国鉄ホキ9800形貨車
国鉄ホキ9800形貨車 | |
---|---|
ホキ9800形、オホキ9800 1986年5月24日、倉賀野駅 ホキ9800形、オホキ9800 1986年5月24日、倉賀野駅 | |
基本情報 | |
車種 | ホッパ車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | キリンビール |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 1972年(昭和47年) - 1981年(昭和56年) |
製造数 | 55両 |
消滅 | 1998年(平成10年) |
常備駅 | 横浜本牧駅、神戸港駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒→クリーム4号 |
専用種別 | 麦芽 |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 12,700 mm |
全幅 | 2,962 mm |
全高 | 3,880 mm |
ホッパ材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 55.0 m3 |
自重 | 17.6 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.8 |
台車 | TR41E、TR213C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 8,600 mm |
最高速度 | 75 km/h |
テンプレートを表示 |
国鉄ホキ9800形貨車(こくてつホキ9800がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したホッパ車である。
概要
[編集 ]ホキ9800形は麦芽輸送用として1972年(昭和47年)から1981年(昭和56年)にかけて日本車輌製造にて55両(オホキ9800 - オホキ9854)が製作された30 t積の私有貨車である[1] 。1966年に登場していたホキ2200形は国鉄所有車で、荷主が自社の生産計画に合わせた自由な配車ができなかったため、私有貨車として本形式が製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「オ」(全長 12 m 以上)を前置し「オホキ」と標記する。
構造
[編集 ]外観はホキ2200形とほぼ類似するが、ホキ9800形の方が積荷比重が0.55と小さいため、55.0 m3に拡大された[2] (ホキ2200形は50.0 m3)。荷役方式はホッパ上部の積込口による上入れ、ホッパ下部の取出口による下出し(自重落下+吸引式)であった。
全長は12,700 mm、全幅は2,962 mm、全高は3,880 mm、台車中心間距離は8,600 mm、実容積は55.0 m3、自重は17.6 t、換算両数は積車5.0、空車1.8である。台車はホキ9832までが平軸受・コイルばね式のTR41E、ホキ9833以降がTR213Cである[2] 。
大きく2タイプに大別でき、前期形33両(オホキ9800 - オホキ9832)は落成時は黒色であったが、1978年(昭和53年)にホキ2200形と同じクリーム4号に変更された[1] 。後期形22両(オホキ9833 - オホキ9854)は落成時よりクリーム4号であった。
年度別製造数
[編集 ]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。
- 昭和47年度 - 33両
- 日本車輛製造 33両 キリンビール (オホキ9800 - オホキ9832)
- 昭和56年度 - 22両
- 日本車輛製造 22両 キリンビール (オホキ9833 - オホキ9854)
運用
[編集 ]所有者は全車とも製造から廃車までキリンビールの1社のみで、当初の常備駅は9800・9801が入江駅、9802・9803が尼崎駅、9804 - 9809と9833 - 9844が山下埠頭駅、9810 - 9832と9845 - 9854が湊川駅であった[3] 。キリンビール各工場までの原料輸送に運用され、入江駅 - 取手駅間、山下埠頭駅 - 倉賀野駅間、湊川駅 - 太刀洗駅間などで輸入麦芽を輸送した[3] 。
1985年3月14日の湊川駅廃止後は神戸港駅に移動し、神戸港駅常備車は引き続き三菱倉庫 高浜岸壁の専用線を発着する輸入麦芽列車1往復に運用されていたが、1986年10月17日の運行をもって廃止された[4] 。10月17日運行の最終列車は DD13 636 + ヒ840 + ホキ9829 + ホキ9817 の編成で、ホキには「国鉄さんありがとう」と書かれた横断幕が掲出された[4] 。
関西地区で運用を終了した車両は1986年11月に12両が東北地区の仙台西港駅へ移動し、残りは1987年4月に廃車となった[3] 。関東地区の車両も本牧操駅(後の横浜本牧駅)へ移動し、1994年12月には仙台西港駅常備車もそれに合流した[3] 。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時にはJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では24両が残存していた[1] 。末期は横浜本牧駅 - 仙台西港駅間で運用されていたが、1998年(平成10年)1月に全車廃車となり形式消滅した[3] 。
脚注
[編集 ]参考文献
[編集 ]- 鉄道公報
- 吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』(ネコ・パブリッシング、1997年)ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
- 吉岡心平『RM LIBRARY 140 有蓋ホッパ車のすべて(上)』(ネコ・パブリッシング、2011年)ISBN 978-4-7770-5306-3 pp. 37 - 38
関連項目
[編集 ]「ホラ」級 | |
---|---|
「ホサ」級 | |
「ホキ」級 | ホキ1形(初代) - ホキ1形(2代) - ホキ100形 - ホキ150形 - ホキ190形 - ホキ200形 - ホキ250形 - ホキ300形 - ホキ350形 - ホキ400形 - ホキ500形 - ホキ600形 - ホキ650形 - **ホキ700形 - **ホキ800形 - ホキ1400形 - ホキ1800形 - ホキ1900形(初代) - ホキ1900形(2代) - ホキ2000形 - ホキ2100形 - ホキ2200形 - ホキ2500形 - ホキ2800形 - ホキ2900形 - *ホキ3000形 - *ホキ3100形 - *ホキ3500形 - ホキ4000形 - ホキ4050形 - ホキ4100形(初代) - ホキ4100形(2代) - ホキ4200形 - ホキ4300形 - ホキ4400形 - ホキ4700形 - ホキ4900形 - ホキ5000形 - ホキ5100形 - ホキ5200形(初代) - *ホキ5200形(2代) - ホキ5300形 - *ホキ5400形 - ホキ5500形 - ホキ5600形 - *ホキ5700形 - ホキ5800形 - *ホキ5900形 - *ホキ6000形 - ホキ6100形 - ホキ6300形 - ホキ6500形 - *ホキ6600形 - *ホキ6700形 - *ホキ6800形 - ホキ6900形 - ホキ7000形 - *ホキ7200形 - *ホキ7300形 - *ホキ7500形 - *ホキ7600形 - ホキ8000形 - ホキ8100形 - *ホキ8300形 - *ホキ8500形 - *ホキ8800形 - *ホキ9300形 - *ホキ9500形 - *ホキ9800形 - *ホキ10000形 - *ホキ34200形 - ホキ1000形JRF - ホキ1100形JRF - ホキ2000形JRF |
新幹線用 | |
「*」印はJR貨物に引き継がれた形式/「**」はJR貨物以外の旅客鉄道会社に引き継がれた形式/斜体は国鉄所有形式 |