「PASMO」の版間の差分
2009年8月19日 (水) 12:55時点における版
PASMO(パスモ)は、2007年 3月18日からサービスを開始した、株式会社パスモが発行するサイバネ規格/非接触型ICカード方式の鉄道・バス共通乗車カードである。PASMOの名称は同社の登録商標である。カード番号のはじめの文字は、PBであり、このPBは、パスモの前身であるバスネット・バスICカード株式会社の頭文字のPASSNET BUSをとったものである。
現在の「パスネット」及び「バス共通カード」加盟事業者を中心とした関東地方及び山梨県、静岡県東部(一部を除く)の鉄道・路線バスで使用できる。
事前にチャージ(入金処理)した金額分が使えるプリペイド(前払い)方式を採用し、電子マネー機能を有している。また、クレジットカードに紐付けるオートチャージ(自動入金)機能付きPASMOのほか、クレジットカード一体型PASMOも発行されている。
2008年8月30日には発行枚数が1,000万枚を突破した。
名称の由来
PASMOは、「PASSNET」の「PAS」と「もっと」の意味を表す「MORE」の頭文字「MO」から名付けられた。また、「パスモ」の「モ」はパスネットとバス共通カードが合体した「&」を表す助詞の役割も果たし、「電車も、バスも、あれも、これも」利用できるようになるという拡張性を表す意味の「モ」でもある。
概要
PASMOは、関東地方を中心とする鉄道・路線バス事業者(主にJR以外の大手私鉄や地下鉄、公営交通)が加盟する共通乗車カードである。ただし、鉄道26事業者とバス75事業者のうち一部事業者(主にパスネットやバス共通カードを発売していなかった事業者)では順次導入される予定である。
サービス開始と同時にJR東日本・東京モノレール・東京臨海高速鉄道・埼玉新都市交通などのIC乗車カード「Suica」との相互利用も行われ、Suica加盟事業者の利用エリアのうち「首都圏エリア」でもPASMOが鉄道やバスで利用でき(2008年3月29日からは仙台・新潟都市圏の各Suicaエリア内の鉄道線でも利用可能となり、Suica全エリア鉄道線における相互利用が開始された[1] )、逆にPASMO加盟社・局ではSuicaの利用ができるため、関東地方の鉄道・路線バスのほとんどがPASMO又はSuicaにより1枚のカードで利用できることとなった。
サービス開始以降、一部事業者を除き多くの加盟鉄道事業者と駅でPASMO・Suica対応の自動券売機および自動精算機、ICカード読み取り機を設置した自動改札機および簡易入金機が設置され、利用可能となっている。各機器には「PASMO」と「Suica」が併記してある場合が多い。駅や機器によっては「Suica」の記載がない場合があるが、Suicaでの乗車や入金も問題なくできる。また、加盟バス事業者が運行する路線バスでも運賃箱の上にICアンテナを取り付けてPASMO(Suica)の利用が可能になっている。ただし、こちらは順次導入となっているため、現時点で利用できない路線・車両がある(バスでの利用参照)。
サービス開始から1か月弱で300万枚を売り上げ、在庫が僅少となったため、2007年4月12日から9月9日までPASMO定期券を除き一時発売を停止していた。また、クレジットカードによるオートチャージPASMOも同年4月13日から9月28日まで一時申し込み受付を停止していた。詳細は「販売制限」の節で記述する。
2008年3月には発売1周年のポスターが加盟鉄道事業者の駅に掲出され、「PASMO おかげさまで800万枚」のメッセージが表記された。
キャラクターはロボットである。Suicaのキャラクターであるペンギンと同様に名前が付けられていない。基本色としてはピンクだが、一部鉄道事業者のホームページやパンフレットでは青や赤のロボットも見ることができる。PASMOを取り出すためにお腹の辺りに蓋があるほか、急いでいる時は電車やバスに変身するという設定である。キャラクターデザインは安達翼である[2] 。
サービス開始に備えて、導入鉄道事業者の各駅では2006年から自動改札機や自動精算機などのICカード対応準備が行われ、サービス開始前日までICアンテナ部に蓋がされており、一部の事業者でPASMO導入告知ステッカーや広告を貼付していた他、投入口の上に貼付しているパスネットの2枚投入ステッカーが従来より小さなものに更新された。
2007年上半期に首都圏在住の20〜34歳の男女の間で流行・話題になったものを表彰する「2007年上半期M1F1グランプリ」(M1F1総研/電通・Media Shakers)ではPASMOが男女ともにグランプリを受賞した。受賞の要因には、利便性のみならず、キャラクターや色遣いなどのデザイン面も挙げられた[3] 。また、年末に日経MJが発表された2007年ヒット商品番付でも西の横綱に選ばれている。
カードデザイン
電通のクリエイティブディレクター小塚重信によるデザイン。
ロゴ色は「PASMOピンク」と呼ばれる特色(PANTONE 177C、もしくはDIC17版 586)が使用され、特色が使用できない場合はCMYKでM 70%が使用される。 ロゴタイプは、Avenir・Bauhaus・Plateletを基に作成された。
PASMOの種類
PASMOには以下の種類が存在している。ただし、必要に応じてその都度別のカードを購入する必要はなく、基本的には機能の付加・削除を行うことで同じカードを使い回せる。 2009年1月より新デザインのカードが発売され右上にダイヤマークが大小2つあるのが最新版。
- 無記名PASMO
- 汎用タイプのもの。基本的なサービスが受けられるが、紛失時の再発行ができない。利用者の希望により以下の変更が可能である。
- 記名PASMOや小児用PASMOへの変更
- 定期券情報の追加(PASMO定期券化)
- なお、逆に記名PASMO・小児用PASMO・PASMO定期券から無記名PASMOへの変更はできない。また、名義の変更もできないので、転居などで不要になった場合には返却して払い戻してもらうしかない。
- 記名PASMO
- 氏名などの個人情報を登録することにより使用できるもので、記名人のみが利用可能。無記名PASMOとの違いは、紛失しても再発行ができることや、記名人以外の人が利用できないことである。再発行の申請はPASMOかSuicaどちらかの事業者の駅の窓口でもできるが、受け取りはPASMO事業者の窓口のみとなる。再発行には手数料が必要。
- また、定期券情報を追加してPASMO定期券にすることもできる。なお、無記名PASMOへの変更はできないため、一旦返却・払い戻しの上再購入する必要がある。しかし、鉄道事業者で購入した記名PASMOは機械で対応するため券面に名前が印字されるが、バス事業者で購入した記名PASMOは手動入力となるため後ろのデザインが異なり、名前も後ろにマジックペンで書く必要がある(ボールペンでは傷が入りやすい)。しかし、東京急行電鉄・京王電鉄では定期券売り場に持参することで、期限切れPASMO定期券から記名PASMOにするのと同じ要領でカード表面に印字を受けることも可能である。
