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変身物語

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曖昧さ回避 この項目では、オウィディウスの著作について説明しています。原題が同じであるその他の作品については「メタモルポセス」をご覧ください。
ローマ神話
主な原典
アエネーイス - 変身物語
ディー・コンセンテス
(オリュンポス十二神相当)
ユーピテル - ユーノー
ミネルウァ - アポロー
ウェヌス - マールス
ディアーナ - ケレース
ウゥルカーヌス - メルクリウス
ネプトゥーヌス - ウェスタ
(バックス)
その他の神々
ユースティティア - クピードー
ウラヌス - サートゥルヌス
アウローラ - プルートー
ヤーヌス - フォルトゥーナ
主な神殿・史跡
パンテオン
ウェヌスとローマ神殿
ウェスタ神殿
サートゥルヌス神殿
メゾン・カレ

変身物語』(へんしんものがたり、ラテン語: Metamorphōseōn librī)は、古代ローマの詩人オウィディウスによるラテン文学の名作。神話原典のひとつである。『転身物語』(てんしんものがたり)や、原題のまま『メタモルポーセース』などとも呼ばれる。

概要

15巻で構成されており、ギリシアローマ神話の登場人物たちが様々なもの(動物植物鉱物、更には星座など)に変身してゆくエピソードを集めた物語となっている。

中世文学シェイクスピア、そしてグリム童話にも大きな影響を与えた。ナルシストの語源ともなった、ナルキッソスが呪いにより自己愛に目覚め、やがてスイセンになる話、そのナルキッソスを愛するエーコー木霊になる話、で固めた翼で空を飛んだイーカロスが墜落死する話、アポローンに愛されるもゼピュロスの嫉妬によりアポローンの投げた円盤に当たって死んでしまうヒュアキントスヒヤシンスの花になる話など、有名なエピソードも本作に収められている。

構成

変身物語【上】
1 世界の始まり四つの時代、巨人族(ギガンテス)、リュカーオーン大洪水デウカリオーンピュラーピュートーンダプネーイーオーアルゴスシュリンクスエパポスパエトーン
2 パエトーン、太陽の娘たち(ヘーリアデス)、キュクノスカリストー、大鴉・コローニス・小鳥、オーキュロエーバットスケクロプスの娘たち、アグラウロスと「嫉妬」、エウローペー
3 カドモスアクタイオーンセメレーテイレシアースナルキッソスエーコーバッコスペンテウスリュディアの船乗りたち、ペンテウス
4 ミニュアースの娘たち(ミニュアデス)、ピューラモスとティスベーマールスウェヌスの密通、レウコトエとクリュティエサルマキスヘルマプロディートスアタマースイーノー、カドモスとハルモニアーペルセウスアトラース、ペルセウスとアンドロメダーメドゥーサ
5 ピーネウスの乱、プロイトスポリュデクテース、詩神(ムーサ)たち、ピューレーネウス (英語版)ピーエロスの娘たち(ピーエリデス)、プロセルピナの略奪、キュアネー (スペイン語版)ケレースアスカラポスセイレーンたち、アレトゥーサトリプトレモス
6 アラクネーニオベーリュキアの農夫たち、マルシュアースペロプステーレウスプロクネーピロメーラーボレアースオーレイテュイア
7 イアーソーンメーデイアアイソーンの若返り、ペリアースとその娘たち、メーデイアの逃亡、テーセウスミーノースアイアコスアイギーナの疫病、「蟻男(ミュルミドーン)」たち、ケパロスプロクリス
8 ニーソス (英語版)スキュラアリアドネーの冠、ダイダロスイーカロスペルディクスカリュドーンの猪メレアグロスアタランテーアルタイアー、メレアグロスの姉妹たち(メレアグリデス)、テーセウスとアケローオスエキナデスの島々 (英語版)ペリメーレーバウキスとピレーモーンエリュシクトーン
変身物語【下】
9 アケローオスとヘーラクレースネッソスデーイアネイラ、ヘーラクレースと死の衣、リカース、ヘーラクレースの神化、アルクメーネーガランティスドリュオペーローティスイオラーオスと若返りの恵み、ビュブリスカウノスイーピスイアンテー (英語版)
10 オルペウスエウリュディケー、木々の飛来、キュパリッソスガニュメーデースヒュアキントス、プローポイトスの娘たち(プローポエティデス (英語版) )と「角男(ケラスタエー (英語版))」、ピュグマリオーンミュラーと父キニュラース、ウェヌスとアドーニス、アタランテーとヒッポメネース、アドーニスの変身
11 オルペウスの死、トラキア女たちへの懲罰、ミダース王、ラーオメドーン王、テティスペーレウスケーユクスダイダリオーンキオネープサマテーの狼、ケーユクスとアルキュオネー、ケーユクス王の遭難、「眠り」の神モルペウスかわせみヘスペリアーの死、潜水鳥
12 アウリスイーピゲネイア、「噂(ファーマ)」とその住まい、アキレウスキュクノスカイネウスラピテース族ケンタウロスたちとの戦い、ネーレウスの十二人の息子たち、キュラロスヒュロノメー、カイネウスの最期、ヘーラクレースとペリクリュメノス、アキレウスの死、アキレウスの武具をめぐる争い
13 アイアースの言い分、オデュッセウスの主張、アイアースの死、ヘカベートロイアの女たち、ポリュクセネーポリュドーロスメムノーンアイネイアースアニオス王、アニオスの娘たち(オイノトロポイ)、オーリーオーンの娘たち(コローニデス)、スキュラガラテイアアーキスポリュペーモスグラウコス
14 スキュラとキルケーケルコーペス (英語版)たちと「猿ヶ島」、巫女シビュラアカイメニデースポリュペーモスマカレウス、オデュッセウスとキルケー、ピークスカネーンス、鳥になったディオメーデースの仲間たち、野生オリーブ、妖精(ニンフ)たちに変わったトロイアの船団、アルデア、アイネイアースの神化、ポーモーナウェルトゥムヌスイーピスアナクサレテー (英語版)タルペーイアロームルス、ロームルスと妻ヘルシリア
15 ヌマ、ミュスケロスとクロトン市ピュタゴラスの教え、ヌマの妻エゲリアヒッポリュトスタゲース (英語版)キープス (英語版)、ロームルスの槍、アスクレーピオスカエサルの神化とアウグストゥス

