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2030年札幌オリンピック構想

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2030北海道札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会は、札幌市が主体となって招致に取り組んでいた、2030年冬季オリンピックである。2023年10月、日本オリンピック委員会(JOC)と札幌市は、2030年大会の招致を断念し、2034年以後の招致を目指すと発表した。

なお、本項では 2021年 11月に札幌市が発行した開催概要計画(案)[1] に基づき、大会の名称を「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会」としている。

上記開催概要計画(案)に記された開催スケジュールは以下の通り。

オリンピック
  • 日数:17日
  • 日程:2030年 2月8日(金)〜24日(日)
  • 競技数:7競技109種目
パラリンピック
  • 日数:10日間
  • 日程:2030年3月8日(金)〜17日(日)
  • 競技数:6競技80種目

スケジュール

大会招致に関わるスケジュールは下表の通り

月日 トピック
2030年 2月8日〜24日(想定) オリンピック開催(想定)
3月8日〜17日(想定) パラリンピック開催(想定)
時期未定 開催都市正式決定
2022年 12月6日 国際オリンピック委員会(IOC)が2030年大会の開催地を2023年に実施する第140次IOC総会で決定しないことを公表した。[2]
2022年 11月 北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案) 更新版の公開[3] ・施設整備費合計:770億円(うち札幌市実質負担額490億円)

・大会運営費試算:2,200〜2,400億円

2022年 9月8日 「北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック 冬季競技大会に向けて」と題して秋元克広札幌市長とJOC山下泰裕会長が共同声明を発表[4]
2021年 11月 開催概要計画(案)の公表[5]

・施設整備費合計:800億円(うち、札幌市実質負担額450億円) ・大会運営費試算:2,000〜2,200億円

2020年 1月29日 日本オリンピック委員会(JOC)が、札幌市を2030年冬季大会の国内候補地として正式決定[6]
2018年 9月17日 2026年五輪招致の断念をIOCに通達[7]
2018年 5月14日 秋元克広札幌市長がJOC竹田恒和会長(当時)に招致ターゲットを2030年冬季大会に変更する意向を伝達[8]

招致及び計画検討の経緯

概要

札幌市は、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致活動を行っている。 大会開催概要計画やIOCへの提出書類の検討・作成のために複数の業務を発注しており、所管部署は札幌市スポーツ局招致推進部調整課となっている。 なお、オリンピック招致委員会(Olympic Games Bid Committee)はまだ発足していない。 「札幌、北海道はもとより全国、さらには世界に向けて、大会の開催意義や価値を伝え、多くの理解と共感を得ながら、オールジャパンで招致機運を高めることを目的」として、札幌市は公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)とともに「北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピックプロモーション委員会」を設立している。 [9]

札幌市による大会招致に関わる業務の発注状況

年度 業務名 落札者 落札価格

(消費税及び地方消費税の額を含む)

備考
2022年度 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討・作成業務[10] [11] 株式会社ドーコン 177,870,000円 公募HP
2021年度 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務[12] [13] パシフィックコンサルタンツ株式会社 北海道支社 落札時:106,975,000円 契約変更後:134,684,000円[14] 公募HP
2020年度 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務[15]
2019年度 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務[16]
2018年度 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務[17]
2017年度 冬季オリンピック・パラリンピック会場整備計画検討業務[18]

令和3年度当時の検討実施体制

令和3年度冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務の企画提案書に記載された基本的な考え方と取組体制 パシフィックコンサルタンツ(株)の下に、(株)ドーコン、(株)日建設計、(株)北海道日建設計、(株)電通北海道、(株)電通、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株)、(株)JTB、ぴあ(株)が参画しているのがわかる
令和3年度冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務の企画提案書に記載された基本的な考え方と取組体制

令和3年度に札幌市が発注した「冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要検討業務」は建設コンサルタントのパシフィックコンサルタンツ(株)が受注している。業務計画書によると[19] 、業務実施体制には(株)ドーコン、(株)日建設計、(株)北海道日建設計、(株)電通北海道、(株)電通EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株)、(株)スケール [要曖昧さ回避 ]、(株)JTBぴあ(株)が業務に参画している。

また、企画提案書に記載された「基本的な考え方と取組体制」には、『東京2016・2020大会招致および東京2020大会の各種運営に携わるチーム』が検討に携わることが記載されている。[20]