- 小児用PASMO
- 記名PASMOのうち小児用の運賃を引き去るように設定したものである。こちらはSuicaも含めて1人1枚しか発行できない。定期券情報の追加でPASMO定期券にすることもできる。購入するには小児であることを証明し、駅係員の承認を得なければならない。有効期限は満12歳時点での3月31日までだが、4月1日生まれの人は3月31日の経過で満12歳となるので扱いは同様である。それを過ぎると大人用の記名PASMOへの変更あるいは返却・払い戻しが必要となる。それ以降も有効な定期券情報がある場合は払い戻しが受けられる。
- PASMO定期券
- 記名PASMOに定期券情報を追加したもので、チャージすると定期券区間外を利用した分の運賃も自動改札機で自動的に精算する。サービス開始時からSuica導入鉄道事業者との連絡定期券も発売しているが、基本的には磁気の連絡定期券を発行できなければPASMO定期券の発行もできないため、発売できない種類や区間が多数存在している。再発行の受付については記名PASMOと同じだが、受け取りは定期券を発行した事業者の駅窓口に限られる。なお、定期券のみを払い戻すと氏名部分のみ残り、記名PASMOとして使用可能である。
- オートチャージ機能付きPASMO
- Pastownカードまたは鉄道事業者が発行する対応クレジットカードに紐付けされて発行される専用PASMO。クレジットカード一体型PASMO(後述)とは異なり、クレジットカード自体にPASMOが付加されるものではない。以前は、券面に記名はされていないが裏面に署名欄があるカードを使用していたが、現在は上記の記名PASMOにオートチャージ機能を付加できるようになっており、外見は記名PASMOと同様になっている。基本的には記名PASMOと同様の扱いであり、PASMO定期券としての利用も可能である。また、一度定期券情報を追加した場合は磁気定期券と同様に券面に名前が印字され、定期券情報を消去しても名前の印字は残る。
- 2008年 3月14日まではチャージ額が2,000円以下になるとクレジット決済で駅の自動改札機で3,000円が自動的にチャージされるため、設定額の変更ができなかった。だが、翌15日からPASMO加盟事業者の駅などでオートチャージする条件および金額を1,000円〜10,000円の範囲内で1,000円単位での変更ができるようになった。なお、申し込み時の初期設定はチャージ額が2,000円以下になるとクレジット決済で駅の自動改札機にて3,000円が自動的にチャージされるシステムとなっている。
- クレジットカード一体型PASMO
- Pastownカードまたは鉄道事業者が発行する対応クレジットカードとPASMOが1枚になったもので、2008年3月15日から発売を開始した。現在、パスモ(Pastownカード)および東急・東武・京急・東京地下鉄の4社の鉄道事業者が発行している。カードの表面にPASMOのロゴが記載されているほか、裏面左中央に定期券情報を記録することが一部のカードでできる。申し込み時にはオートチャージがあらかじめ設定されているが、それを解除する場合、カードによってはクレジット機能まで解約する場合もある。クレジットカードとしてみた場合、PASMOと一体化している関係で、エンボスレスのカードとなっており、インプリンターでの決済ができないので注意が必要。この点は、VIEW Suicaカードと同様である。
購入方法
ここでは購入方法を説明する。なお、事業者によって購入場所や購入方法が異なる。
PASMOは、加盟事業者のうち鉄道駅にある自動券売機・窓口・定期券売り場やバスの営業所・案内所などで購入できる。鉄道事業者によっては対応路線の全駅で購入可能だったり、バス事業者によっては車内販売(但し1,000円のみでの販売)も行っている。
PASMO定期券を除く記名PASMOと無記名PASMOの発売額は1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、10,000円の6種類である(一部事業者では1,000円〜20,000円の1,000円単位)。発売額にはデポジット500円が含まれており、利用可能額は発売額からそれを減算した額となる。デポジットは運賃や電子マネーの金額に充当することができないが、PASMOが不要になった時に返却される。
なお、記名PASMOの場合、鉄道事業者発売のものには名前が記載されるが、バス事業者発売のものには購入後裏面に名前を記入するスペースがあるので、そこに記載しなければならない。ただし、カード自体には名前などが記録されている。
上記の方法で購入した記名PASMOは、2008年 3月15日からオートチャージ機能を後から付加することが可能になった。なお、同月14日以前は後からオートチャージ機能を付加することができなかった。
オートチャージ機能付きのPASMOを購入するには、オートチャージサービスに対応したクレジットカード会社への申し込みが必要である(クレジットカード一体型PASMOも同様)。ただし、すでに対応クレジットカードを所持している場合はこの限りではない(PASMOのみの申し込み)。その上でクレジットカード発行会社にPASMOオートチャージの申し込みを行う。通常約1か月程度でPASMOが郵送され、この時のデポジットが後日申し込んだクレジットカード発行会社より請求される。なお、郵送された時点でのPASMOのチャージ残額は0円である。また、すでに対応クレジットカードと記名PASMOを所持している人が記名PASMOにオートチャージ機能を付加する場合は、前述と同様に対応クレジットカード会社にPASMOオートチャージ機能付加の申し込みを行い、約1か月程度で送付される案内はがきを駅に持参して設定を済ませた上で利用できるようになる。
なお、2007年 2月3日の受付開始後に申し込みが殺到したため、1か月では発行ができず、「発行までに6〜8週間程(約1か月半〜2か月)期間を要する」との発表があった。
使用方法
PASMOは、基本的に自動改札機の読み取り部(一部鉄道事業者では専用改札機も設置)やバス運賃箱のIC読み取り装置などにタッチするだけで通過することができる。開発当初はIC読み取り装置を浮かせたまま通り過ぎるのが前提だったため、IC読み取り装置から約半径10cm程度であればタッチしなくても反応する。
なお、Suicaとの相互利用に関する取り扱いの詳細は首都圏ICカード相互利用サービス も参照のこと。
鉄道での利用
