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仮面の男

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曖昧さ回避 この項目では、アメリカ映画の「仮面の男」について説明しています。宝塚歌劇団による舞台作品「仮面の男」については「宝塚歌劇団によって舞台化された作品の一覧#仮面の男」を、1933年のアメリカ映画については「仮面の男 (1933年の映画)」をご覧ください。
仮面の男
The Man in the Iron Mask
監督 ランダル・ウォレス
脚本 ランダル・ウォレス
製作 ラッセル・スミス
ランダル・ウォレス
製作総指揮 アラン・ラッド・ジュニア
出演者 レオナルド・ディカプリオ
ジョン・マルコヴィッチ
音楽 ニック・グレニー=スミス
撮影 ピーター・サシツキー
編集 ウィリアム・ホイ
製作会社 ユナイテッド・アーティスツ
配給 アメリカ合衆国の旗 MGM Distribution Co.
日本の旗 UIP
公開 アメリカ合衆国の旗 1998年 3月13日
イギリスの旗 1998年3月20日
日本の旗 1998年8月8日
上映時間 132分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 35,000,000ドル (概算)
興行収入 182,968,902ドル[1]
配給収入 16億2000万円[2] 日本の旗
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仮面の男』(かめんのおとこ、The Man in the Iron Mask)は、1998年製作のアメリカ映画アレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』をベースに、ルイ14世鉄仮面伝説、老いた三銃士の復活と活躍、王妃とダルタニアンの秘めた恋を描いた歴史娯楽活劇である。

ストーリー

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1662年のフランス。かつてルイ13世の下で勇名を馳せたアラミス、アトス、ポルトスの三銃士は現役を退き、彼らと友情を交わしたダルタニアンは銃士隊長としてルイ14世に仕えていた。しかし、ルイは戦争によって国力を疲弊させ、貧困に喘ぐ国民を顧みず浪費を続け、忠誠の対象となるには、ほど遠い国王だった。そんな中、ルイはアラミスを呼び出し、「反乱を指揮するイエズス会の指導者を探し出して暗殺しろ」と命令する。同じ頃、アトスは息子ラウルが銃士隊に入隊し、王宮の園遊会で恋人のクリスティーヌに婚約を申し込む話に喜びを感じていた。しかし、園遊会で、クリスティーヌの美貌に惹かれたルイは、ルイズを手に入れるためにラウルに出陣命令を出す。憤慨するアトスだったが、ダルタニアンの「国王に考えを変えていただく」という説得で怒りを納める。しかし、ルイは約束を破り、ラウルを最前線へ送り込む。後日、ラウル戦死の知らせを受けたアトスは悲嘆に暮れ怒り、剣を手に王宮へ乗り込むが、ダルタニアンに阻止される。ラウル戦死の報を受け取ったクリスティーヌはルイ14世に宮廷へ呼び出しを受ける。病身の母親と妹のために、クリスティーヌはルイ14世の愛を受け入れ、国王の愛妾となる。

アラミスは、教会地下墓地にアトス、ポルトス、ダルタニアンの三人を呼び出し、「ルイを国王の座から下ろし、新国王に入れ替える事に協力して欲しい」と打ち明ける。アトスとポルトスは協力を承諾するが、ダルタニアンはルイ14世への忠誠の誓いを貫くと言って申し出を断る。アラミス、アトス、ポルトスは、海上の監獄に向かい、鉄仮面を装着した囚人を助け出す。アラミスの隠れ家で囚人の鉄仮面をはずすと、ルイと瓜二つの容姿が現れた。アラミスは男の正体を語る。男はルイの双子の弟フィリップであり、生まれてすぐに存在を隠されて16年間人里離れた屋敷で育てられ、6年前にルイ14世の命令を受けたアラミスによって鉄仮面を装着させられ幽閉されたのだ、と。アラミスはルイとフィリップを入れ替える計画を打ち明けるが、アトスとポルトスは、不可能だ、失敗すればフィリップの命がないと反対する。フィリップも突然のことに戸惑うが、アトスの「我々は、ずっと王の名に値する国王に仕える夢を持っていた。息子にも同じ夢を持たせた。息子が死んだことが無意味ではなかったかどうかを知りたい」という告白を聞き、フランス国王になることを決意する。同じ頃、戦死する直前にラウルが送った手紙を受け取ったクリスティーヌは、貧困と病気に苦しむ家族を救うためにルイの愛妾になった自分を責める。

フィリップが獄中死したという知らせを受け取り嘆くアンヌ太后は、司祭のアラミスから「私の罪(双子のフィリップを牢獄に投獄した事)が、神により、もうすぐ正される」と告げられた。元三銃士から剣術や乗馬やダンスや国王の立ち振る舞いを仕込まれたフィリップは、アラミス・アトス・ポルトスとともに王宮の仮面舞踏会に紛れ込み、秘密の通路を通って国王の寝室に入り、ルイと入れ替わることに成功する。仮面舞踏会でルイになりすましたフィリップと再開したアンヌ太后は、我が子であると即座に気づき、その再会にひっそり涙する。そこにクリスティーヌが現れ、ルイが前線の将軍に命令しラウルを戦死させた、その手紙を手に入れたと、非難する。フィリップはクリスティーヌに償うことを約束するが、普段の傲慢な態度とは違い他者を気遣う「ルイ14世」に不信を抱いたダルタニャンは、銃士隊に宮殿内の通路を封鎖するよう命令する。元三銃士は捕縛したルイを連れて地下水道から脱出しようとするが、銃士隊に見つかり戦闘になる。アラミス・アトス・ポルトスは脱出するも、フィリップが脱出に失敗して捕まってしまう。ルイは元三銃士を殺すようにダルタニアンに命令し、フィリップに再び鉄仮面を装着させてバスティーユ牢獄に幽閉する。同じ頃、絶望したクリスティーヌがルイの部屋の真上から首を吊り自殺する。

