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福島交通飯坂線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避 いい電」はこの項目へ転送されています。JR東日本が民営化当初に命名した国電の代替名称については「E電」をご覧ください。
飯坂線
1000系電車(元:東京急行電鉄)
1000系電車(元:東京急行電鉄)
福島駅
概要
起終点 起点:福島駅
終点:飯坂温泉駅
駅数 12駅
運営
開業 1924年4月13日 (1924年04月13日)
所有者 福島交通
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 9.2 km (5.7 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
最小曲線半径 160 m [1]
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
運行速度 最高60 km/h (37 mph)[1]
最急勾配 45.3 [1]
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停車場・施設・接続路線
東北本線 / 東北新幹線
福島交通飯坂東線
福島駅前駅 / 福島駅 (I)
0.0 福島駅 (II)
旧線 -1942
栄町駅
西町駅
山形新幹線
奥羽本線
0.6 曽根田駅
兵庫田駅
←東北新幹線
1.4 美術館図書館前駅 (森合駅)
←東北本線・阿武隈急行線
(2.5) 道下駅 -1935以降
BHF
2.7 岩代清水駅
BHF
3.0 泉駅
松川
BHF
3.7 上松川駅
(4.1) 成出駅 -1942
BHF
4.2 笹谷駅
BHF
5.1 桜水駅 (前谷地駅)
八反田川
(5.4) 佐場野古屋駅 -1942
東北自動車道
BHF
6.2 平野駅
石堂駅 -1942以降
BHF
7.4 医王寺前駅
(8.0) 小川橋駅 -1935以降
小川
BHF
8.7 花水坂駅
摺上川
9.2 飯坂温泉駅 (II) 1982-
(9.3) 飯坂温泉駅 (I) -1982
湯野町駅
福島交通飯坂東線

飯坂線(いいざかせん)は、福島県 福島市福島駅から飯坂温泉駅に至る福島交通鉄道路線である。 「飯坂電車」「いい電」の愛称がある。福島北郊の温泉地である飯坂温泉への足であるとともに、通勤・通学路線となっている。

路線データ

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運行形態

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日中は全線の所要時間23分に折り返し時間を2分を加えた25分を運転間隔としている。平日朝夕ラッシュ時は15分間隔で運行されているが、早朝・夜間は運転間隔が広がる。福島駅 - 飯坂温泉駅間の直通列車のほか、桜水車庫が併設されている桜水駅発着の区間列車が運行されており、基本的には全ての列車が桜水車庫に入庫する。

平日の朝から昼前にかけてと夕方から夜にかけての一部の列車は3両編成で運転されている。福島駅で乗り場を共有する阿武隈急行線や多くの地方私鉄とは異なり、ワンマン運転は実施しておらず、全列車に車掌が乗務する。

車掌はドア扱い、戸閉め前の笛の吹鳴、到着・発車時のホーム監視などの一般的な業務に留まらず、車内での乗車券(車内補充券)発売と無人駅や昼の時間帯に駅員がいない駅での乗車券の回収(集札)、さらに無札の旅客に対し降車時に精算などを行う。加えて深夜の桜水駅においては乗務終了後そのまま列車入替の補助を行っている。ドア扱いは運転士もしくは車掌のどちらかがその場の状況に応じて行う。場合によっては運転士が乗車券回収を行うこともある。

福島交通飯坂線曽根田駅にてドア扱いを行う車掌(福島交通鉄道部運輸課運輸区所属)