鉄道の場合は入場時には初乗り運賃を前引きされず、出場時に乗車された区間の運賃を一括して差し引く。ただし、従来のパスネットと同様に鉄道各社の初乗り運賃以上の残額がないと入場できない。そのため、自動改札機のディスプレイには入場時に引き去り前の残額とSF(定期)利用が、出場時に引去額(定期利用の時は表示されない)と引き去り後の残額がそれぞれ表示される。また、従来のパスネット適用を含む他の鉄道会社線との連絡割引についてもPASMOで自動的に適用される。ただし、重複する場合は値引き額が大きい方のみの適用となる。なお、一度に精算できるのは4社・局分までであり、途中一度も改札を通らない場合は圏内で最大6社・局までの連続乗車が可能となるが、運賃計算上5社・局以上になる場合は窓口での精算となる(例:みなとみらい線【横浜高速鉄道】〈直通〉東急東横線〈武蔵小杉駅乗り換え〉目黒線【東京急行電鉄】〈直通〉都営三田線〈三田駅乗り換え〉浅草線【都営地下鉄】〈直通〉京成押上線【京成電鉄】〈直通〉北総鉄道北総線【北総鉄道】)。SuicaについてもPASMOサービス開始時から前述の方法が適用される。
自動改札機が設置されていない駅については簡易ICカード改札機を設置して対応している。厚木・八丁畷・伊勢崎・小川町(埼玉県)・寄居・越生 下館の7駅にはSuica事業者であるJR東日本との連絡改札機が簡易ICカード改札機になっているので、これらの駅での対Suica事業者間の乗り換えは必ず改札機にタッチしなければならない(タッチしないと実際の乗車経路と異なる運賃が減額されてしまう)。また、拝島駅は2007年 8月24日の橋上駅舎化後もしばらくの間自由通路の一部を乗り換え専用通路として使用していたが、翌2008年 3月14日に閉鎖されて自由通路が全面開放されたため、JR・西武の改札が分離された。
連絡定期券の発売範囲は従来の磁気定期券の発売範囲に加えて多摩都市モノレール・ゆりかもめ・横浜新都市交通(シーサイドライン)にも拡大されている。途中改札を通らない経路で定期券が2枚以上になる場合はIC定期券を含んだ組み合わせでは利用できず、従来通り磁気定期券2枚を使用することになる。この場合、IC定期券とパスネットなど他の乗車券類との同時使用での改札機の通過も不可能である。ただし、JRの自動券売機と自動精算機ではイオカードまたはオレンジカードにPASMOを併用しての乗車券の購入または乗り越し精算が一部の駅で可能である。定期券のうちPASMOで発行可能になるのはPASMO加盟事業者間のみのものとPASMO加盟事業者とSuica加盟事業者に跨る連絡定期券に限られている。Suica・PASMOの両事業者間に跨る連絡定期券は基本的にどちらにも発行できるが、種類によっては発売事業者が限られる場合もある。また、発着駅ともSuica加盟事業者社のみとなる定期券をPASMO定期券として発行することはできず、逆も同様である。2008年3月15日から発売範囲が拡大された。
振替輸送はSuicaと同様に基本的には受けることができないが、PASMO定期券の有効期間内で券面表示区間内での乗車に限り受けることができる。SF乗車の場合についてはパスネットと異なり対象外となる。鉄道会社でもその旨、ポスターやリーフレットなどで告知している。
バス・路面電車での利用
バスにおけるPASMO(Suicaを含む;以下同様)の使用方法は、バス共通カードのものを概ね踏襲している。 PASMO対応車両には、運賃箱にPASMO読取器が設置されており、これにタッチすることにより運賃を支払う。(運賃後払方式の車両ではこの他に、整理券発行機の横にもPASMO読取器が設置されている。始発停留所と同一運賃の区間での乗車時に、これにタッチするか否かは、事業者ごとに異なる。) 運賃支払い時、運賃箱のディスプレイには、支払額と残額が表示される。(バス利用特典サービス(後述)の利用時には、その利用額も表示される。)
バス共通カードと同様の精算も可能である。例えば「小児の運賃を支払いたい」旨を運賃支払い前に申し出ると、大人用PASMOでも小児運賃による精算が可能である(障害者手帳の提示による割引も同様)。あるいは、複数人分の運賃を1枚のPASMOにより一括して支払うことも可能である。 なお、初期のSuica(2003年頃まで発行されていた、Suicaショッピングサービス(電子マネー機能)非対応のタイプ)はバスでは使用できず、多くの事業者では、その旨の注意書きをPASMO読取器に貼付している。
バスでのPASMOサービスは、(鉄道のように)2007年3月18日より一斉に開始されたのではなく、対応準備が順次進められている状態で、2008年11月現在、対応済車両と未対応車両が混在している。(大多数の事業者では、営業所単位でPASMOサービスを開始しているため、車両側の対応準備が整っても、当該営業所でPASMOサービスが開始されるまではPASMOが使用できない。)
PASMO対応車両には、「バス共通カード取扱車」「共通カード取扱車」に代わる新しいステッカーとして、乗車口の横には「PASMO Suica バス共通カード ご利用いただけます」、車両正面には「PASMO」というステッカーがそれぞれ貼付されている(「バス共通カード取扱車」と「PASMO」を一緒に貼付している事業者・営業所も一部存在する)。なお、バス共通カードに加盟しておらず、PASMOのみに加盟している事業者では、ステッカーが「PASMO Suica ご利用いただけます」となっている。また、PASMO導入直後の営業所では、PASMOを利用できることを示す幕を一定期間、車両前面に掲げる。(一部の営業所ではその後、PASMOの利用を促進する幕を掲げる。)
バス利用特典サービス
バス共通カードなどのバスカードでは、回数券として購入額に特典額を加えた金額分の利用ができるが、PASMOではこれに相当するサービスを利用額に応じたポイント還元式の「バス利用特典サービス」が採用されている(参照:PASMO概要 - パスモプレスリリース)。
バス共通カードでは購入した時点で特典額が付与されるのに対し、PASMOではSFによって支払われた運賃に応じてバスポイントを加算させていき、1,000ポイントごとに「特典バスチケット」が付与され、次回のバス乗車時にそのチケットがSFに優先して差し引かれる仕組みとなっている。累計ポイント数によって付加される特典額には段階があり、またポイント制を導入する全社・局共通でポイントの累積・利用ができる。なお、バスポイントは都営バス・都電、東急バス、京王バスを始め概ね10円の利用につき10ポイントが付与されるが、各バス事業者が異なるポイント付与率を定める場合がある。
また、運賃箱のディスプレイには特典バスチケットが付与された時点で「チケットが付きました」のメッセージが表示される。この特典バスチケットの残額は運賃を支払う際に運賃箱のディスプレイに表示される。またバス営業所・案内所にPASMO処理機があればそこで利用履歴を印字してもらうことでバスポイントやバスチケットの残額を確認することが可能である。また記名式PASMOであればPASMOマイページでも確認が可能。なお、鉄道駅では履歴表示では表示されず、履歴印字をしてもポイント・チケット残額は印字できない(特典バスチケット利用額から差し引いた残額のみが表示・印字される)。なお、「特典バスチケット」の有効期間は10年間である。
バスポイントの累積は1か月間(毎月1日〜末日)のみであり、最大10,000ポイントまで累積され、これを超えると超過ポイント数を繰り越して再度0ポイントから累積される。また、翌月には還元済み・未還元に関わらず前月分のポイントが消去され、0ポイントから累積される。
