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トウヤクリンドウ

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トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ(白馬岳・2002年08月撮影)
分類
: トウヤクリンドウ G. algida
学名
Gentiana algida Pall. [1]
和名
トウヤクリンドウ (当薬竜胆)

トウヤクリンドウ(当薬竜胆、学名:Gentiana algida)はリンドウ科 リンドウ属多年草高山植物

特徴

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高さは10〜25 cm。花期は8〜9月上旬。茎の先に長さ3〜4cmの花を2〜3個つける。花は淡い黄色なのが特徴的であり、花弁には緑色の斑点がある。花は日が当たらないと開かない。茎葉は対生し、長さ2〜5cmの披針形〜長楕円状披針形である。学名の「algida」は「寒冷な」を意味する[2] ドイツ人植物学者ペーター・ジーモン・パラスが1789年に、学名を命名した[1]

和名のトウヤク(当薬)は薬草になるセンブリのこと。トウヤクリンドウも胃薬になることから付けられた。

分布

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アジアから北米にかけて分布し、日本では北海道中部以北の高山帯の砂礫地や草地に生える[2] 基準標本シベリア東部などのもの[2] 田中澄江が『花の百名山』の著書で槍ヶ岳を代表する花の一つとして紹介した[3]

近縁種

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  • エゾトウヤクリンドウ(蝦夷当薬竜胆 Gentiana algida f. igarashii )
別名がクモイリンドウ(雲居竜胆)。北海道の大雪山に分布する。トウヤクリンドウよりも小型で、花は長さ約5 cmと大きい[4]

種の保全状況評価

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日本の環境省レッドリストの指定はない[5]

石川県でレッドリストの絶滅危惧I類、新潟県危急種(絶滅危惧II類)、北海道準絶滅危惧の種に指定されている[6]

関連画像

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常念岳・2007年8月 茎葉が対生し、花弁に緑の斑点
御嶽山・2010年8月

脚注

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  1. ^ a b "Gentianodes algida (Pall.) (トウヤクリンドウ)" (英語). ITIS. 2011年9月9日閲覧。
  2. ^ a b c 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、212-213頁。ISBN 4-635-09019-1 
  3. ^ 田中澄江『花の百名山』文藝春秋、1980年3月、262-265頁。ASIN B000J86YXA 
  4. ^ 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月、264-265頁。ISBN 9784635090421 
  5. ^ "植物絶滅危惧種情報検索(トウヤクリンドウ)". 生物多様性情報システム. 2011年9月9日閲覧。
  6. ^ "日本のレッドデータ検索システム(トウヤクリンドウ)". エンビジョン環境保全事務局. 2011年9月9日閲覧。

外部リンク

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ウィキスピーシーズにトウヤクリンドウ に関する情報があります。
ウィキメディア・コモンズには、トウヤクリンドウに関連するメディア およびカテゴリ があります。


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