利用状況

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輸送実績

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飯坂線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別輸送実績
年 度 輸送実績(乗車人員):万人/年度 輸送密度
人/1日
貨物輸送量
万t/年度
特 記 事 項
通勤定期 通学定期 定 期 外 合 計
1975年(昭和50年) 241.0 141.8 247.8 630.6 11,458 1.1 桜水駅開業
1976年(昭和51年) 257.4 137.2 237.8 632.4 10,120 1.1  
1977年(昭和52年) 229.7 137.2 255.2 622.3 9,854 0.8  
1978年(昭和53年) 226.0 128.5 244.1 598.7 9,189 0.5  
1979年(昭和54年) 214.0 115.1 329.2 574.7 8,752 0.5  
1980年(昭和55年) 213.5 105.2 244.9 563.7 8,277 0.4  
1981年(昭和56年) 203.8 95.3 240.0 539.3 7,923 0.2 貨物営業廃止
1982年(昭和57年) 196.4 87.1 229.2 512.7 7,572 0.0 飯坂温泉駅が移転
1983年(昭和58年) 185.4 75.0 229.1 489.5 7,462 0.0  
1984年(昭和59年) 176.7 74.7 234.4 485.8 7,244 0.0  
1985年(昭和60年) 168.3 73.6 233.4 475.3 7,070 0.0  
1986年(昭和61年) 159.4 76.0 233.1 468.5 6,794 0.0  
1987年(昭和62年) 147.4 78.5 221.6 447.5 6,676 0.0  
1988年(昭和63年) 147.9 83.2 225.2 456.3 6,863 0.0  
1989年(平成元年) 140.2 78.8 206.2 425.2 6,328 0.0 泉 - 上松川間が7か月間不通になる
1990年(平成2年) 135.0 81.3 221.5 437.8 6,521 0.0  
1991年(平成3年) 137.5 82.2 232.4 425.1 6,721 0.0 架線電圧昇圧 7000系電車導入
1992年(平成4年) 134.4 86.3 229.7 450.4 6,747 0.0  
1993年(平成5年) 128.9 84.2 227.6 440.7 6,603 0.0  
1994年(平成6年) 124.6 82.1 220.8 427.5 6,416 0.0  
1995年(平成7年) 125.5 75.5 223.2 424.2 6,340 0.0  
1996年(平成8年) 119.1 75.2 209.0 403.3 6,020 0.0  
1997年(平成9年) 115.4 76.2 207.8 399.4 5,937 0.0  
1998年(平成10年) 116.7 72.2 195.4 384.3 5,716 0.0  
1999年(平成11年) 106.9 68.7 185.6 361.2 5,418 0.0  
2000年(平成12年) 104.6 65.3 183.5 353.4 5,292 0.0  
2001年(平成13年) 102.0 61.4 169.2 332.6 5,032 0.0 福島駅で列車激突事故発生
2002年(平成14年) 94.0 56.8 169.1 319.9 4,881 0.0  
2003年(平成15年) 90.5 55.4 161.6 307.5 4,682 0.0  
2004年(平成16年) 89.2 53.6 148.0 290.8 4,414 0.0  
2005年(平成17年) 88.0 54.5 144.8 287.3 4,355 0.0  
2006年(平成18年)       283.9   0.0  
2007年(平成19年)       270.4   0.0  
2008年(平成20年)       266.9   0.0  
2009年(平成21年) 91.0 46.4 118.2 255.6 3,870 0.0  
2010年(平成22年)       255.3   0.0  
2011年(平成23年)       252.4   0.0  
2012年(平成24年) 95.9 47.4 124.8 268.1 4,038 0.0  
2013年(平成25年) 107.3 50.1 131.0 288.4 4,295 0.0  
2014年(平成26年) 102.1 47.2 122.0 267.8 4,040 0.0  
2015年(平成27年) 77.8 29.4 134.3 241.5 3,564 0.0  
2016年(平成28年) 68.8 29.8 142.5 241.1 3,490 0.0  
2017年(平成29年) 73.2 27.2 139.1 239.5 3,482 0.0  
2018年(平成30年)           0.0  
2019年(令和元年) 72.2 25.1 134.9 232.2 3,303 0.0  
2020年(令和2年) 61.0 19.2 87.0 167.2 2,363 0.0  

