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利用者:YasuakiH/sandbox

これはこのページの過去の版です。YasuakiH (会話 | 投稿記録) による 2024年9月7日 (土) 13:43 (個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版 とは大きく異なる場合があります。

YasuakiH (会話 | 投稿記録)による2024年9月7日 (土) 13:43時点の版

英語版 Self-amplifying RNA の 2024年08月19日T03:09:03(UTC)版から翻訳のため転記


タイトル:

  • 自己増幅型RNA (削除) 自己増幅RNA (削除ここまで) self-amplifying RNA (saRNA)
  • 自己複製型RNA (削除) 自己複製RNA (削除ここまで) self-replicating RNA (srRNA)
  • (削除) 自己増殖型RNA (削除ここまで)


参考


英語版 Self-amplifying RNA の 2024年08月19日T03:09:03(UTC)版を翻訳して記事を作成しました。詳細は ノート:自己増幅型RNA#報告:英語版テキストの翻訳による記事作成をご覧ください。


報告:英語版テキストの翻訳による記事作成

本記事「自己増幅型RNA」を、英語版の記事「en:Self-amplifying RNA」を翻訳して作成したことを報告します。

英語版ができたのは2024年6月19日と新しく、出典はすべて論文であり、記述がこなれていない感がありましたが、日本語で読める記事として作成することを優先させて、できるだけ忠実に訳しました。しかし省略された語句や、意味がつながるような変更はしています。

このRNA技術そのものは特定の用途に限ったものではなく、汎用性の高いもので、特に臨床医療において発展中のものです。したがって今後も大きくかわり得ますし、古くなった記述は積極的に上書きされてゆく可能性があると思います。

しかく記事名

英語版の記事には「self-amplifying RNA」(自己増幅型RNA)と「self-replicating RNA」(自己複製型RNA) がこの順に記載されています。科学技術用語として「J-GLOBAL」にはいずれも掲載されておらず、また、Google検索やGoogle Trendsでも使われ方に違いは見つかりませんでした。こうしたことから、日本語版でも記事名は英語版と合わせました。

しかく結果

しかく削除したテンプレート

  • 先頭
    • {{short description| A next-generation mRNA vaccine/therapeutic}}
    • {{distinguish|small activating RNA}}
    • {{cs1 config |name-list-style=vanc |display-authors=6}}



曖昧さ回避 この項目では、次世代のmRNAワクチン/治療薬として用いられるリボ核酸について説明しています。特定の遺伝子の転写を活性化するリボ核酸(低分子活性化RNA、small activating RNA)については「snRNA」を、RNA技術を用いたsaRNAワクチンについては「RNAワクチン#自己増幅RNA」をご覧ください。

自己増幅型RNA(じこぞうふくがたRNA、self-amplifying RNA、saRNA)は、自己複製型RNA(じこふくせいがたRNA、self-replicating RNA、srRNA)とも呼ばれ、宿主細胞内で自己複製するように設計されたメッセンジャーRNA(mRNA)分子の一種である。タンパク質の発現を促進し、免疫応答を高めることから、ワクチンやその他の治療用途に有望なツールとなっている。次世代型mRNAワクチンにおいて使用されるsaRNAは、従来型のmRNAワクチンと比較して、少ない投与量でより多くのタンパク質を発現するように設計されている[1] [2] [3] 。従来のmRNA型では半減期が短く、長期に渡ってタンパク質を発現する能力が限られたが、saRNA型はタンパク質の発現をより長期間持続することができる。saRNAは、最も一般的なアルファウイルス (英語版)であるベネズエラウマ脳炎ウイルス (英語版)などの一本鎖(+)RNAウイルスに基づいている。

従来のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの場合、mRNAの半減期が短いため、生成されるタンパク質の量が限られるという課題がある。saRNAは、自身の複製に必要なタンパク質機構をコードする2番目のオープンリーディングフレーム(ORF)によって、発現動態を拡張することができる。この自己複製により、RNA量と発現期間の両方が劇的に増加する。その結果、初回投与から生成されるタンパク質の量は、従来のmRNA型と比べて軽減される[1] [2]

構造と作用機序

saRNAの構造には、2つの重要部分が含まれる[4] 。saRNA複製の単位となるこの領域をレプリコンという。

レプリコン領域

(上) 従来のmRNAと (下) 自己増幅型RNA (saRNA) のコーディング配列の構造を比較する

saRNAは、そのオープンリーディングフレーム(図では橙色で示す)内に、mRNAを複製および増幅する機構をコードしており、これは、ウイルスが持つRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)である。

これは、ウイルス非構造タンパク質の単一ポリペプチドで、RNA依存性RNAポリメラーゼ(nsp1、nsp2、nsp3、nsp4)の4つのタンパク質成分に処理される。

目的遺伝子

抗原産生に使用される自己増幅mRNA (saRNA) の機構の概略図。抗原をコードするオープンリーディングフレーム (水色) は、タンパク質補充療法に使用するタンパク質に置き換えてもよい。

