ミュールジカ
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ミュールジカ |
---|
ミュールジカのオス(左)とメス
|
保全状況評価 |
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
分類 |
種
:
ミュールジカ O. hemionus
|
学名 |
Odocoileus hemionus |
和名 |
ミュールジカ |
英名 |
Mule deer |
ミュールジカ(Odocoileus hemionus)は、北アメリカ西部で普通にみられるシカである。耳がラバ(ミュール)のそれに似ているのでこの名前がある。尻尾がすべて黒いオグロジカを含む数種類の亜種があり、近縁のオジロジカとは違って、ミズーリ川より西の地域、特に、ロッキー山脈付近に分布する。ハワイのカウアイ島やアルゼンチンに移入されたこともある[1] 。
シートン動物記の The Trail of The Sandhill Stag(邦題『サンドヒルの牡鹿』『サンドヒル・スタッグ どこまでも続く雄ジカの足あと』)に出てくるのは、このミュールジカである[2] 。カナダ・マニトバ州が舞台ということで後述 種類 の「O. h. peninsulae」種と思われる。
特徴
[編集 ]オジロジカ属の中では最大種で、肩高1-1.1m、体長2mにもなる。大人のオスは体重が68kgから140kg、一方メスは平均して57kgから79kgで、大きなオスになると230kgにもなる[3] 。オジロジカのように、同じ地域内で際立った体格差が見られることはない。
オジロジカとの外見上の大きな違いは、耳の大きさ、尻尾の色、そしてオスの角の形である。体の大きさの違いで見分けられることも多い。また、ミュールジカの尻尾は先端が黒いが、オジロジカは黒くない。角も、ミュールジカは複数の枝に分かれ、年を重ねるごとにフォーク状に横に張るが、オジロジカの角は、1本の角から枝分かれする。
角は毎年、交尾期の後に抜け落ちるが、春にはすぐに新しいものが生えて来る。抜け落ちるのは2月半ばが一般的だが、地域差がある[4] 。
生態
[編集 ]食性
[編集 ]夏は主に草を食べるが、果実を食べることもある。例えばブラックベリー、ブルーベリー、レモンリーフの実やスィンブルベリーである。また、有毒であるにもかかわらず、カリフォルニア・バックアイ(カリフォルニアトチノキ)の葉を食べることでも知られる。
冬は毬果、とりわけダグラスモミや、ヒノキ科や、イチイ属、ビャクシン属の樹木の実を食べる。また、落葉樹や灌木(特にハコヤナギ、ヤナギ、ハナミズキ、ザイフリボク、セージ)の枝も食べる。ドングリやリンゴを食べることもある。ミュールジカが生息する地域の大部分は、冬になると、食物が雪と氷におおわれ、そうでないわずかな食物も成長が鈍る。食物が少ない環境での冬を乗り切るために、ミュールジカは動きが少なくなり、新陳代謝が鈍くなる。冬はミュールジカの死亡率が一番高くなる時期で、特にその前の春に生まれた子の死亡率が高い。そのため、ミュールジカは、冬場は雪が多い山から谷へと移動する。人間による餌付けが行われることもあるが、こういう給餌のやり方は、よほど適切に行われない限り、いい結果を生まない。
[5] [6]
ミュールジカは木の葉よりも草を食べる傾向があり、食物となる草の多寡によって生息数が増減する。水や餌を求めて移動することはまれで、食物があるところから、歩いて移動できる場所にねぐらを構える性質がある。
子供のころは家族単位で採食するが、大人のオスは単独、もしくは他のオス数頭と採食する。夜明けまたは日暮れの頃に食物を採り、昼間は休んでいることが多いが、見通しのいい農地や、満月の時期、そして、ハンターから追われている場合には、夜にも餌をあさる。ミュールジカの寝る場所は、たらいほどの大きさで、よく使う場所は表面がこすり取られているが、間に合わせのねぐらは、せいぜい草がぺしゃんこになった程度である[7] 。
繁殖
[編集 ]繁殖のサイクルも、このシカを知る上では欠かせない。交尾期もしくは発情期は秋に始まり、メスは数日間盛りがついた状態となり、オスは、相手を求めてより攻撃的になる。メスは最低1頭のオスと交尾するが、つがいとならなかった場合は、一月以内に発情期に戻る。妊娠期間は約190-200日で、春に生まれた子ジカは、生後60-75日経って乳離れをする。
子ジカは通例1頭または2頭だが、たまに三つ子が誕生することもある。子ジカは、生まれた年の冬は母親と一緒に過ごす[8] 。
天敵
[編集 ]ミュールジカの天敵は人間に留まらない。ハイイロオオカミやクーガーは、成獣にとっての主な天敵である。ボブキャット、コヨーテ、アメリカクロクマやハイイログマは、成獣はめったに捕食しないが、子ジカは普通に捕食する[5] 。
1960年代より、プリオンによる慢性消耗病(CWD)が問題になっている[9] 。
種類
[編集 ]ミュールジカは、狭義のミュールジカ(sensu stricto )とオグロジカの2つのグループに分けられる[1] 。オグロジカの仲間である O. h. columbianus と O. h. sitkensis を除くすべての亜種が、ミュールジカの仲間に含まれる。この両者は別亜種として扱われているが、交配が可能であり、最近では、専門家はこの2種をほぼ同種として扱っている[10] 。
ただし、ミュールジカとオジロジカのミトコンドリアDNAは似通っている一方で、ミュールジカとオグロジカのミトコンドリアDNAには比較的大きな違いがある。これは交雑による遺伝子汚染のせいだと考えられているが、ミュールジカとオジロジカが野生の状態で交雑することはまれで、交雑種は生存率が低い(ただしテキサス西部では、一般的になっているようである)。交雑の観察記録の主張は正当とは言えず、外見的な特徴による識別は難しい[10] 。
- ミュールジカ
- オグロジカ
- O. h. columbianus – 北米太平洋岸北西部、カリフォルニア北部に分布
- O. h. sitkensis – 北米太平洋岸、ブリティッシュコロンビア西部沖の島嶼部に分布
関連項目
[編集 ]脚注
[編集 ]- ^ a b c Wilson, Don E.; Reeder, DeeAnn M., eds (2005). Mammal Species of the World (3rd ed.). Baltimore: Johns Hopkins University Press, 2 vols. (2142 pp.). ISBN 978-0-8018-8221-0. OCLC 62265494.
- ^ 横浜市 教育委員会 中央図書館 読んでみようこんな本 中学生から
- ^ "Odocoileus hemionus". Integrated Taxonomic Information System. http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=180698. Retrieved 23 March 2006.
- ^ Mule Deer | Merced Applegate Park Zoo
- ^ a b C.Michael Hogan (2008) Aesculus californica, Globaltwitcher.com, ed. N. Stromberg
- ^ NORTH AMERICAN MULE DEER CONSERVATION PLAN
- ^ Large Mammals of the Santa Cruz Mountains
- ^ W J Yenne, Wildlife of North America, London:Bison Books Ltd, 1987, p.37
- ^ 社団法人エゾシカ協会 籠田勝基「シカの新しい感染病CWDについて」
- ^ a b Geist, V. (1998). Deer of the world: their evolution, behaviour, and ecology. ISBN 978-0811704960