招致断念

2022年になって2020年東京オリンピックをめぐる汚職・談合問題が表面化し、地元の支持が低下したことなどを受け、2022年12月20日、札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は、合同記者会見において「積極的な機運醸成活動は当面休止する」と発表した[21] [22]

その後も地元の支持が伸びず、また開催経費増大への不安も払拭できなかったことなどから、2023年10月11日、JOCと札幌市は、「現段階において住民の理解を十分に得ているとは言い難く、拙速に招致活動を進めることは、スポーツ及びオリンピック・パラリンピックが持つ価値そのものを損なう可能性がある」として、2030年大会の招致を断念し、2034年以後の招致を目指すと発表した[23] [24] [25] 。ところが、10月15日、ムンバイで開かれていたIOC総会において、2030年大会と2034年大会の開催地を同時決定することが正式に決められたため、2034年大会の招致も絶望的となった[26]

2023年11月29日、IOCは理事会を開き、2030年大会の最優先候補地としてフランスオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏、2034年大会の最優先候補地としてアメリカ合衆国 ユタ州 ソルトレイクシティをそれぞれ選び、さらに2038年大会の「優先的な対話を進める候補地」にスイスを選んだ。このため、札幌市は2034年大会招致の可能性が消滅したのみならず、2038年大会の招致も絶望的となった[27]

引用リスト

  1. ^ 2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)
  2. ^ "Future Host Commission studying landscape of winter sport with a view to the Olympic Winter Games 2030 and beyond". International Olympic Committee. 2022年12月28日閲覧。
  3. ^ 札幌市. "北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案) 更新版". 札幌市. 2022年12月27日閲覧。
  4. ^ "JOC - 北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック 冬季競技大会に向けて". 日本オリンピック委員会(JOC). 2022年12月27日閲覧。
  5. ^ 札幌市. "2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)". 札幌市. 2022年12月27日閲覧。
  6. ^ "札幌、30年冬季五輪候補地に ライバルはバルセロナか:朝日新聞デジタル". 朝日新聞デジタル (2020年1月29日). 2022年8月18日閲覧。
  7. ^ "札幌市、2026年冬季五輪の招致断念をIOCに伝達:朝日新聞デジタル". 朝日新聞デジタル (2018年9月17日). 2022年8月18日閲覧。
  8. ^ "北海道)札幌市長、五輪招致「2030年」意向表明:朝日新聞デジタル". 朝日新聞デジタル (2018年5月14日). 2022年8月18日閲覧。
  9. ^ https://www.city.sapporo.jp/sports/2030promotion.html
  10. ^ https://www.city.sapporo.jp/sports/keiyaku/documents/ippan2021/proposal5.html
  11. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=10128860
  12. ^ https://www.city.sapporo.jp/sports/keiyaku/documents/ippan2020/ippan51.html
  13. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=677115
  14. ^ 情報公開請求資料より転記
  15. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=523884
  16. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=490034
  17. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=408864
  18. ^ https://sg4.city.sapporo.jp/archives/detail?cls=gfile&pkey=306175
  19. ^ 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務 業務計画書(パシフィックコンサルタンツ(株) 令和3年4月)
  20. ^ 冬季オリンピック・パラリンピック競技大会開催概要計画検討業務 企画提案書(パシフィックコンサルタンツ(株) 令和3年4月)
  21. ^ "北海道・札幌2030大会招致 今後の進め方の見直しについて". 北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致ウェブサイト (2022年12月20日). 2023年12月2日閲覧。
  22. ^ 札幌五輪招致、機運醸成を休止 「不信感払拭が先決」と市長」『47NEWS』2022年12月20日。2023年12月2日閲覧。
  23. ^ 日本オリンピック委員会; 札幌市 (2023年10月11日). "今後の北海道・札幌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会招致について" (pdf). 札幌市. 2023年12月2日閲覧。
  24. ^ "今後の北海道・札幌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会招致について". 北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致ウェブサイト (2023年10月11日). 2023年12月2日閲覧。
  25. ^ 2030年札幌五輪招致を断念 34年以降へ仕切り直し」『日本経済新聞』2023年10月11日。2023年10月30日閲覧。
  26. ^ IOC、30・34年の五輪開催地を同時決定 札幌は絶望的に」『日本経済新聞』2023年10月15日。2023年10月30日閲覧。
  27. ^ 札幌市、34年五輪招致から脱落 38年も絶望的 市長「衝撃的」」『毎日新聞』2023年11月30日。2023年12月2日閲覧。

外部リンク

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