太物
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太物(ふともの)は、和服用の織物の呼称の一つ。絹織物に対して綿織物や麻織物を太物と称した[1] 。
絹の着物、すなわち本義としての呉服があり、その繊維と比較して太い木綿を主として、麻や楮を太物と呼んだ。
江戸時代からの呉服商の看板に「呉服 太物商」の表記が見られる[2] 。呉服屋は原則、絹織物しか扱わないため、綿や麻を扱う店舗は、前もって顧客に知らせる必要があったからである[3] 。
2000年代現在では、呉服・太物を区分する例は少なく[4] 、 一般的に呉服や和服・着物が、素材の種別を問わず総称として使用されることが多い。
また、繊維の種類も多様化しているため、昭和時代以降の太物といえば、ウールも包含される。
脚注
[編集 ]- ^ 日本国語大辞典(小学館)
- ^ 石川英輔 2009, p. 118.
- ^ 杉浦日向子監修『お江戸でござる 現代に活かしたい江戸の知恵』株式会社ワニブックス、2003年9月10日、p.42.
- ^ 日本大百科事典(小学館)