PASMOを導入している一部の高速バス、深夜急行バス、空港連絡バスやコミュニティバスの路線でもPASMO(Suica)による運賃精算の利用ができるが、この場合は本サービスが適用されない。実際にバス共通カードが使える事業者であればバス利用特典サービスが適用されるが、バス共通カードを導入しなくてもバス利用特典サービスを実施している事業者もある。
本サービスによるチケット付与額は以下の通りである。
累計バスポイント | 特典バスチケット 付与額 |
バスチケットの 累計額 |
---|---|---|
1,000バスポイント | 100円 | 100円 |
2,000バスポイント | 100円 | 200円 |
3,000バスポイント | 100円 | 300円 |
4,000バスポイント | 100円 | 400円 |
5,000バスポイント | 450円 | 850円 |
6,000バスポイント | 170円 | 1,020円 |
7,000バスポイント | 170円 | 1,190円 |
8,000バスポイント | 170円 | 1,360円 |
9,000バスポイント | 170円 | 1,530円 |
10,000バスポイント | 170円 | 1,700円 |
発売額 | 利用可能金額 | 上乗せ額 |
---|---|---|
1,000円 | 1,100円 | 100円 |
3,000円 | 3,360円 | 360円 |
5,000円 | 5,850円 | 850円 |
このように、バスポイントが5,000ポイントに達するまでの特典バスチケットの付与率がバス共通カードの特典額に比べて低く、5,000バスポイントに達しない場合は1,000円のバス共通カードを利用するのと変わらない。1か月間の乗車回数が少ない場合や端数が出る場合など、利用金額によってバス共通カードを利用する方が有利となる場合がある。また、月間のバスポイントが丁度5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000ポイントである時だけ5,000円のバス共通カードと同等の割引率となる。
ただし、都営バスのように一定時間内にバスを乗り継ぐ場合に2台目の利用が割引になる場合がある。現段階で発売されている都営バス専用の乗り継ぎ割引バスカード(1枚2,000円)は乗り継ぎ割引がなされるのみなので、PASMOを利用した方が低廉である。
IC定期券
定期券(IC定期券)は、2009年8月現在一部の事業者で実施されている。東京都交通局(都営バス・都電荒川線)では2007年3月18日のサービス開始時より、川崎市交通局では同年11月26日より、関東バスとケイビーバスでは12月16日より、横浜市交通局と横浜交通開発では2008年7月1日より、東急バスでは2009年8月1日より導入しており、そのほかの事業者も順次対応する予定である。ただし、IC定期券導入事業者でも定期券によってはIC定期券にできないものがある。
鉄道の定期券のように券面への印字はされない反面、導入事業者や鉄道定期券の有無に関係なくSuica(但し、初期のSuica(=Suicaショッピングサービスに対応しないカード)は不可)・PASMOのいずれにも定期券情報を入れることができるなどの特徴がある。いずれも鉄道とバスとの乗り継ぎを考慮していると推測される。なお、購入の際にはIC定期券内容控が一緒に渡される。
IC定期券利用時は運賃箱や整理券発行機の横にそれぞれ新設された読み取り器にタッチすることで利用できる。タッチすると運賃箱に定期券の有効期限が表示され、乗務員に定期券利用であることを認識できるようになっている。ただし、カードや運賃箱の不具合などで利用できない場合があるため、定期券購入時に発行されるIC定期券内容控を利用時に持参しなければならない。なお、この利用控単独では乗車券としての効力がない。
IC一日乗車券
PASMOとSuicaが採用しているFelicaはICチップを採用しており、大量の情報記憶が可能である。これを利用して、均一運賃を採用しているバス事業者では1日に何度でもバスを利用できる一日乗車券をPASMOとSuicaに付与して発売しているところがある。
PASMOとSuicaに一日乗車券を付与して利用する場合は、最初の乗車時、乗務員にその旨を申し出る。その際にSFの残額から乗車券分の運賃が差し引かれ、カードに一日乗車券の情報が記録される。2回目以降は乗車時にカードを読み取り器にタッチすることで利用できる。
なお、SF残額が乗車券分の運賃に満たない場合は購入することはできず、チャージが必要となる。また、他社の有効な一日乗車券が付与されているカードにさらに乗車券の情報を記録することはできず、すでに付与されている乗車券の情報を削除することになる。付与できるのは乗車当日分のみで、前売りの乗車券は付与できない。
2009年8月現在、以下の社・局のPASMOとSuicaが利用可能なバス車内、又は都電車内で発売している。
- 東京都交通局 (都バスIC一日乗車券・都電IC一日乗車券)
- 川崎市交通局 (IC1日乗車券)
- 川崎市バス(川崎病院線、快速ミューザを除く)で利用可能。「家族1日乗車券」はカードに付与することができない。
- 関東バス・ケイビーバス (IC一日乗車券)
- 両社の全路線(ムーバス、はなバス、空港連絡バス、夜行高速バス、深夜中距離バス銀座線を除く)で利用可能。
- 両社は2007年6月30日までバス車内で紙製の一日乗車券を発売していたが、現在はIC一日乗車券に移行している。
- 小田急バス・小田急シティバス (1日フリーパス)
- 両社の全路線(ムーバス、空港連絡バス、夜行高速バスを除く)で利用可能。
- 東急バス (東急バスIC1日乗車券)2009年8月1日より導入
- 当社の全路線(空港連絡バス、深夜急行バス、東京ディズニーリゾート直行バス、渋谷駅〜NHKスタジオパーク、溝の口駅〜新横浜駅、渋谷区コミュニティバス(ハチ公バス)、東急トランセ代官山循環バスを除く)で利用可能。
チャージ(入金)
鉄道の場合は、加盟事業者および相互利用事業者の駅にあるICカード対応の自動券売機・自動精算機・簡易入金機(一部事業者のみ)・駅窓口、事務室(同)で1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、10,000円の6種類の金額を選んでチャージすることができる。ただし、上限金額は20,000円である。なお、一部事業者では1,000円〜20,000円の1,000円単位でチャージすることもできる。