収入実績

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飯坂線の近年の収入実績を下表に記す。収入は一時増加したが、最近では減少している。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別収入実績
年 度 旅客運賃収入:千円/年度 貨物運輸
収入
千円/年度
運輸雑収
千円/年度
総合計
千円/年度
通勤定期 通学定期 定 期 外 手小荷物 合 計
1975年(昭和50年) 152,175 ←←←← 230,503 77 382,755 2,413 1,028 386,196
1976年(昭和51年) 219,941 ←←←← 302,656 118 522,715 2,347 1,975 527,037
1977年(昭和52年) 211,099 ←←←← 317,618 163 528,881 2,643 3,411 534,937
1978年(昭和53年) 268,695 ←←←← 374,972 92 643,760 2,119 3,721 649,601
1979年(昭和54年) 271,686 ←←←← 384,387 0 656,073 1,690 4,211 661,974
1980年(昭和55年) 282,175 ←←←← 414,601 0 696,776 1,909 6,740 705,424
1981年(昭和56年) 278,723 ←←←← 414,867 0 693,590 998 5,634 700,222
1982年(昭和57年) 279,529 ←←←← 424,973 0 704,502 0 4,993 709,495
1983年(昭和58年) 287,333 ←←←← 467,054 0 754,387 0 16,372 770,758
1984年(昭和59年) 278,596 ←←←← 472,380 0 750,976 0 24,278 775,254
1985年(昭和60年) 266,822 ←←←← 471,394 0 738,216 0 20,169 758,385
1986年(昭和61年) 257,595 ←←←← 470,700 0 728,295 0 19,144 747,439
1987年(昭和62年) 179,738 66,410 448,917 0 695,065 0 17,870 712,935
1988年(昭和63年) 180,618 71,835 457,337 0 709,790 0 20,984 730,774
1989年(平成元年) 171,238 68,484 405,027 0 644,749 0 21,541 666,290
1990年(平成2年) 164,165 71,394 438,441 0 674,000 0 24,206 698,206
1991年(平成3年) 166,852 73,258 458,834 0 698,944 0 25,810 724,754
1992年(平成4年) 168,086 79,085 474,837 0 722,008 0 24,576 746,584
1993年(平成5年) 172,475 82,129 501,743 0 756,347 0 25,436 781,783
1994年(平成6年) 166,965 80,070 487,571 0 734,606 0 42,022 776,628
1995年(平成7年) 168,837 74,094 491,373 0 734,304 0 21,374 755,678
1996年(平成8年) 159,339 73,225 458,480 0 691,044 0 21,895 712,939
1997年(平成9年) 154,953 73,598 451,373 0 679,924 0 24,446 704,370
1998年(平成10年) 157,804 69,650 424,085 0 651,539 0 31,339 682,878
1999年(平成11年) 145,642 66,595 404,740 0 616,977 0 31,060 648,037
2000年(平成12年) 141,340 63,264 400,166 0 604,770 0 30,451 635,221
2001年(平成13年) 138,562 59,847 371,812 0 570,221 0 32,099 602,320
2002年(平成14年) 127,738 55,205 375,995 0 558,938 0 33,435 592,373
2003年(平成15年) 123,378 54,275 357,067 0 534,720 0 33,231 567,951
2004年(平成16年) 120,292 52,959 325,056 0 498,307 0 31,487 529,794
2005年(平成17年) 117,287 53,216 316,125 0 486,628 0 28,492 515,120
2006年(平成18年)       0   0    
2007年(平成19年)       0   0    
2008年(平成20年)       0   0    
2009年(平成21年) 119,435 44,427 259,828 0 423,690 0 27,664 451,354


車両

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現在の車両

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  • 1000系(元東急1000系)
    • ×ばつ4(冷房...有)
    • ×ばつ2(冷房...有)
    • 後述の7000系の置き換えのため、東京急行電鉄(現・東急電鉄)から1000系電車を譲り受け、2016年10月に2編成5両、2017年秋に2編成5両、2018年秋に2編成4両が飯坂線に導入され、2017年4月1日に営業運転を開始した[2] [3] 。車内には液晶車内装置車椅子スペースが設置されバリアフリーに対応しており、車内放送は2か国語対応としている[4] 。2両編成には側面の窓ガラスに、福島市の四季をイメージしたイラストと、福島市のマスコットキャラクター「ももりん」のステッカーなどが貼られている[5]
    • 2018年11月20日の深夜から早朝に行われた第3次車両2編成4両の搬入をもって、1000系全編成の搬入が完了した[6] 。1000系導入完了により飯坂線の定期運用車両すべてが冷房付き車両となった。
  • 7000系(元東急7000系)
    7000系
    7000系 花ももラッピング電車
    • ×ばつ1(冷房・扇風機...有)
    • 1991年の架線電圧1500Vへの昇圧時に2両編成5本と3両編成2本の計16両が導入された[7]
    • 種車は全て中間電動車からの改造。
    • 源義経の家臣だった佐藤継信佐藤忠信兄弟ゆかりの地をPRするため、2005年2月27日から同年12月末まで、車体に義経にちなんだシールを貼った「義経号」が運行された。2006年以降も規模は縮小されたが、シールを貼って運行されていた。2013年6月頃から飯坂ホテル聚楽の日帰り温浴施設「いいざか花ももの湯」入館券付の一日乗車券「花ももフリーきっぷ」のPRのため、3編成が青帯から桃帯に変わり、「花ももラッピング電車」として運行された[8] 。なお、最後まで青帯で残っていた3両編成が2018年1月に運行を終了したことにより、一旦青帯の編成は消滅した[7]
    • 2018年(平成30年)11月8日から10日まで、7105号車と7206号車のラストランが、福島駅 - 飯坂温泉駅間で行われた。「おつかれさま7105&7206」の特製ヘッドマークを掲げて走行し、11日には桜水車両基地で「さよなら撮影会」が開催された[9] 。残る7101号車と7202号車の2両は2019年3月31日限りで定期営業運転を終了した[10] [11] 。以後は鉄道イベントや貸し切り列車などで活用される[11]