パリの街は、元三銃士を探す兵隊であふれていた。三銃士は地下墓地に逃げ込み、そこでダルタニャンが残した手紙を見つける。手紙にはフィリップの居場所はバスティーユ牢獄だと書かれていた。三人は銃士時代の制服を身にまといバスティーユに向かう。一方、ダルタニアンも太后アンヌに別れを告げて単身バスティーユ牢獄に向かい、銃士隊副官アンドレから、ダルタニアンがバスティーユへ向かった報告を受けたルイも、銃士隊を率いてバスティーユへ向かう。フィリップを牢獄の檻から無事に助け出した三銃士は、脱出しようとするが、駆け付けたダルタニアンから牢獄が包囲されたことを告げられる。直後にルイが銃士隊を率いて牢獄通路に乗り込み、ダルタニアンや三銃士と激しい戦闘になる。五人は、ルイ率いる銃士隊に追い詰められ、ルイから降伏するように命令される。フィリップは自分の命と引き換えに彼らの助命を試みようとするが、ダルダニアンから、「我が子の命は差し出せない。あなたの母上を今でも愛している」と告げられる。

ダルタニアンと三銃士は、フィリップを守るために戦うことを決意し、五人は銃士隊に突撃する。ルイは銃士隊に発砲を命令するが、三銃士の伝説を崇拝する銃士隊は狙いを外し、攻撃を止め、ダルタニアンと三銃士に最敬礼する。それを見たルイは、短剣を取り出しフィリップを殺そうとするが、ダルタニアンはフィリップを守り盾となり刺されてしまう。ダルタニアンは、フィリップと友に看取られて息を引き取る。ダルタニアンを尊敬していた副官アンドレは、ルイに刃を突きつけた。再びルイと入れ替わったフィリップは、鉄仮面を装着したルイを獄中に幽閉するように命令する。後日。ダルタニアンの葬儀を終えた三銃士は、アンドレたち銃士隊に敬礼で見送られる。それから数年後にフィリップはルイに恩赦を与えて、田舎の屋敷に幽閉する。フィリップは、三銃士に支えられながら偉大な国王「ルイ14世」としてフランスの黄金時代を築き上げていく。

登場人物/キャスト

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(注記)括弧内は日本語吹替

傲慢で際限なく派手な金遣いと民に圧制を強いる暴君。日ごろ、鍛錬をしていて腕には覚えがある。

  • フィリップ-レオナルド・ディカプリオ(草尾毅)

ルイ14世の双子の弟。生まれてすぐに王宮からアラミスによって連れ出され田舎の屋敷で育てられた。その後はルイの命令で海上の牢獄に幽閉されていた。鉄仮面を付けられ不幸な境遇に落とされて、なお優しさを失わない心根の持ち主。

元四銃士。引退して息子ラウルの成長を楽しみに生きてきたが、ルイの策謀でラウルを失う。ラストではフィリップの側近になり、父親ダルタニャンを失ったフィリップに父親として慕われる。

神父でイエズス会の指導者。ルイの命令で仕方なくフィリップに鉄仮面を付け幽閉した張本人であり、罪の意識に苦しむ。ルイの暴政を見て、フィリップと入れ替える計画を立てる。

現在は引退し放蕩した生活を送る。尿路結石やアルコール中毒にインポテンツの持病を持つ。酒と女にだらしない下品な性格の三枚目だが剛力と騎士の魂は失っていない。

四銃士の最年少。銃士隊隊長。実はルイ14世の真の父親。アンヌ王妃へ永遠の愛を捧げる。アトスの「どんな人間でも善性を信じろ」との教えを信じ、息子であるルイを身を挺して守ってきた。最後はルイからフィリップをかばい、刃を背中に受けて、実の息子と三銃士に看取られながら息を引き取る。

ルイ14世とフィリップの母親。若き日にダルタニアンと愛し合い双子の王子を産む。ダルタニアンを苦しめたくなく、双子だったと隠していた。赤ん坊の時に手放したフィリップの身を案じていた。

ラウルの婚約者だったが、ラウル戦死後は病気の妹と母親のためにルイ14世の愛妾となる。それを見越していたラウルは「自分を責めるな」という手紙を戦地から送っており、クリスティーヌは自室から飛び降りて首を吊り自殺した。

アトスの息子でクリスティーヌの婚約者。ルイの命令で前線に送られ、砲撃の正面に立たされ謀殺される。身の死を予見しクリスティーヌに手紙を遺す。

銃士隊の副官。ダルタニャンを尊敬している。ルイ14世の命令でダルタニアンの行動を報告していた。

脚注

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  1. ^ "The Man in the Iron Mask (1998)" (英語). Box Office Mojo. 2010年2月16日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)576頁

関連項目

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外部リンク

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主人公
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舞台
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