バスの場合は1,000円単位でチャージすることができる。この場合は乗務員に申し出てからPASMOを読み取り部に置き、その次に紙幣を運賃箱の挿入口に入れる。ただし、残額が10,000円を超えている場合はチャージできない。入金できる紙幣にも制限があり、多くの事業者では千円札のみとなっている。また、二千円札以上の紙幣でのチャージが可能な運賃箱を設置している事業者は少なく、箱根登山バス・伊豆箱根バス・神奈川中央交通グループ・西東京バス・多摩バスなど少数である。いずれもつり銭は出て来ない。また、硬貨やバス共通カードなどのカード回数券でのチャージはできない。なお、営業所やバスターミナルの窓口では高額紙幣でチャージできる場合がある。
パスネット残額の引き継ぎ
PASMOの普及により、2008年1月10日でパスネットの発売が終了し、同年3月14日でパスネットの自動改札機での利用が終了した。このため、翌15日以降残額があるパスネット所持者のためにPASMOへの残額引き継ぎサービスを行っている。実施事業者は22社・局のうち東武鉄道・西武鉄道・京王電鉄・東京急行電鉄・京浜急行電鉄・新京成電鉄・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道・東京地下鉄・東京都交通局の10社・局である。このうち、京王電鉄と東京急行電鉄は同月1日から、西武鉄道は5日から先行してサービスを行っている。Suicaへの残額の引き継ぎは出来ない。
履歴表示
PASMOとSuicaのSF残額履歴を印字および表示することができる。
PASMO加盟事業者の駅の自動券売機やバス営業所などでは、Suicaも含めて直近20件までの履歴を表示・印字でき、カードに履歴が残っている間は何度でも印字できる。逆にSuica加盟事業者の駅でも直近20件までの履歴を表示できるが、履歴を印字する場合、Suicaでは直近50件まで印字できる(一度印字すると再印字はできない)が、PASMOでは直近20件まで印字でき、再印字も可能である。なお、PASMOエリアで印字する場合はSuicaも含めてカード番号がすべて表示されるが、Suicaエリアで印字する場合はカード番号の下4桁しか表示されない(チャージや定期券購入などの領収書も同様)。印字時の事業者名・駅名の表示については、首都圏ICカード相互利用サービスを参照のこと。
また、PASMO定期券を含む記名PASMOの場合はインターネットを通じて3か月前までの履歴を照会できる。これはPASMO利用者向けの会員登録制サービスであり、Suicaの履歴照会はできない。会員登録と照会方法については公式ホームページの履歴照会サービスを参照のこと。
電子マネー
PASMOは、当初からSuicaショッピングサービスとの共用がなされ、基本的にはSuicaが使える店舗(Suica電子マネー店舗)でも利用可能。利用開始日はPASMOサービス開始日と同じ2007年3月18日(→Suicaショッピングサービスも参照)。
利用できる店舗などには『PASMO ご利用いただけます Suicaも使えます』のステッカーが貼付されており、サービス自体はSuicaショッピングサービスとほぼ同様である。ただし、店頭でのチャージはSuica加盟店ではSuicaのみ、逆にPASMO加盟店ではPASMOのみしかできない店舗がある(→注意点参照)。また、2008年3月18日からSuicaとICOCAの電子マネー相互利用が開始されたが、PASMOとICOCAの電子マネー相互利用ではないため、ICOCA加盟店舗でのPASMO使用、PASMO加盟店舗でのICOCA使用は、いずれもできない。
また、PASMO加盟鉄道事業者では、サービス開始時点では小田急電鉄・京浜急行電鉄・西武鉄道・東京急行電鉄・東京地下鉄・東京都交通局・東武鉄道の7事業者が、2008年3月15日からは京王電鉄・京成電鉄・相模鉄道・首都圏新都市鉄道の4社を加えた11事業者が電子マネー加盟店の募集および管理業務を行っている(この開拓・管理事業者を「アクワイアラ」という)。現在、駅構内や周辺の売店や飲料水の自動販売機、コインロッカーなどへ展開している。この他、一部事業者については系列のスーパーマーケットなどの街中の店舗でも使えるケースもある。ただし、逆に駅構内のコンビニでありながら、Edyなどの他の電子マネーが使えるのにPASMOが使えないといったケースもあるので注意が必要である。
関係企業以外の参入状況
上記事業者やその関連企業、駅構内・周辺店舗以外の参入企業(予定を含む)は以下の通りである。記載は「企業名(業種など):開拓・管理事業者」の順。
- 2008年1月から順次本サービスを開始、同年8月11日までに首都圏の全店舗に導入を完了した。レジでのチャージも、PASMO・Suicaを問わず可能。また、同日よりTOP&カードで設定したオートチャージサービス機能付きPASMOの電子マネーを利用するとTOKYUポイントが加算される、「PASMO電子マネーTOKYUポイント」のサービスを開始した。なお、同社は東武鉄道・京成電鉄・相模鉄道・首都圏新都市鉄道の4社の一部駅にも店舗を出店しており、東武の一部店舗では2008年1月以前より、PASMO電子マネーが利用可能であった。
- 東武沿線の「タイムズ」での料金支払いにも本サービスを導入する。第1弾として2007年8月23日より東上線 志木駅近くの「タイムズ新座志木」でサービスを開始しており、以降順次拡大予定である。
- 京王・京急・小田急沿線では、特定の駐車場の最寄り駅を利用した際に、利用額を値引くサービスも実施している(割引適用には、当該駅利用履歴のあるSuica・PASMOが必要)。
- 沿線ごとに異なる事業者がアクワイアラとなっている。なお、他社や他地区沿線の同社のコインパーキングではSuica電子マネーを始め他の電子マネーサービスを導入しているところもある。
- 2008年4月、名古屋地区におけるPASMO加盟店第一号となり、この地区のホテルで初めてPASMO・Suicaが利用可能となる。対象店舗は全店舗(名古屋駅前・名古屋金山・名古屋錦・刈谷)である。首都圏から名古屋へ出張するビジネスマン層の利用を見込んでいる。なお、名古屋地区では他にもビックカメラ名古屋駅西店、および当地区のジャスコ・サティ・マックスバリュ(イオンリテール運営の店舗のみで、マックスバリュ中部運営店舗では利用不可)・ミニストップなどイオングループの店舗でPASMO・Suicaが利用できる。
- 2009年 3月24日から、新見沼大橋有料道路の通行料金をPASMO・Suicaで支払えるようになった。同道路公団が管理する有料道路はETCに対応していないため、料金所で一旦停止する必要があるものの、現金等を用意する手間が省け、利便性の向上が期待できる。
PASMOオートチャージサービス
チャージ残高が一定額未満となった場合に、登録したクレジットカードを経由して自動的に一定金額をチャージするサービスである。
サービス開始時点では残額が2,000円以下の場合、自動的に3,000円分チャージされるようになっている。
利用できるクレジットカードは、JCB・三井住友カード・三菱UFJニコスの3社が発行する「Pastown(パスタウン)カード」とPASMOに参加する交通事業者系のクレジットカードのみで、これら以外のクレジットカードは利用できない。PASMO加盟事業者の中には、サービス開始に併せてクレジットカード事業に新規参入したケースもある。