過去の車両

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桜水車庫に滞泊する福島交通の電車
(1989年5月3日)

過去の在籍車両のうち、昇圧前には元東急5000系電車のデハ5000形5020 - 23(昇圧時に廃車)以外はすべて吊り掛け駆動車だった。また車両番号の末尾は形式にかかわらず導入順に通し番号で付与されている。なお「デハ5000形」を名乗る車両は1963年製の自社発注車と1980年に購入した元東急5000系の2種類が存在し、両車が同時に在籍していたこともあったが、本項では便宜上前者を(初代)、後者を(2代)として記述する。

  • 1 - 5 → 21 - 25
    福島飯坂電気軌道開業時の車両で木造の2軸単車だった。書類上では1923年関東電気製とされているが、1917年に日本車輌製造高田商会の注文によりウラジオストクの市内電車用に製造されたがロシア革命により輸送不能になり、転じてきたものと推定されている[12] (形式図) [13] 。後に飯坂東線に転属し、21 - 25に改番している。
  • モハ101 - 111(106・107は欠番)
    戦前製の木造ボギー車。戦時中から順次鋼体化改造を受け、下記のモハ1200形となった。
  • モハ1200形 モハ1201 - 1211(1206・1207は欠番)
    戦前製のモハ101 - 111を鋼体化した車両で9両が製造され、日本車輌製造のほかに宇都宮車両(旧日本車輌蕨工場)の銘板もあった。車両によって側面の窓の個数と幅が異なる。時には貨車の牽引にも使用された。内訳は、モハ1201 - 1203は1955年日本車両製、扉間は広窓9枚(窓配置は1D9D1)15m級車で1942年日車製の木造車モハ101 - 103の鋼体化改造車。モハ1204・1205は1948年手塚製作所製の扉間は狭窓11枚(窓配置はD11D)12m級車でモハ104・105の鋼体化改造車。モハ1208は1950年日車東京製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ108の鋼体化改造車、モハ1209・1210は1952年宇都宮車両製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ109・110の鋼体化改造車、モハ1211は1952年日本車両製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ111の鋼体化改造車である。主電動機はモハ1201が45k×ばつ4、モハ1202・1203が63.75k×ばつ4で、後の6両は63.75k×ばつ2であった。
    1991年6月の昇圧時まで残り、同年11月19日付で廃車となったのは1202・1203・1209 - 1211である[14]
  • デハ3300形 3304 - 3306(元東急3300系電車)
    輸送力増強用として東急デハ3301(入線時に3306に改番)・3304・3305を1976年1月に譲受け。3305-3306は後述の5022-5023入線により1982年11月4日付で廃車・解体され、3304は桜水車庫の入れ換え用としてしばらく使用された後の1986年2月12日付で廃車・解体された[15]
  • デハ5000形(初代) 5012・5013
    1963年日本車輌製。車体長15.6m、側面客用扉は2か所で台車はウィングばね式の日車NA-13、主電動機出力は75kW。福島交通唯一の連接車であった。
  • モハ5100形・クハ5200形 5114・5215
    モハ5100形
    (福島駅、1982年12月)
    1966年日本車輌製。デハ5000形(初代)と車両デザインは同じだが、車体長は18.7mまで延長され側面客用扉は3か所になった。台車はモハが日車NA-19、クハは同NA-19T。主電動機出力は75kW。
  • サハ3000形 3016・3017
    モハ5114・クハ5215と同時に日本車輌で製造された付随車。運転台を持たない点を除いてクハ5215に準ずる。主に朝夕のラッシュ時にモハ1200形に挟まれる形で運用された。1991年11月19日の在来車全車廃車後はうち1両の車体が桜水車両基地内において倉庫として使用[14] されていたが、2017年1月に解体された。
  • モハ5300形 5318・5319
    1971年日本車輌製。モハ5114の車体を両運転台前面貫通式に設計変更した。台車はNA-31、主電動機出力は90kW。早朝、深夜は単行で、日中は連結して運転された。貫通ドアが取り付けられていたがは付いておらず、通り抜けはできなかった。1991年栗原電鉄に譲渡。
  • デハ5000形(2代) 5020 - 5023(元東急5000系電車)
    デハ5000形(2代)
    (飯坂温泉駅、1982年12月)
    1980年12月に5020-5021(東急デハ5026・5025)、1982年10月に5022-5023(東急デハ5110・5112に運転台取付改造実施)をモハ1200形・デハ3300形の置き換えを目的として導入[15] 。導入に当たっては直流750Vに降圧、ベンチレーターを押し込み式に変更、前照灯シールドビーム2灯化などの改造を行っている[16] 。1991年11月19日付で廃車となった[14]