この配列は、目的となるタンパク質をコードしており(図では水色で示す)、ワクチンの場合は抗原として使用され、タンパク質補充療法 (英語版)の場合は補充または置換するタンパク質として使用される。

目的遺伝子はウイルス構造タンパク質を置き換えるものである。

非構造タンパク質によってコードされるRdRp(RNAポリメラーゼ)は、特定のプロモーター(サブゲノムプロモーター (英語版))から目的遺伝子を転写する。

目的遺伝子をコードするこのサブゲノムmRNA (英語版)は高レベルで生成され、非構造タンパク質のタンパク質成分によってキャップ (英語版)が付加される。

長所

saRNAの自己複製と増幅の性質により、少量の投与でも高いレベルのタンパク質発現が得られ、免疫応答が著しく強化される。そして、saRNAワクチンは従来のワクチンと比較して、より迅速かつ低コストで製造することができる。また、saRNAは免疫応答を長期に渡って誘導することで安定性を提供するとともに、より長期的な保護をもたらす可能性もある。さらに、この汎用性が高い技術は、感染症がん免疫療法遺伝性疾患など、幅広い用途に適応が可能である。

応用と研究

COVID-19パンデミックは、saRNAを含むRNA技術に基づいた研究を加速させた。たとえば、SARS-CoV-2を標的とするsaRNAワクチンは前臨床試験で有望な結果を示しており、副作用が最小限に押さえながら強力で持続的な免疫応答を示している[5] [6] [7] 。2024年、米国の製薬企業Arcturusが開発したsaRNAブースターワクチンARCT-154が、日本の厚生労働省から成人への使用を全面的に承認された[8]

また、saRNAは遺伝子治療へも適用されようとしている。高レベルの治療用タンパク質を産生できる能力から、タンパク質の補充が必要な遺伝性疾患の治療に有望な候補となっている[9]

課題と今後の方向性

saRNA技術は大きな可能性を秘めているものの、いくつかの課題も抱えている。saRNAを標的細胞へ効率的かつ安全に送達することは依然として大きな課題であり、現在、この問題に対処するために、脂質ナノ粒子(LNP)やその他の送達システムは最適化されている。また、saRNAの長期的な安全性を確保することも重要であり、進行中の研究では潜在的な副作用や免疫反応を最小限に抑えることに焦点を当てている。抗体産生に役立つ炎症を促進するために、LION陽イオン性ナノキャリア製剤のような他の送達媒体が、臨床試験で使用されている[10] 。これは、GEMCOVAC-19ワクチンで使用されており、LIONナノ脂質乳剤の表面にsaRNAが吸着されており、インドで緊急使用認可を受けている[11]

治療薬としてのsaRNAの課題は、自然免疫応答によるインターフェロンの産生である[12] 。また、修飾ヌクレオシドはsaRNA増幅と相容れないという主張もある[13] 。それでも、自然免疫応答の誘導を回避するために、5-メチルシトシン5-メチルウリジンN1-メチルシュードウリジン (英語版)(モデルナやファイザー/ビオンテックによるCOVID mRNAワクチンに使用されているのと同じヌクレオシド)などの修飾ヌクレオシド置換を組み込んだ、さまざまな有効性を持つ新規のsaRNAフォーマットが開発されている[12] [14] [15] 。ある研究では、低用量(10 ng/マウス)において、5-メチルシトシンヌクレオシドを合成に使用することで、修飾されていないsaRNAよりも5倍高いタンパク質発現が見られ、さらにN1-メチルシュードウリジン置換saRNAよりも100倍以上高い発現を示した[12]