オートチャージできる場所はPASMO・Suica対応駅の自動改札機であり、入場時にチャージされ、出場時にはチャージされない。但し1ラッチ改札口(乗換専用改札)、バス車載機、電子マネー端末、新幹線改札機、簡易改札機ではオートチャージは行なわれない。また、仙台・新潟エリアの各駅ではオートチャージの取り扱いはない。
一部の事業者にはオートチャージが可能な簡易改札機があり、カードをタッチするモジュールの部分が通常の改札機と同じ青色に点灯しているのが特徴である。
また、本サービスを受けるためのオートチャージ機能付きPASMOはカード会社への申し込み後に送付される専用のカードのみであり、2008年3月14日までは駅発売のものやすでに所持しているPASMOにオートチャージ機能を追加で設定することができなかったが、翌15日から記名PASMOに限りオートチャージを追加できるようになった。
オートチャージ機能付きPASMOを入手する場合は、対応クレジットカード会社に対してPASMOとクレジットカードの両方を申し込み、郵送にて受け取る。ただし、すでに対応クレジットカードを所持している場合はPASMOのみを申し込めばよい。2007年2月3日から申し込み受付を行っている。なお、受け取ったオートチャージ機能付きPASMOは駅窓口などでの手続きにより定期券情報を追加することも可能である。しかし、定期区間内でも設定金額を下回ると、自動チャージされる為注意が必要。また、対応クレジットカードを所持している人で記名PASMOにオートチャージ機能を付加する場合は、対応クレジットカード会社に対してPASMOオートチャージ機能付加の申し込みを行うだけでよい。この場合、約1か月程度で送付される案内はがきを駅窓口に持参して利用開始の手続きを行わなければならない。どちらの方法も、駅窓口などで申し込み用紙を入手し、各クレジットカード会社へ請求する。
加盟事業者のうち、対応クレジットカードを発行しているのは以下の通りである。
- 小田急電鉄:「小田急OPクレジットカード」
- 京王電鉄:「京王パスポートカード」他
- 京成電鉄:「京成カード」(導入時に新規参入)
- 京浜急行電鉄:「京急カード」他
- 相模鉄道:「相鉄カード」(導入時に新規参入)
- 西武鉄道:「プリンスカード」他(導入に先駆けて参入)
- 東京急行電鉄:「TOP&カード」他
- 東京地下鉄:「Tokyo Metro To Me CARD」(導入時に新規参入)
- 東武鉄道:「東武カード」
- 横浜市交通局:「横浜交通hama-eco card」(平成22年より対応予定)
なお、2006年 10月1日から先行的に展開しているVIEW Suicaカードでは、サービス対象はVIEW Suicaのみ(クレジットカード自体がSuicaの機能を有するカード)だが、それ単体でサービスを受けられる。
さらに、Pastownと加盟事業者のうち東急・東武・京急・東京地下鉄の4社では「クレジットカード一体型PASMO」の発行を2008年3月15日から開始している。そのため、オートチャージ機能付きPASMOカードを発行予告していた際の募集で入会した新規会員のクレジットカードは、有効期限が2008年3月までとなっていた。Pastownカードを除き、カードの裏面左中央に定期券情報を記録することができる。ただし、PASMO定期券を所持している人がクレジットカード一体型PASMOを申し込み、かつ定期券情報を記録する場合は、いったんPASMO定期券の払い戻し手続きを行ってから申し込みを行い、改めて定期券情報を記録しなければならない。また、申し込みから送付までに約1か月間かかるため、その間は別のPASMO定期券か磁気定期券の1か月ものを購入・利用しなければならない。
一部のクレジットカード発行事業者では現金専用のポイントカードも発行しているが、このカードでオートチャージ機能付きPASMOを入手することはできない。ただし、ポイントを使ってPASMOにチャージすることは可能である。
オートチャージ機能付きPASMOは、通常の記名PASMOと同様にPASMOのみの払い戻しや対応クレジットカードの解約ができる。対応クレジットカードを解約した場合はPASMOが記名PASMOとして引き続き利用できる。また、支払いカードがPastownカードの場合は払い戻しをもってクレジットカードも自動的に解約となる。また、クレジットカード一体型PASMOでもオートチャージ機能付きPASMOと同様の払い戻しや解約ができるが、クレジットカード機能を解約する場合はクレジットカード会社をその旨を申請後一体型PASMOと公的証明書を駅窓口などへ持参してPASMO機能の移し替え手続きを行わなければならない。この場合、通常のPASMOに交換されるが、デポジットは現金で支払わなければならない。。
なお、前述の通りPASMOカードが品薄となったことから、2007年 4月13日から9月28日まで一時新規受付を中止していた(Pastownカードおよび新銀行東京を除きクレジットカード自体の申し込みは可能)が、同月29日に受付を再開した。
導入当初は東京都交通局が対応したカードとして「新銀行東京カード」(JCB・ニコスVISAのみ)もオートチャージ対応カードに指定されていたが、同行が2008年2月8日をもって提携キャッシュカードの申し込み受付を終了したため、現在は該当のカードでオートチャージの申し込みを行うことができない。
その他
- 東武鉄道では足立区 西新井のマンションでPASMOを鍵として採用している。同様に、一部事業者の駅構内などに設置されているコインロッカーではPASMO・Suicaで料金を精算するとその精算したPASMO・Suicaがロッカーの鍵となるシステムを採用している。
- Suicaグリーン券や鉄道博物館入館システムにも対応している。
- 2007年3月18日のサービス開始日から5月31日まで、「PASMO GO! GO! キャンペーン」を実施し、購入者の中から抽選で550名に5,500円分チャージされたPASMOが当たった。
- サンケイリビング新聞社では、PASMOの沿線情報などを紹介する月刊紙(フリーペーパー)「PASMO いいかも」を発行している。
- PASMO等のIC乗車カードがそのまま使用できる地域ポイントカードのシステムが開発・運営され、導入している商店街がある(詳細はポイントサービス#商店街・ショッピングモール、ICカード#商店街での導入を参照)。
- Suica加盟店で使用できるので、関東地方以外にも使用可能場所はある。PASMOが使える最西端の場所は2009年1月現在では福岡市のビックカメラとなる。
導入事業者一覧
鉄道
パスネット加盟社局でも導入未定の事業者があり、また導入されていない路線もある。◇印はSuicaおよびパスネットが導入されていなかった事業者。
五十音順に掲載
2007年3月18日より
- 伊豆箱根鉄道(大雄山線のみ。静岡県内は鉄道・バス共に非対応)◇
- 江ノ島電鉄(江ノ電)◇
- 小田急電鉄