歴史

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飯坂線は、福島飯坂電気軌道によって開業した。のちに湯野や梁川などへの路線を持っていた福島交通の前身である福島電気鉄道に合併され、同社の路線となった。「福島交通飯坂東線」も参照のこと。

  • 1920年(大正9年)8月12日:飯坂軌道に対し軌道特許状下付(福島市栄町-信夫郡中野村間、軌間762mm 動力蒸気)[17]
  • 1921年(大正10年)
    • 7月1日:飯坂軌道株式会社設立[18]
    • 10月5日:福島飯坂電気軌道へ社名変更[18] [19]
  • 1922年(大正11年)3月15日:軌間1067mm、動力電気へ変更許可[18]
  • 1924年(大正13年)
    • 4月13日:福島 - 飯坂(現在の花水坂)間を開業。当時の駅は福島駅・西町駅・曽根田駅・兵庫田駅・森合駅・道下駅・成出駅・前谷地駅・仏坂下駅・飯坂駅。
    • 10月23日:飯坂電車に社名変更[20]
  • 1925年(大正14年)2月10日:前谷地駅を笹谷駅に改称。
    • 6月20日:笹谷 - 仏坂下間に明神町駅(現在の平野駅)・仏坂上駅(現在の医王寺前駅)開業。
    • 6月21日:道下 - 成出間に清水役場前駅開業。
  • 1926年(大正15年)
    • 2月19日:笹谷 - 明神町間に前谷地駅開業。
    • 4月24日:軌道事業廃止許可(信夫郡飯坂町-同郡中野村間)[21]
    • 11月20日:仏坂上駅を医王寺前駅に改称。
  • 1927年(昭和2年) 仏坂下駅を小川橋駅に改称。
    • 3月23日:花水坂 - 飯坂温泉間が開業し全通。飯坂駅を花水坂駅に改称。
    • 8月15日:明神町駅を平野駅に改称。
    • 10月1日:福島電気鉄道が飯坂電車を合併。飯坂西線となる。
  • 1927年-1929年頃:前谷地 - 平野間に佐場野古屋駅、平野 - 医王寺前間に石堂駅開業。
  • 1935年(昭和10年)以降:道下駅・小川橋駅廃止。
  • 1940年(昭和15年)3月4日:清水役場前 - 成出間に泉駅開業。
  • 1942年(昭和17年)
    • 12月2日:成出駅・佐場野古屋駅廃止。
    • 12月3日:福島 - 森合(現在の美術館図書館前)間を経路変更し専用軌道化、国鉄福島駅に乗り入れ開始。旧線上の福島駅・栄町駅・西町駅・曽根田駅・兵庫田駅・森合駅廃止。新線上に福島駅・曽根田駅・森合駅開業。
    • 同年以降:石堂駅廃止。
  • 1943年(昭和18年)7月17日:曽根田駅を電鉄福島駅に改称。
  • 1944年(昭和19年)12月29日:清水役場前駅を岩代清水駅に改称。
  • 1945年(昭和20年)3月1日:全線を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更。
  • 1951年(昭和26年)3月30日:前谷地駅廃止。
  • 1962年(昭和37年)
    • 7月12日:福島電気鉄道が福島交通に社名変更。
    • 9月5日:電鉄福島駅を曽根田駅に改称。
  • 1964年(昭和39年)1月10日:泉 - 笹谷間に上松川駅開業。
  • 1975年(昭和50年)8月20日:笹谷 - 平野間に桜水駅開業。実質1951年に廃止された前谷地駅の復活開業。
  • 1981年(昭和56年)11月15日:貨物営業廃止。
  • 1982年(昭和57年)12月21日:飯坂温泉駅が移転し0.1km短縮。
  • 1989年(平成元年)8月6日:泉 - 上松川間が台風13号による橋梁橋脚流失のため不通に。
