ビンズイ
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ビンズイ |
---|
ビンズイ Anthus hodgsoni
|
分類 |
種
:
ビンズイ A. hodgsoni
|
学名 |
Anthus hodgsoni Richmond, 1907 |
和名 |
ビンズイ |
英名 |
Olive-backed Pipit |
ビンズイ(便追、木鷚[1] 、学名: Anthus hodgsoni)は、スズメ目 セキレイ科に分類される鳥類の一種である。別名キヒバリ(木雲雀)[2] 。一般的な英名はOlive-backed Pipitだが、Indian Tree Pipit または Hodgson's Tree Pipitと呼ばれることもある。Tree Pipitはヨーロッパビンズイをさす言葉だが、見た目が酷似しているのでそう呼ばれる。良い声でさえずる。
分布
[編集 ]西シベリアからロシア極東、サハリン、朝鮮半島、中国東北部にかけてとヒマラヤ付近で繁殖し、冬季はインドや東南アジア、フィリピン、台湾などの温暖な地域に渡り越冬する。
日本には漂鳥または夏鳥として四国以北の山地で繁殖し、冬は暖地に移動する。西日本での繁殖は局地的である。北海道や本州北部では平地でも繁殖する。
形態
[編集 ]体長15-16cm、体重19-26g。雌雄同色である。夏羽の成鳥は頭頂から背中にかけて緑褐色。体下面は白色で脇や胸は黄色みを帯びる。頭や胸などに暗褐色の斑があり、背面にも不明瞭な斑がある。暗褐色の細い過眼線がある。後趾の爪は短く湾曲している。冬羽は中雨覆先端や脇、胸などの黄色味が強い。
生態
[編集 ]繁殖期は、低山から亜高山の林、林縁、木の疎らに生えた草原などに生息する。非繁殖期は低地の松林で観察されることが多い。繁殖期は縄張りを形成する。非繁殖期は小群で生活する。
繁殖期の主食は昆虫類やクモ類で、非繁殖期は植物の種子などが主食になる。主に地上で採食する。
繁殖形態は卵生。年2回繁殖することが多い。草地、崖、土手の窪みに草の茎などを用いて椀形の巣を作り、5-8月に3-5個の卵を産む。卵は暗い茶色で黒っぽい斑点がある。抱卵期間は12-13日で、雌または雌雄協同で抱卵する。雛は約10日で巣立ちする。
歩きながら尾をよく縦に振る。
亜種
[編集 ]以下の2亜種に分類される。
- ビンズイ A. h. hodgsoni
- カラフトビンズイ A. h. yunnanensis
ビンズイに比べて黒っぽさが少なく、上一面がオリーブ色に見える。
類似種との識別
[編集 ]- ヨーロッパビンズイとの識別はとても困難である。見分ける点は、ヨーロッパビンズイの体上面は緑色みが乏しく、明瞭な縦斑がある所である。また胸の斑もビンズイに比べて小さめである。
- ムネアカタヒバリ(Anthus cervinus)には体上面の緑みがなく、胸が赤っぽい。背中の斑も明瞭である。地鳴きも異なる。
- タヒバリ(Anthus rubescens)にも似るが、眼の後方に薄い褐色の斑、その下方に黒斑があることで見分けられる。地鳴きも異なる。
脚注
[編集 ]参考文献
[編集 ]- 高野伸二他 山渓カラー名鑑『日本の野鳥』、山と渓谷社 、1985年
- 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2004年
- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、153頁。