ウルーピー
表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウルーピー (Ulūpī) は、インドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場するナーガ族の女性(ナーギニー)。ナーガ王アイラーヴァタの家系に属するカウラヴィヤ王の王女[1] 。アルジュナとの間にイラーヴァット (英語版)を生んだとされる[2] 。
物語
[編集 ]ウルーピーはアルジュナが12年間追放されていたとき、アルジュナに恋をした。そこでアルジュナが火の供儀のためにガンジス川で沐浴し、陸に上がろうとしたとき、彼を水中に引き入れた。そして父カウラヴィヤの宮殿に連れて行った。アルジュナはそこに聖火があったので火の儀式を完遂した。その後ウルーピーはアルジュナに自分の思いを伝え、情交を求めた。最初アルジュナは拒否したが、ウルーピーは望みが叶えられないならば死ぬと言ったため、その夜を宮殿で過ごし、翌朝陸に戻った[3] 。
なお『マハーバーラタ』6巻によると、ウルーピーがアルジュナに出会ったとき彼女の夫はガルダに殺されていて、アルジュナに恋をした彼女をアイラーヴァタ王がアルジュナに託したという話である[4] 。しかし息子のイラーヴァットはクル・クシェートラの戦い (英語版)においてパーンダヴァ側で戦い、戦死した[5] 。
戦後、アルジュナがチトラーンガダーの息子バブルヴァーハナを訪れ、息子のへりくだった態度に不満な様子を見せたとき、ウルーピーはバブルヴァーハナにクシャトリヤの生き方を説き、父と戦うようにけしかけた。彼の矢が老いたアルジュナを殺すと、魔法の薬を与えてアルジュナを蘇生させた[6] [注釈 1] 。
脚注
[編集 ][脚注の使い方]
注釈
[編集 ]脚注
[編集 ]参考文献
[編集 ]ウィキメディア・コモンズには、ウルーピー に関連するカテゴリがあります。
- 『マハバーラト iv』池田運訳、講談社出版サービスセンター、2009年1月。ISBN 978-4-87601-810-9。
- 『マハーバーラタ 原典訳 2(第1巻(139-225章) 第2巻(1-72章))』上村勝彦訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2002年3月。ISBN 978-4-480-08602-0。
- 『マハーバーラタ 原典訳 6(1-117章)』上村勝彦訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2002年11月。ISBN 978-4-480-08606-8。
- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。 ※(注記)特に注記がなければページ番号は本文