日本語訳

  • Publius Ovidius Naso『転身物語』田中秀央前田敬作訳、人文書院、1966年。 
    • オウィディウス『転身物語』田中秀央・前田敬作訳(新版)、人文書院、1984年6月。ISBN 4-409-14009-4 Kindle版(上・下)、2014年7月より
  • オウィディウス『転身譜』松本克己訳 -世界文学全集 2 ギリシャ神話』筑摩書房、1969年。 抜粋訳で所収
  • オウィディウス『変身物語 上』中村善也訳、岩波書店岩波文庫〉、1981年9月。ISBN 4-00-321201-0 
  • オウィディウス『変身物語 下』中村善也訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1984年2月。ISBN 4-00-321202-9 
    • オウィディウス『変身物語 上』中村善也訳、岩波書店〈ワイド版岩波文庫〉、2009年9月。ISBN 978-4-00-007313-4 
    • オウィディウス『変身物語 下』中村善也訳、岩波書店〈ワイド版岩波文庫〉、2009年9月。ISBN 978-4-00-007314-1 
  • 鈴木利久『『変身物語』を読む 羅英対訳詳註 1』溪水社、2001年8月。ISBN 4-87440-666-1 
  • 鈴木利久『『変身物語』を読む 羅英対訳詳註 2』溪水社、2006年2月。ISBN 4-87440-906-7 
  • 鈴木利久『『変身物語』を読む 羅英対訳詳註 3』溪水社、2007年2月。ISBN 978-4-87440-964-0 
  • 鈴木利久『『変身物語』を読む 羅英対訳詳註 4』溪水社、2008年2月。ISBN 978-4-86327-007-7 
  • オウィディウス『変身物語 I』高橋宏幸訳、京都大学学術出版会西洋古典叢書〉、2019年5月
  • オウィディウス『変身物語 II』高橋宏幸訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2020年5月

関連項目

ラテン語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
ウィキメディア・コモンズには、変身物語 に関連するカテゴリがあります。
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