中山峠 (福島県)
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中山峠(なかやまとうげ)は、福島県 耶麻郡 猪苗代町、同郡山市にある峠。一般国道49号が経由している。標高370m。磐越西線、磐越自動車道も中山峠を通過している。また、福島県南会津郡にも中山峠と呼ばれる峠が存在する。
地理
中山峠は、沼上山の南麓を通る峠であるが、沼上山の北にある鞍手山の北麓を通る峠(ふつう楊枝峠と称される)も中山峠と呼ばれる。両峠とも分水界であり、水は東の郡山市側は阿武隈川水系で太平洋に注ぎ、西の猪苗代町側は猪苗代湖を経由する阿賀野川水系で日本海に注ぐ。沼上山南麓には安積疎水が通る。
二本松街道(楊枝峠)
江戸時代、陸奥国の会津若松と二本松を結んでいた二本松街道が、現在の中山峠の北に存在する楊枝峠(標高691m)を経由していた。峠の途中には、現在でも一里塚(楊枝一里塚)が存在する。また、峠付近には楊枝集落があった。この集落は蒲生氏の時代(1597年に楊枝峠を含む区間がつくられたとされる)に当街道のために開かれ村とされるが、磐越自動車道の経路となったため閉村となった。跡地には石碑がたつ[1] 。
国道49号中山峠
中山峠は前述のように、二本松街道など、古くは現在の峠の北側を通る楊枝峠を経由していた。しかし、車などの交通が難しくなったため南側に新しい道を開削した。これが現在の旧道と言われている中山峠で、1885年のこととされる[2] 。この旧道はこの道は長い間国道49号として活躍してきたが、その後現役を引退し、現在の中山トンネルを通る道が国道となっている。
中山峠旧道
福島県 郡山市 熱海町中山の現道から分岐し、中山トンネル手前で2度交差する。2度目の交差後は北方に400mほど進んだところで大きく西方向にカーブし、中山峠(標高525m)を経て、同猪苗代町山潟田子沼にて現道に合流する。現在、旧道(山頂付近)は廃道化しており、進入禁止になっている。また、1967年度に国道49号の一次改良に合わせた中山局部改良事業が行われており、2.8kmの区間が改良されている[3] 。
中山峠現道
前述の様に、カーブなどが連続していたほか、ヘアピンカーブが存在していた旧道を改良した。これは中山トンネルなどからなり、中山トンネル手前で旧道がヘアピンカーブをして峠に向かっていたものを、トンネルなどによって改良した。中山トンネルは1981年度に事業化されている[3] 。
磐越西線中山峠
磐越西線は上戸駅と中山宿駅の間で中山峠を経由する。両駅の間には沼上信号場がある。中山峠付近は、沼上トンネルで通過している。沼上トンネルは後に新トンネルに付け替えられており、旧トンネルが存在している。
磐越自動車道中山峠
国道や磐越西線などが経由する中山峠の北側を新中山トンネルで通っている。比較的、二本松街道時代の楊枝峠に近い。
脚注
関連項目
外部リンク
- 中山峠の位置情報 北緯37度28分55秒 東経140度12分7秒(日本測地系)、北緯37度29分06秒 東経140度11分55秒 / 北緯37.484986度 東経140.198617度 / 37.484986; 140.198617 (世界測地系)
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中山トンネル(なかやまトンネル)は、福島県 郡山市と耶麻郡 猪苗代町の国道49号にあるトンネル。延長500m。郡山市側の出口の標高は500m、猪苗代町側の出口の標高は520m[1] 。
このトンネルが開通するまで、国道49号の中山峠は、ヘアピンカーブで峠を越えていた。しかし、会津地方や磐梯高原への主要なルートであるため、磐越自動車道が未開通だった頃、行楽シーズンには慢性的な渋滞を起こしていた。一方、冬期間は、路面凍結によるスリップの危険があった。
そこで、カーブを緩和し、冬期間の円滑な交通を実現するために、1986年から、中山トンネルを含む前後の道路の改良を実施。1989年に現在のルートが完成した。中山トンネル開通後は旧道もしばらくの間、郡山市道と猪苗代町道として使われていた。現在では峠の区間は通行止とされ通りぬけることはできず、事実上の廃道となっている。
中山トンネルの猪苗代側入口から見える巨大な風車は、トンネル内の照明、換気、融雪設備に使用する電力をまかなうための風力発電設備である。
この施設の周囲は、風の広場と称され、駐車場とトイレが設けられて、憩いの場となっている。ただし、17時から翌朝8時までの間と、12月から3月の間は使用することができない。
関連項目
参照
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