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ラット・テリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラット・テリア
トライカラーのラット・テリア
別名 アメリカン・ラット・テリア
スクウィレル・テリア
ファイスト
愛称 RT, Rat, Rattie
原産地 アメリカ合衆国
特徴
体重 10–25ポンド (4.5–11.3 kg)
体高 10–18インチ (25–46 cm)
外被 シングル/スムース
毛色 白にブラック、タン、チョコレート、グレー、レモン・アプリコットのいずれかのバイカラーもしくはトライカラー。
主要畜犬団体による分類と標準
AKC Miscellaneous class 標準
The AKC Miscellaneous class is for breeds working towards full AKC recognition.
UKC Terriers 標準
イヌ (Canis lupus familiaris)

ラット・テリア(英:Rat Terrier)は、アメリカ合衆国原産のテリア犬種である。アメリカで命名され、人気のある犬種であることから、アメリカン・ラット・テリア(英:American Rat Terrier)とも呼ばれる。

もとは1820年代に、イギリスネズミ捕りに特化した犬を作る目的で、スムース・フォックス・テリアマンチェスター・テリアを交配して作られた犬種である[1] [2] [3] ホワイト・イングリッシュ・テリアも掛け合わされているともいう[3] 。優れた狩猟能力を持っていて、中には7時間で2501匹のネズミを仕留めたという記録も残されており[2] 、労働者階級の娯楽としてネズミ捕りが行われた[1]

1890年代になるとアメリカ合衆国輸出された[2] 。特に米国大統領 セオドア・ルーズベルトが本種を愛好して「ラット・テリア」と名付け、狩猟によく連れて行った[2] 。その後、更なる品種改良のためにウィペットビーグル、スムース・フォックス・テリア、イタリアン・グレイハウンド等とも交配された[1] [2] [3] 。その結果、脚の長いタイプと短いタイプの2つの犬種が出来上がったため、前者をアメリカン・ラット・テリア、後者をテディ・ルーズベルト・テリアと区別するようになった[2]

狩猟能力にすぐれ、獲物を木の上に追い上げるツリーイングに優れるところから、スクウィレル・ドッグ(リス猟用の犬)とも呼ばれた[2] 。アメリカで大型化が進み、アライグマやシカなどの猟にも使われた[1] 。性格の明るさからペットとしても好まれる[2] 。1930年代以降、人気は衰退したが、20世紀末ころからラット・テリア・クラブ・オブ・アメリカ等の犬種クラブが設立され、人気が復活しつつある[2]

特徴

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サイズ階級にミディアムとミニチュアがあり、前者は体高46cm以下、体重3〜3.5kg、後者は33cm以下、体重2〜3kgである[3] [4]

毛並みはスムースコートで、毛色はさまざまである。頭部は幅広で、耳は立ち耳だが折れていることもある[1] 。性格は大人しいが明るく、好奇心旺盛である[3]

脚注

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  1. ^ a b c d e ブルース・フォーグル著、福山英也監修『新犬種大図鑑』ペットライフ社、2002年、293ページ。
  2. ^ a b c d e f g h i デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、182ページ
  3. ^ a b c d e 藤原尚太郎『日本と世界の愛犬図鑑 最新版』辰巳出版、2013年、236ページ。
  4. ^ ブルース・フォーグル著『新犬種大図鑑』によれば、スタンダード、ミニチュア、トイの3段階があり、それぞれ体高36〜56cm、体重5〜16kg、体高20〜36cm、体重2.5〜3.5kg、体高20cm以下、体重2〜2.5kgという(293ページ)。ただし、ラット・テリアを公認しているアメリカンケネルクラブユナイテッドケネルクラブではミディアムとミニチュアの2種類に分けている(UKCスタンダードAKCスタンダード)。

関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、ラット・テリア に関連するカテゴリがあります。

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