- 京王電鉄
- 京成電鉄
- 京浜急行電鉄
- 埼玉高速鉄道
- 相模鉄道
- 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)
- 新京成電鉄
- 西武鉄道
- 多摩都市モノレール(多摩モノレール)
- 東京急行電鉄
- 東京地下鉄(東京メトロ)
- 東京都交通局(都営地下鉄・日暮里・舎人ライナー)
- 東武鉄道
- 東葉高速鉄道
- 箱根登山鉄道
- 北総鉄道
- ゆりかもめ
- 横浜高速鉄道
- 横浜市交通局
- 横浜新都市交通(シーサイドライン)◇
2009年3月14日より
- 関東鉄道(鉄道事業のみ)◇
- 千葉都市モノレール(タウンライナー)◇
- 舞浜リゾートライン(ディズニーリゾートライン)
導入予定
- 湘南モノレール(平成24年度以降)
バス・路面電車
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2007年3月18日時点ではバス事業者の※(注記)印のみ導入。同日から段階的に導入するバス事業者は、※(注記)印の営業所は当初から導入、★印の営業所・バス事業者は同月19日〜12月31日に導入、☆印の営業所・バス事業者は2008年に導入、▲さんかく印の営業所・バス事業者は2009年に導入、それ以外の営業所・バス事業者については同年以降順次導入予定。◎にじゅうまる印は2007年12月21日付けのリリースにて新たに公表され、導入時期が未定ながらPASMOの導入を準備することとなったバス事業者。◆だいやまーく印はPASMO側のリリースにて公表されていないものの、導入時期が未定ながらPASMOの導入を準備することとなったバス事業者。◇はバス共通カードが導入されていなかった事業者。
なお、全営業所への導入完了済みの事業者には、事業者名の頭に『★』印を記す。
幹事事業者については五十音順に掲載
- 伊豆箱根バス◇ ※(注記)湯河原営業所 ★小田原営業所
- 江ノ島電鉄(導入当初)→★江ノ電バス横浜 ※(注記)横浜営業所 ☆鎌倉営業所
- ★小田急バス ※(注記)若林営業所 ★狛江営業所、生田営業所、町田営業所 ☆武蔵境営業所、吉祥寺営業所
- ★小田急シティバス ※(注記)
- ★神奈川中央交通 ※(注記)戸塚営業所、ツインライナー(湘25系統) ★茅ヶ崎営業所、藤沢操車所、綾瀬営業所 ☆町田営業所、多摩営業所、ツインライナー(厚105系統)、平塚営業所、大和営業所、中山操車所、相模原営業所、横浜営業所、舞岡営業所、厚木営業所、▲さんかく伊勢原営業所、伊勢原営業所秦野操車所
- ★川崎市交通局(川崎市バス) ※(注記)
- ★川崎鶴見臨港バス(臨港バス) ※(注記)神明町営業所、塩浜営業所 ★鶴見営業所、浜川崎営業所
- ★臨港グリーンバス ※(注記)川崎営業所
- ★関東バス ※(注記)武蔵野営業所、青梅街道営業所、五日市街道営業所、阿佐谷営業所 ★丸山営業所
- ★ケイビーバス ★
- ★京浜急行バス ※(注記)京浜島営業所、羽田営業所、大森営業所 ★逗子営業所、☆衣笠営業所、三崎営業所、久里浜営業所
- ★京王電鉄バス ★府中営業所、桜ヶ丘営業所、多摩営業所、八王子営業所
- 京成バス ※(注記)金町営業所、江戸川営業所・茜浜車庫 ★船橋営業所(習志野市コミュニティバス) ☆長沼営業所、花見川車庫、船橋営業所(習志野市コミュニティバス以外)、松戸営業所、千葉営業所、市川営業所
- ★国際興業(国際興業バス) ※(注記)西浦和営業所、練馬営業所 ★さいたま東営業所、赤羽営業所、志村営業所、池袋営業所、川口営業所 ☆鳩ヶ谷営業所、戸田営業所、飯能営業所
- 小湊鐵道(バス事業のみ)◇
- ★相模鉄道(相模鉄道バス) ※(注記)旭営業所、☆横浜営業所、綾瀬営業所
- ★相鉄バス ☆
- ★西武バス ※(注記)練馬営業所、高野台営業所、上石神井営業所、新座営業所 ★滝山営業所 ☆小平営業所、立川営業所、所沢営業所、大宮営業所、川越営業所、狭山営業所、飯能営業所
- 西武自動車
- ★西武観光バス ☆
- ★立川バス ☆上水営業所、拝島営業所、瑞穂営業所、曙営業所
- ★シティバス立川 ☆
- 千葉交通 ◇
- ★東急バス ※(注記)淡島営業所、弦巻営業所、下馬営業所、高津営業所 ★瀬田営業所、目黒営業所、池上営業所、荏原営業所、虹が丘営業所 ☆青葉台営業所、川崎営業所、東山田営業所、新羽営業所
- ★東急トランセ ◇★(代官山循環線)
- ※(注記)すでに独自のICカード(トランセカード)を発行していたが、これを移行する形でPASMOに対応した。
- ★東京急行電鉄(世田谷線)◇
- ★東京都交通局(都電荒川線・都営バス)※(注記)
- 東武バス
- ★西東京バス ★楢原営業所、五日市営業所(八王子方面)、恩方営業所 ▲さんかく五日市営業所(福生・檜原方面)、青梅営業所、氷川車庫
- ★箱根登山バス ※(注記)湯河原営業所、関本営業所、宮城野営業所 ★小田原営業所
- ★小田急箱根高速バス ◇※(注記)★経堂営業所
- ★日立自動車交通 ◇※(注記)(めぐりんは使用不可)
- ★船橋新京成バス ☆
- ★富士急行 ◇☆河口湖営業所(中央高速バス富士五湖線)、御殿場営業所
- ★平和交通 ◇※(注記)
- ★あすか交通(旧:団地交通)◇☆
- 山梨交通 ◇☆(中央高速バス甲府線のみ)
- ★横浜市交通局(横浜市営バス)☆
- ★横浜交通開発 ◎にじゅうまる☆
注:上記導入の事業者でも、一部の高速バス、空港連絡バス、各自治体から運行委託されているコミュニティバス(一部を除く)などの系統については利用できない。
相互利用
サービス開始当初
- Suica
上記のうちSuica発行事業者はJR東日本・東京モノレール・東京臨海高速鉄道の3社。モバイルSuicaもサービス開始と同時に相互利用開始。
なお、他のICカード乗車券との相互利用の予定はない。加盟各社による協議会では2009年2月現在「検討中」としているが、経営体力のある大手私鉄を中心に相互利用拡大を求める意見が台頭した一方、小規模経営のバス会社からは維持費の負担が増加する事や費用対効果の面から反対意見があり、結論は未定である[4] 。
歴史
- 2007年 3月18日 - PASMOサービスイン。同時にSuicaとの相互利用開始。ただし、仙台・新潟地区での利用は電子マネーのみであった。
- 2008年 3月15日 - 連絡定期券の発売範囲を一部で拡大。既に持っている記名PASMOへのオートチャージサービスの後付けが可能になる(従来は後付けはできなかった)。
- 2008年3月29日 - 仙台・新潟のSuicaエリアでの乗車での使用が可能となる。
- 2009年 3月14日 - 関東鉄道・千葉都市モノレール・舞浜リゾートラインが鉄道加盟事業者となり、PASMOが利用可能になる。
販売制限