  • 1990年(平成2年)3月1日:不通だった泉 - 上松川間が復旧。
  • 1991年(平成3年)
    • 4月1日:森合駅を美術館図書館前駅に改称。
    • 6月25日:架線電圧を750Vから1500Vに昇圧。同時に7000系営業運転開始。
  • 2001年(平成13年)4月8日:福島駅で列車のブレーキが効かずに駅ビルに激突する事故が発生、2両が廃車(福島駅駅ビル衝突事故を参照)[22]
  • 2002年(平成14年)10月1日:前年4月の事故および京福電鉄での列車衝突事故を受けATSを導入、この日より使用開始。
  • 2004年(平成16年)
    • 2月23日:平野 - 医王寺間の国道13号と交わる踏切のレールにひびが入り運休。桜水 - 飯坂温泉間でバス代行輸送を実施。
    • 3月5日:桜水 - 飯坂温泉間で運転を再開し、全線復旧。
  • 2007年(平成19年)4月:車内放送装置を8トラテープ方式から音声合成装置へと変更、使用開始。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で震度6弱を観測し停電に見舞われたため、直後に全線で運転を見合わせる。泉・平野両駅に停車中の列車は運行不能に。
    • 3月13日:13時頃、福島 - 飯坂温泉間で運転を再開し、全線復旧。JR東北本線と共用している福島 - 美術館図書館前間の踏切が復旧されず、同年4月1日まで各踏切に踏切防護要員を配置。
  • 2015年(平成27年)4月1日:IC乗車カード「NORUCA」が利用可能になる[23] [24]
  • 2017年(平成29年)4月1日:1000系電車営業運転開始[3]

駅一覧

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  • 全駅福島県 福島市内に所在。
  • 全列車普通列車(全駅に停車)。
  • 線路(全線単線) ... ◇:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 営業キロ 接続路線 線路
駅間 累計
福島駅 - 0.0 東日本旅客鉄道:東北新幹線山形新幹線東北本線奥羽本線(山形線)
阿武隈急行:阿武隈急行線
|
曽根田駅 0.6 0.6   |
美術館図書館前駅 0.8 1.4  
岩代清水駅 1.3 2.7   |
泉駅 0.3 3.0  
上松川駅 0.7 3.7   |
笹谷駅 0.5 4.2  
桜水駅 0.9 5.1  
平野駅 1.1 6.2   |
医王寺前駅 1.2 7.4  
花水坂駅 1.3 8.7   |
飯坂温泉駅 0.5 9.2   |

駅の営業形態

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泉駅と花水坂駅の2駅が全日無人駅、福島駅、桜水駅、飯坂温泉駅は全日有人駅である。その他の駅は平日の一部時間帯のみ駅員が配置されている。駅員がいない駅での切符の回収は、乗務員(主に車掌)によって行われている。

すべての駅の出入口には乗車券自動券売機と福島交通発行のバス・鉄道共通ICカード「NORUCA」の簡易改札機が完備されている。

過去の接続路線

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運賃

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大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[25]

