芋粥
芋粥 | |
---|---|
作者 | 芥川龍之介 |
国 | 日本の旗 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『新小説』1916年9月号 |
刊本情報 | |
収録 | 『羅生門』 |
出版元 | 阿蘭陀書房 |
出版年月日 | 1917年5月 |
ウィキポータル 文学 ポータル 書物 | |
テンプレートを表示 |
「芋粥」(いもがゆ)は、1916年(大正5年)9月1日の『新小説』に発表された芥川龍之介の短編小説である[1] 。『今昔物語集』の一話に題材をとり[2] 、「鼻」と並ぶ古典 翻案ものの一つと位置づけられる。
あらすじ
[編集 ]時代は平安時代の元慶か仁和年間の頃。主人公の五位[3] は、摂政・藤原基経の役所に勤務する、歳も四十を越した風采のあがらない小役人である。彼は才覚もなければ見た目も貧相で、日ごろ同僚からも馬鹿にされ、道で遊ぶ子供に罵られても笑ってごまかす、情けない日常を送っている。しかし、そんな彼にも夢があった。それは芋粥[4] を、いつか飽きるほど食べたいというものだった。
ある集まりの際にふとつぶやいた、その望みを耳にした藤原利仁が、「ならば私が、あきるほどご馳走しましょう。北陸の私の領地にお出でなされ」と申し出る。五位は戸惑いながらその申し出に応じ、彼に連れられて領地の敦賀に出向く。しかし、利仁の館で用意された、大鍋に一杯の大量の芋粥を実際に目にして、五位はなぜか食欲が失せてしまうのであった。
原典
[編集 ]この短篇は、『今昔物語集』の巻26第17話「利仁の将軍若き時京より敦賀に五位を将(い)て行(ゆ)きたる語(こと)」を下敷きにしている(『宇治拾遺物語』の一―一八にも、ほぼ同じ内容の「利仁暑預粥事」がある[5] )。原典は実在の人物である藤原利仁の権勢を見せつけるエピソードに重点が置かれており、五位の精神的自由の近代的解釈を叙述の中心とする本作とは大きく異なる。また、うだつの上がらない小役人である主人公の描写が、ニコライ・ゴーゴリの1842年の作品「外套」の記述の一部と酷似している[6] との指摘もある。
テレビドラマ
[編集 ]1959年
[編集 ]1959年 5月28日、日本テレビ系列の木曜20:30 - 21:30で放送された。『芥川龍之介シリーズ』の第5作にして最終作、そして日産自動車 一社提供ドラマ枠『日産劇場』の第1作である[7] 。龍之介の三男・芥川也寸志が音楽を担当した。
1962年
[編集 ]1962年 11月25日、NHK総合テレビの『こども名作座』(日曜10:00 - 10:30)で放送された。
脚注
[編集 ]- ^ 宮坂覺『芥川龍之介全集 年譜』 24巻(初)、岩波書店、2008年12月9日、164頁。
- ^ "『福井県史』通史編1 原始・古代". www.library-archives.pref.fukui.lg.jp. 2024年1月5日閲覧。
- ^ 低位の位階の一つであり、主人公の名前は明らかにされない。侍階級だが本作品では、平安時代、有力貴族に仕える官人のことであり、武士の意味合いは無い。
- ^ 山芋を甘葛の汁で煮た粥である
- ^ "『福井県史』通史編1 原始・古代". www.library-archives.pref.fukui.lg.jp. 2024年1月5日閲覧。
- ^ 外套と芋粥
- ^ "芋粥(1959年版)". テレビドラマデータベース. 2019年4月18日閲覧。
参考文献
[編集 ]- 芥川龍之介『羅生門・鼻』(改)新潮文庫、2005年10月。ISBN 978-4101025018。 初版は1968年7月
外部リンク
[編集 ]日本テレビ系列 芥川龍之介シリーズ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
芋粥
(1959年版) |
(終了)
|
|
日本テレビ系列 木曜20時台後半枠 | ||
秋
|
芋粥
(1959年版) |
|
NHK総合テレビ こども名作座 | ||
芋粥
|
この項目は、文学 に関連した書きかけの項目 です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:文学/PJライトノベル)。
項目が小説家・作家の場合には {{Writer-stub}} を、文学作品以外の本・雑誌の場合には {{Book-stub}} を貼り付けてください。
芥川龍之介の作品 | ||
---|---|---|
短編小説 | 老年 - 羅生門 - 鼻 - 芋粥 - 手巾 - 煙草と悪魔 - さまよえる猶太人 - 戯作三昧 - 運 - 道祖問答 - 偸盗 - 蜘蛛の糸 - 地獄変 - 奉教人の死 - 枯野抄 - るしへる - 犬と笛 - きりしとほろ上人伝 - 魔術 - 蜜柑 - 舞踏会 - 秋 - 南京の基督 - 杜子春 - アグニの神 - 藪の中 - 神神の微笑 - 将軍 - 報恩記 - トロツコ - 魚河岸 - おぎん - 仙人 - 六の宮の姫君 - 漱石山房の冬 - 猿蟹合戦 - 雛 - おしの - あばばばば - 糸女覚え書 - 保吉の手帳から - 一塊の土 - 大導寺信輔の半生 - 点鬼簿 - 玄鶴山房 - 蜃気楼 - 河童 - 誘惑 - 浅草公園 - 歯車 - 或阿呆の一生 | |
長編小説 | 邪宗門 - 路上 | |
その他 | ||
関連項目 | ||
関連カテゴリ |