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キュクロープス

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(2016年10月)
エラスムス・フランキスキ(Erasmus Francisci)の著書に見られるキュクロープスの挿絵
ギリシア神話
主な原典
イーリアス - オデュッセイア
神統記 - 仕事と日
イソップ寓話 - ギリシア悲劇
ビブリオテーケー - 変身物語
主な内容
ティーターノマキアー
ギガントマキアー
アルゴナウタイ
テーバイ圏 - トロイア圏
オリュンポス十二神
ゼウス - ヘーラー
アテーナー - アポローン
アプロディーテー - アレース
アルテミス - デーメーテール
ヘーパイストス - ヘルメース
ポセイドーン - ヘスティアー
(ディオニューソス)
その他の神々
カオス - ガイア - エロース
ウーラノス - ティーターン
ヘカトンケイル - キュクロープス
ギガンテス - タルタロス
ハーデース - ペルセポネー
ヘーラクレース - プロメーテウス
ムーサ - アキレウス
主な神殿・史跡
パルテノン神殿
ディオニューソス劇場
エピダウロス古代劇場
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キュクロープス(古代ギリシャ語: ΚύκλωψKýklōps)は、ギリシア神話に登場する卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人であり、下級である一族である。あるいは、これを下敷き及びベースとして後世に誕生した伝説の生物をも指す。

長母音を省略してキュクロプスとも表記される。英語読みのサイクロプス  (Cyclops) でも知られる。

呼称

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ギリシア語 Κύκλωψ の原義は "κύκλος"(kýklos、 円、丸)と "ὤψ"(ṓps)から求められる「丸い眼」にあり、額の中央に丸い眼が1つだけ付いていることに由来する。

ラテン語Cyclops(キュクロープス)。英語名は Cyclops(サイクロプス)であり、この英語名の発音も仮名 転写され、日本語では一般的となっている。フランス語では cyclope (スィクロプ)、ドイツ語では Kyklop (キュクロープ)。中国語では「独眼巨人」、もしくは、音訳で「基克洛普斯」と記す。

なお、その名に因んだ事象、および、ここから派生した二次創作物については「サイクロプス」を参照

神としてのキュクロープス

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天空神ウーラノスと大地母神ガイアの息子たちで、アルゲース(落雷[1] )、ステロペース(電光[1] )、ブロンテース(雷鳴[1] )の3兄弟から構成される。これらの名前が示す通りキュクロープスたちは嵐の精であったと考えられる[1]

彼らは父神に嫌われ、兄弟族のヘカトンケイル族とともに奈落タルタロスへ落とされた。兄弟族のティーターン神の1人クロノスが政権を握ったあとに一時解放されたが、その後再びタルタロスに拘禁された[2] 。しかし、ティーターノマキアーの時、ゼウスらによって解放される。キュクロープス達はその礼として、ゼウスには雷霆を、ポセイドーンには三叉の銛を、ハーデースには隠れを造った。

以後はヘーパイストスのもとで鍛冶業を続けたといわれる。その一方で、息子アスクレーピオスをゼウスの稲妻で失ったアポローンの八つ当たりを食らい、虐殺されたという悲劇的な異伝もある。

怪物としてのキュクロープス

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『オデュッセイア』に登場する単眼巨人ポリュペーモス。

ホメーロス叙事詩オデュッセイア』の第9歌に登場するキュクロープス族は、上述の高次元的存在としてのキュクロープスとは大きく異なり、旅人を食らうただ粗暴なだけの怪物である。ポセイドーン神を父に持つポリュペーモスも含めて、そうであった。

キュクロープスの巨石建造物

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イオーニア人アカイア人ドーリア人という第3派ギリシア人より前の時代のペロポネーソス半島ではミュケーナイ(ミケーネ)、ティーリュンスアルゴスなどに代表されるミュケーナイ文明が栄えたが、それらは巨石によって城砦その他を築き上げるものであった。

遅れてこの地に入り定着した第3派ギリシア人は、先人が残した大掛かりな巨石建造物の数々を見るにつけ、これらを巨人キュクロープスの手になるものと考え、「キュクロープスの石造物 (英語版)」と呼び倣わすようになったらしい。

芸術作品の中のキュクロープス

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単眼の意味

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英国はロンドン自然史博物館の地質博物館内、地球ギャラリーに展示されているキュクロープスの模型。

天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)と天津麻羅(アマツマラ)はともに日本神話に登場する製鉄と鍛冶の神であり、キュクロープスと同じく、1つ眼である。同様に、たたら製鉄に関連して神に近い巨人であるダイダラボッチ隻眼とされる場合がある。また、妖怪一本だたらは先の天目一箇神が凋落した姿とも考えられている。これら、製鉄(全世界的にはさらに古きを含めて「製錬」と言うべき)と隻眼(単眼)の関連性は注目に値する[独自研究? ]。「隻眼#神話・伝説の中の隻眼」も参照。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d フェリックス・ギラン『ギリシア神話』23頁。
  2. ^ 呉茂一『ギリシア神話』新潮社、1994年、35,36頁。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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