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ラマ (チベット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避 この項目では、チベット仏教の僧侶について説明しています。その他の用法については「ラマ」をご覧ください。
ダライ・ラマ14世(1994年)

ラマ(チベット語:བླ་མ་, ワイリー方式:bla ma, ラテン文字慣用表記:Lama, 漢語表記:喇嘛)とは、チベット仏教における僧侶敬称の1つ。「上師」と訳されることがある[1] サンスクリット語グル(師匠・導師など)に相当する[2]

概要

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チベット語上人(しょうにん)あるいは聖人という意味[注 1] であり、俗にいう「無上」という解釈は誤り[4] [注 2] 。異説として、バラモン(brāhmaṇa)から来ているのではないかという仮説がある[5] 吐蕃王国初期の時代にはヒンドゥー教の学匠に対して用いられた用例もある[5]

チベット仏教の僧侶を総称して「ラマ僧」と呼ぶことがあるが、本来ラマとは(自らの)師匠たる僧を指す語で、修行僧を一般的にラマ僧と呼ぶのは誤りである[注 3]

必ずしも化身ラマ(チベット語ではトゥルク)であるとは限らず、転生継承ではなく修行によってラマとなる者もいる。このように漠然と宗教上の師を指す語であり、日本語で俗に言う和尚に近いニュアンスである。

高僧に対する尊称としてはリンポチェ(至宝者)という称号も多く用いられる。

脚注

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注釈

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  1. ^ 直訳すると、"bla"は「上」、"ma"は「人・者」の意味[3]
  2. ^ 否定辞maは語の前に置かねばならず、無上という時はラナメパ(bla na med pa)という。[4]
  3. ^ 平僧は「タパ」(grwa pa)と呼ぶ[6]

出典

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  1. ^ 1240年〜1350年 モンゴル帝国皇帝との関係
  2. ^ 青木 1942, pp. 184–185.
  3. ^ 青木 1942, pp. 181–182.
  4. ^ a b 青木 1942, p. 182.
  5. ^ a b 青木 1942, pp. 185–186.
  6. ^ 青木 1940, p. 264.

参考文献

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  • 青木文教『西蔵の民族と文化』高原社、1942年。 (改訂新版:慧文社〈近代チベット史叢書2〉、2009年、111-116頁。ISBN 978-4863300255。)
  • 青木文教『西蔵文化の新研究』有光社、1940年。 (改訂新版:日高彪校訂、慧文社〈近代チベット史叢書10〉、2015年、197-202頁。ISBN 978-4863300538。)

関連項目

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基本教義
人物
世界観
重要な概念
菩提への道
信仰対象
分類/宗派
地域別仏教
聖典
聖地
歴史
美術・音楽

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