キロ程 運賃(円)
初乗り - 2kmまで 150
2km超 - 3kmまで 180
3km超 - 4kmまで 210
4km超 - 5kmまで 240
5km超 - 6kmまで 280
6km超 - 7kmまで 320
7km超 - 8kmまで 340
8km超 - 9kmまで 360
9km超 370

全線でICカードNORUCAが利用可能である。なお、SuicaPASMOなどの全国区のICカードは利用できない。

脚注

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  1. ^ a b c 寺田 裕一「データブック 日本の私鉄」(2002年)、ネコパブリッシング pp. 22
  2. ^ "飯坂線・新型「いい電」発車 福島交通が26年ぶりに導入". 福島民友 . (2017年4月2日). オリジナルの2017年4月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170425025501/http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170402-161227.php  
  3. ^ a b 鉄道ニュース・ローカル (10) 福島交通1000系デビュー、2018年度までに7000系置換え - マイナビニュース、2017年4月16日
  4. ^ 「いい電」が変わります。福島交通飯坂線に新車両が導入されます。 (PDF) - 福島交通
  5. ^ 新車両情報 - 福島交通公式ページ、2019年11月18日閲覧
  6. ^ "飯坂線1000系3次車両の搬入について【終了いたしました】". 福島交通 飯坂電車 (2018年11月13日). 2018年11月30日閲覧。
  7. ^ a b 福島交通の3両編成7000系がラストラン...唯一現存する「青帯車」 1月31日 - レスポンス、2018年1月16日
  8. ^ 花ももラッピング電車 - 福島民報 ホッとニュース、2013年6月2日
  9. ^ 27年ありがとう『7105&7206号』引退へ 飯坂線でラストラン」『福島民友新聞』福島民友新聞社、2018年11月9日。2018年11月30日閲覧。
  10. ^ 福島交通で7101号車+7202号車のさよなら撮影会 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2019年4月1日
  11. ^ a b 「7000系車両」別れ惜しむ鉄道ファンら 飯坂線で営業運転終了」『福島民友新聞』福島民友新聞社、2019年4月1日。2019年4月14日閲覧。
  12. ^ 小林茂「欧風電車の秘密」『レイル』No.37
  13. ^ 『最新電動客車明細表及形式図集』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』電気車研究会 1992年10月臨時増刊号通巻566号 P94「各社別車両情勢」
  15. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』電気車研究会 1994年12月号通巻600号増刊<特集>東京急行電鉄 P248「他社で活躍する元・東急の車両」
  16. ^ 交友社『鉄道ファン』1996年3月号P75『「青ガエル」の軌跡』
  17. ^ 「軌道特許状下付」『官報』1920年8月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  18. ^ a b c 『福島交通七十年の歩み』170頁
  19. ^ 福島飯坂電車軌道としている書籍(『私鉄史ハンドブック』38頁、『日本鉄道旅行地図帳 2号』27頁等)もあるが「土地収用公告」『官報』1923年10月24日『鉄道省鉄道統計資料. 大正13年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)、『日本全国諸会社役員録. 第32回』(国立国会図書館デジタルコレクション)を根拠とした
  20. ^ 1925年1月6日届出『鉄道省鉄道統計資料. 大正13年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  21. ^ 「軌道事業廃止許可」『官報』1926年4月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  22. ^ 松本陽『鉄道事故調査の動向と最近の事故事例に関する考察』(PDF)(レポート)交通安全環境研究所、2001年、4頁https://www.ntsel.go.jp/Portals/0/resources/forum/13files/13-03k.pdf 2024年2月28日閲覧 
  23. ^ ICカード4月から利用OK 福島交通飯坂線「ノルカ」 福島民報 2015年1月24日
  24. ^ 福島交通飯坂線 ICカード「NORUCA」稼働開始のお知らせ - 福島交通、2015年3月31日
  25. ^ 消費税引き上げに伴う飯坂線の旅客運賃改定について - 福島交通、2019年9月5日(2019年10月5日閲覧)

参考文献

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  • 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 2号 東北』新潮社、2008年、p.27 - 主に駅の改廃について。

関連項目

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外部リンク

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鉄道
バス営業所
高速バス
コミュニティバス
廃止軌道
廃止バス営業所
  • 梁川
  • 原町
  • 本宮
  • 熱海
  • 三春
関連項目

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