: Откриват официално "Дунав мост 2"". Vesti.bg. (2013年6月14日). https://www.vesti.bg/bulgaria/13-g.-po-kysno-otkrivat-oficialno-dunav-most-2-5848531 2021年12月11日閲覧。
- ^ "Новият граничен комбиниран (пътен и железопътен ) мост над река Дунав при Видин-Калафат". Ministry of Transport of the Republic of Bulgaria. 2021年12月11日閲覧。
- ^ "Дунав мост ІІ открит с неясни такси за преминаване". Mediapool.bg. (2013年6月14日). https://www.mediapool.bg/dunav-most-otkrit-s-neyasni-taksi-za-preminavane-news207612.html 2021年12月11日閲覧。
- ^ Llanos 2014, p. 419.
- ^ Magalhaes 2015, p. 209.
- ^ "Дунав мост 2- събитието на Видин за 2013 година". БНР Новини. (2014年3月1日). オリジナルの2017年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170414214919/https://bnr.bg/vidin/post/100307848/dunav-most-2--sybitieto-na-vidin-za-2013-godina 2021年12月11日閲覧。
- ^ Magalhaes 2015, p. 210.
参考文献
[編集 ]- Мария Босева, et al. (2018). Книга за учителя по човекът и обществото за 3. клас. Просвета. ISBN 978-954-01-3745-2 . https://www.prosveta.bg/uploads/files/KU-2018_3-7-9_kl/KU_3kl/KU_ChO_3kl_Prosveta.pdf 2021年12月11日閲覧。
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- Ewa Kochańska, Jana Pieriegud (2014). Cross-border Cooperation in the Framework of the European Neighbourhood Policy: The Eastern Partnership and Russia. RIC Pro-Akademia. ISBN 978-83-63704-21-6 . https://www.proakademia.eu/gfx/baza_wiedzy/186/cross-border_eu_enp_russia.pdf
- Filipe Magalhaes, et al. (2015年06月09日). Multi-Span Large Bridges - International Conference on Multi-Span Large Bridges, 1-3 July 2015, Porto, Portugal. CRC Press. ISBN 978-1-31568719-3 . https://books.google.co.jp/books?id=r8sdCgAAQBAJ
- Jane Sandy (2014). BBR 70th Anniversary Magazine. BBR VT International Ltd. ISSN 1664-6606 . http://www.kb-vt.com/fileadmin/kb_vt/PDFs/Brochures/70th_Anniversary_EN_Rev1_0614.pdf 2021年12月11日閲覧。.
- Fernando Flórez Llanos, et al. (2014-08). New Bridge over the Danube: Vidin–Calafat. 24. International Association for Bridge and Structural Engineering. pp. 414-419. ISSN 1016-8664 . https://booksc.eu/book/54964650/b6a40c .