脚注

  1. ^ a b Blakney AK, Ip S, Geall AJ (January 2021). "An Update on Self-Amplifying mRNA Vaccine Development". Vaccines 9 (2): 97. doi:10.3390/vaccines9020097. PMC 7911542. PMID 33525396 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7911542/ . 
  2. ^ a b Bloom K, van den Berg F, Arbuthnot P (April 2021). "Self-amplifying RNA vaccines for infectious diseases". Gene Therapy 28 (3–4): 117–129. doi:10.1038/s41434-020-00204-y. PMC 7580817. PMID 33093657 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7580817/ . 
  3. ^ Silva-Pilipich N, Beloki U, Salaberry L, Smerdou C (March 2024). "Self-Amplifying RNA: A Second Revolution of mRNA Vaccines against COVID-19". Vaccines 12 (3): 318. doi:10.3390/vaccines12030318. PMC 10974399. PMID 38543952 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10974399/ . 
  4. ^ Pourseif MM, Masoudi-Sobhanzadeh Y, Azari E, Parvizpour S, Barar J, Ansari R, Omidi Y (November 2022). "Self-amplifying mRNA vaccines: Mode of action, design, development and optimization". Drug Discovery Today 27 (11): 103341. doi:10.1016/j.drudis.2022.103341. PMID 35988718. 
  5. ^ Saraf A, Gurjar R, Kaviraj S, Kulkarni A, Kumar D, Kulkarni R, Virkar R, Krishnan J, Yadav A, Baranwal E, Singh A, Raghuwanshi A, Agarwal P, Savergave L, Singh S (May 2024). "An Omicron-specific, self-amplifying mRNA booster vaccine for COVID-19: a phase 2/3 randomized trial". Nature Medicine 30 (5): 1363–1372. doi:10.1038/s41591-024-02955-2. PMC 11108772. PMID 38637636 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11108772/ . 
  6. ^ Oda Y, Kumagai Y, Kanai M, Iwama Y, Okura I, Minamida T, Yagi Y, Kurosawa T, Chivukula P, Zhang Y, Walson JL (April 2024). "Persistence of immune responses of a self-amplifying RNA COVID-19 vaccine (ARCT-154) versus BNT162b2". The Lancet. Infectious Diseases 24 (4): 341–343. doi:10.1016/S1473-3099(24)00060-4. PMID 38310906. 
  7. ^ Oda Y, Kumagai Y, Kanai M, Iwama Y, Okura I, Minamida T, Yagi Y, Kurosawa T, Greener B, Zhang Y, Walson JL (April 2024). "Immunogenicity and safety of a booster dose of a self-amplifying RNA COVID-19 vaccine (ARCT-154) versus BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine: a double-blind, multicentre, randomised, controlled, phase 3, non-inferiority trial". The Lancet. Infectious Diseases 24 (4): 351–360. doi:10.1016/S1473-3099(23)00650-3. PMID 38141632. 
  8. ^ "First self-amplifying mRNA vaccine approved". Nature Biotechnology 42 (1): 4. (January 2024). doi:10.1038/s41587-023-02101-2. PMID 38233659. 
  9. ^ Papukashvili D, Rcheulishvili N, Liu C, Ji Y, He Y, Wang PG (October 2022). "Self-Amplifying RNA Approach for Protein Replacement Therapy". International Journal of Molecular Sciences 23 (21): 12884. doi:10.3390/ijms232112884. PMC 9655356. PMID 36361673 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9655356/ . 
  10. ^ Tregoning, John S. (2023年08月03日). "LION: Taming RNA vaccine inflammation". Molecular Therapy 31 (9): 2557. doi:10.1016/j.ymthe.202307006. ISSN 1525-0016. PMC 10492017. PMID 37541255 . https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1525001623003866 . 
  11. ^ Saraf, Amit; Gurjar, Rohan; Kaviraj, Swarnendu; Kulkarni, Aishwarya; Kumar, Durgesh; Kulkarni, Ruta; Virkar, Rashmi; Krishnan, Jayashri et al. (2024年04月18日). "An Omicron-specific, self-amplifying mRNA booster vaccine for COVID-19: a phase 2/3 randomized trial" (英語). Nature Medicine 30 (5): 1363–1372. doi:10.1038/s41591-024-02955-2. ISSN 1546-170X. PMC 11108772. PMID 38637636 . https://www.nature.com/articles/s41591-024-02955-2 . 
  12. ^ a b c McGee, Joshua E.; Kirsch, Jack R.; Kenney, Devin; Cerbo, Faith; Chavez, Elizabeth C.; Shih, Ting-Yu; Douam, Florian; Wong, Wilson W. et al. (2024年07月08日). "Complete substitution with modified nucleotides in self-amplifying RNA suppresses the interferon response and increases potency". Nature Biotechnology: 1–7. doi:10.1038/s41587-024-02306-z. ISSN 1546-1696 . https://www.nature.com/articles/s41587-024-02306-z . 
  13. ^ Huang, Xiangang; Kong, Na; Zhang, Xingcai; Cao, Yihai; Langer, Robert; Tao, Wei (November 2022). "The landscape of mRNA nanomedicine". Nature Medicine 28 (11): 2273–2287. doi:10.1038/s41591-022-02061-1. ISSN 1546-170X . https://www.nature.com/articles/s41591-022-02061-1 . 
  14. ^ Azizi, Hiva; Renner, Tyler M; Agbayani, Gerard; Simard, Bryan; Dudani, Renu; Harrison, Blair A; Iqbal, Umar; Jia, Yimei et al. (2024年04月01日). "Self-amplifying RNAs generated with the modified nucleotides 5-methylcytidine and 5-methyluridine mediate strong expression and immunogenicity in vivo". NAR Molecular Medicine 1 (2). doi:10.1093/narmme/ugae004. ISSN 2976-856X . https://doi.org/10.1093/narmme/ugae004 . 
  15. ^ Miyazato, Paola; Noguchi, Takafumi; Ogawa, Fumiyo; Sugimoto, Takeshi; Fauzyah, Yuzy; Sasaki, Ryo; Ebina, Hirotaka (2024年07月31日). "1mΨ influences the performance of various positive-stranded RNA virus-based replicons" (英語). Scientific Reports 14 (1): 17634. doi:10.1038/s41598-024-68617-y. ISSN 2045-2322. PMC 11292005. PMID 39085360 . https://www.nature.com/articles/s41598-024-68617-y . 

外部リンク


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