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十二律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「和漢洋十二音律対照表」。大塚寅蔵『明清楽独まなび』1909年刊より。

十二律(じゅうにりつ)とは、中国朝鮮日本の伝統音楽で用いられる12種類の標準的な高さの音。三分損益法に基づく、1オクターヴ内の12の音である。律とは本来、音を定める竹の管であり、その長さの違いによって12の音の高さを定めた。代において確立した。

中国の律を低いものから高いものへと並べ、西洋音楽の音名と対照すると以下のようになる(規準音である黄鐘をAとした場合)。

  1. 黄鐘(こうしょう) : A
  2. 大呂(たいりょ) : A♯
  3. 太簇(たいそう) : B
  4. 夾鐘(きょうしょう) : C
  5. 姑洗(こせん) : C♯
  6. 仲呂(ちゅうりょ) : D
  7. 蕤賓(すいひん) : D♯
  8. 林鐘(りんしょう) : E
  9. 夷則(いそく) : F
  10. 南呂(なんりょ) : F♯
  11. 無射(ぶえき) : G
  12. 応鐘(おうしょう) : G♯

なお十二律は陰陽に分けられ、奇数の各律は陽律であり、と呼ばれ、六律(りくりつ)と総称される。偶数の各律は陰律であり、と呼ばれ、六呂(りくりょ)と総称される。よって律呂の名がある。

上記の名称は朝鮮の伝統音楽でも用いられるが、現代の朝鮮の伝統音楽では黄鐘はE♭(D♯)にほぼ相当する。

日本における十二律は、中国や朝鮮とは異なり、下記の通りとなっている。

  1. 壱越(いちこつ) : D
  2. 断金(たんぎん) : D♯
  3. 平調(ひょうじょう) : E
  4. 勝絶(しょうぜつ) : F
  5. 下無(しもむ) : F♯
  6. 双調(そうじょう) : G
  7. 鳧鐘(ふしょう) : G♯
  8. 黄鐘(おうしき) : A
  9. 鸞鏡(らんけい) : A♯
  10. 盤渉(ばんしき) : B
  11. 神仙(しんせん) : C
  12. 上無(かみむ) : C♯

関連項目

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分類
国風歌舞
謡物
楽器
現行
廃絶
唐楽の曲目
壱越調
平調
双調
黄鐘調
盤渉調
太食調
廃絶(遠楽・亡失曲)
高麗楽の曲目
高麗壱越調
高麗平調
高麗双調
廃絶(遠楽・亡失曲)
雑楽の曲目
関連項目
しろさんかく:復元品のみ現存する楽器、×ばつ:現存しない楽器

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