当初、パスモではサービス開始から1年で500万枚の発行を見込んで、サービス開始日の2007年3月18日の段階で400万枚のカードを用意していた。しかし、当初の見込みを大幅に上回るペースでの売れ行きを見せ、23日目の同年4月9日には早々に300万枚を突破した。発行枚数のうち定期券160万枚はほぼ予想通りだったが、非定期券140万枚は想定を100万枚程上回ったという。そのため、同社は新たなカードを300万枚追加発注したものの、納品が8月以降となるため、在庫が底を尽きかねない事態となった。これを受けて同社は同月12日の発売分より新たなカードが納品される見込みの8月頃までPASMO定期券以外の新規発行を中止することとなった。ただし、バス事業者のうち定期券発行を行わない事業者は現在庫が切れるまで販売を続けていた。販売制限開始後も定期券が1か月間で新規50万枚以上が発行され、累計発行枚数も380万枚を突破していた[5] 。また、オートチャージ対応カードの新規受付も4月13日の受付分をもって一時的に中止されたが、対応クレジットカード自体の受付はその後も継続されていた[6] 。この一件により、PASMO陣営は絶好の商機を失ったばかりか、「見通しが甘い」という批判まで受ける結果となった[7] 。この件を受けて、PASMOの代わりとしてSuicaがにわか需要が生じることが予想されていたが、Suica陣営では「在庫を3か月分は確保しており、多少需要が増えたとしても同様の事態に陥ることはない」とした。また、パスネットも、当時継続発売していたため、パスネットを購入する人もいたという。
パスモが今回の販売制限を受けて実施した利用者アンケートによれば、75%がSuicaも所持しており、その半数が使い分けのため、残り半分が同カードとの相互利用を知らなかったため、と回答している。この結果、相互利用についての周知不足や併用者・完全移行者のニーズを見誤っていた実態が明らかとなった[8] 。また、前記の「2007年上半期M1F1グランプリ」では、単純に機能だけを求める購入層ばかりではなかったことも示された。
8月7日には制限解除についてのプレスリリースが出され、以下の発表がなされた[9] 。
- 定期券の発売場所などを縮小している事業者で2007年8月下旬より拡大を行う。
- 定期券以外の記名PASMOと無記名PASMOについては、同年9月10日より再開する。
- オートチャージ機能付きPASMOについては、同年9月29日より申し込み受付を再開する。
これらと並行して、新たに200万枚のPASMOカードを用意した他、その後も毎月100万枚ずつ追加することになった。またこれらと並行して、Suicaと相互利用の周知徹底を目的としたポスターの掲示(「じつは、1枚でいける。」)や、リーフレットの配布なども行われた。
販売再開後は再び順調に発行枚数を伸ばしており、9月23日には初年度の達成目標だった500万枚に、約半年、実質的な販売期間は5週間程度で早々に到達した。しかしこの時点では、記名PASMOと無記名PASMOの発売箇所が縮小されていたため、実際の各駅での発売再開日は、事業者により異なることになった。
注意点
- NEWDAYS(ICOCA含め一部の店舗では対応が可能になった。)やファミリーマート、ミニストップおよび関東地方のジャスコやマックスバリュなどイオングループ店舗での店頭チャージは可能である。なお、PASMOが導入されているam/pmの店舗でもSuicaのチャージは可能である[10] 。
- サービス開始当初は、SuicaとPASMOの双方に対応している駅でも、町田駅(JR・小田急)、稲田堤駅(JR)⇔京王稲田堤駅(京王)、新秋津駅(JR)⇔秋津駅(西武)、新八柱駅(JR)⇔八柱駅(新京成)などJR東日本との間で連絡運輸の協定が締結されていなかったため、連絡定期券の乗り継ぎ駅の対象とされていない駅も存在していた。2008年 3月15日に連絡定期券の発売範囲が拡大され、多くは解消された。
- Suicaで可能な「二区間定期券」のような発行方法は現時点で対応していない。
- 2008年3月15日から記名PASMOに限りオートチャージ対応クレジットカードとともにオートチャージ機能を付加できるようになったほか、クレジットカード一体型PASMOの発行も開始した。PASMO定期券を所持している人がオートチャージ機能付きPASMOやクレジットカード一体型PASMOを申し込む場合は、いったんPASMO定期券の払い戻し手続きを行ってから申し込みを行い、改めて定期券情報を記録しなければならない。どちらの場合も、申し込みから送付までに約1か月間かかるため、その間は別のPASMO定期券か磁気定期券の1か月ものを購入・利用しなければならない。
- すでにオートチャージ機能付きPASMOを所持している場合、それと紐付けられたクレジットカードで新たにオートチャージ機能付きPASMOを申し込むことはできない。
- ICカード運転免許証とPASMO(SuicaやICOCA等を含むフェリカタイプCのIC非接触式カード)を同じ財布等に入れると読み取りエラーが起きることがある。
- 記名PASMOを長期間[11] 使用しなかった場合、自動改札機等で使用できないことがある。係員に依頼するか自動券売機等でチャージもしくは残額の利用を行う事で再び利用可能となる。
脚注
- ^ 仙台空港鉄道各駅は自動改札機がPASMOに対応していないため、改札窓口で入出場処理を行う。
- ^ Business Media 誠:誠 Weekly Access Top10(2007年9月4日〜9月10日):販売再開――PASMOロボットの生みの親、知ってる?
- ^ 首都圏在住20〜34歳の話題の中心は「PASMO」! 2007年上半期M1F1グランプリ
便利だけじゃない 「PASMO」がM1、F1層に人気 - ^ 首都圏「パスモ」エリア拡大に難問...大手と中小が平行線 2009年2月3日 読売新聞
- ^ パスモ、販売制限も在庫足りず?商機逃し恨み節も/Sankei WEB 金融・経済
- ^ プレスリリース (PDF)
- ^ パスモ:販売制限「見通し甘すぎる」との批判も - 話題:MSN毎日インタラクティブ
- ^ パスモ:スイカも所持75% 併用ニーズ見誤り
- ^ 発売再開に関するパスモのプレスリリース(2007年8月7日) (PDF)
- ^ am/pmでPASMO/Suicaが利用可能に――東急電鉄と業務提携
- ^ PASMO取扱規則,使用方法及び制限事項にて規定
関連項目
外部リンク
- 株式会社パスモ - 公式ホームページ
- サービス開始に関する発表
- 電子マネーに関するリリース
- オートチャージ・対応クレジットカード発行に関するリリース
- 供用開始日の正式発表および概要
- PASMO 3月18日サービス開始(東京都交通局)
- 2007年3月18日(日) PASMO サービス開始!(東京都交通局) - 同局でのサービス概要
- PASMO概要(船橋新京成バス・習志野新京成バス・松戸新京成バス) - 同社でのサービス概要
- その他
- Suica加盟事業者のプレスリリース
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