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アインハイツディーゼル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アインハイツディーゼル
Einheitsdiesel
種類 軍用オフロードトラック
原開発国 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
運用史
配備先 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
開発史
製造業者 複数メーカーで生産
製造期間 1937年〜1940年
諸元
重量 4.925 kg

エンジン 6気筒ディーゼルエンジン, 80hp
搭載容量 2.375 kg
速度 70 km/h
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アインハイツディーゼル (ドイツ語: Einheitsdiesel) は、1930年代にドイツ国防軍が進めていた軍用オフロードトラックの開発・調達計画の呼称、およびこの計画で開発された軍用トラックの呼称である。

名称の"アインハイツ"はドイツ語で「統制型」「標準型」といった意味で、この計画では複数のメーカーで統一した仕様のトラックを生産し、生産性や保守性を高める事が計画されていた。当初の計画では2軸、3軸、4軸の各種トラックの仕様標準化が目的とされたが、3軸の2.5トントラックのみが量産された。

概要

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1930年代のドイツ軍は、様々な自動車メーカーがそれぞれ開発・製造した自動車やトラックを個別に導入しており、保守や整備が非常に複雑化していた。軍はこれらの車両の仕様標準化を目指し、乗用車については統制型乗用車(アインハイツ ・パーソネンクラフトワーゲン)と呼ばれる標準化計画が進められ、トラックについてはアインハイツディーゼルとして標準化仕様策定が進められた。

搭載されるHWA 526 Dエンジン(出力80hp)はMAN社が策定した仕様に基づいてヘンシェル社とマギルスKHD社で開発され、シャーシは主にヘンシェルが主体となって開発を進めた。

アインハイツディーゼルの車種は統制型乗用車計画の中で仕様策定されたMittelschwerer geländegängiger Lastkraftwagen (m. gl. Lkw, 中型オフロードトラック)とは異なり、3軸全輪駆動で、全軸にシングルタイヤを装着する仕様であった。

アインハイツディーゼルの生産には多くの自動車メーカーが参加した。

これらの企業以外にも、ボルクヴァルトクルップフォマーク (ドイツ語版)なども製造にに加わっており、総計で約12,300両のアインハイツディーゼルが生産された。

アインハイツディーゼルのオフロード性能自体は好評であったが、複雑な構造と車格に対する積載能力の低さは問題視され、1940年になるとオペル・ブリッツメルセデス・ベンツ・L3000 (ドイツ語版)のような同クラスの積載能力を持ち、よりシンプルな構造の2軸トラックの生産が優先され、アインハイツディーゼルの生産は終了した。

構造・型式

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生産されたアインハイツディーゼルの多くは、荷台部分が鋼鉄製のフラットベッドタイプのカーゴトラックであった。これ以外には、フィールドキッチンを搭載したモデル、パネルバンタイプの工作作業車、無線通信車、電話通信車などの派生型が生産されている。

参考文献

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  • Reinhard Frank: Lastkraftwagen der Wehrmacht. 1. Auflage. Karl Müller Verlag, Erlangen 1992, ISBN 3-86070-859-7, S. 207.
  • G. N. Georgano: World War Two Military Vehicles Transport & Halftracks. Reprint Auflage. Osprey, London 1995, ISBN 1-85532-406-7, S. 208.

関連項目

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外部リンク

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