「マスタケ」の版間の差分

|学名 = {{Snamei||Laetiporus cremeiporus}} {{AU|Y. Ota}} & {{AU|T. Hattori}} {{small|([[2010年|2010]])}}<ref name="MYCOBANK">{{Cite web|url=https://www.mycobank.org/page/Name%20details%20page/463069|title=Laetiporus cremeiporus|website=MYCOBANK Database|publisher=国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所|accessdate=2025年02月10日}}</ref>

|学名 = ''Laetiporus sulphureus'' ([[ピエール・ビュイヤール|Bull.]]) [[ウィリアム・マリル|Murrill]] (1920)

|和名 = 鱒茸

|和名 = (追記) マスタケ( (追記ここまで)鱒茸(追記) ) (追記ここまで)

}}

'''マスタケ'''(鱒茸<ref name="長沢2009"/>、[[学名]]: {{~~(削除) snamei (削除ここまで)~~|Laetiporus ~~(削除) sulphureus (削除ここまで)~~}})は、[[ツガサルノコシカケ科]][[アイカワタケ属]]の[[食用キノコ]]。傘の色が、魚の[[~~(削除) 鱒 (削除ここまで)~~]]の肉の色に似ていることから、鱒茸(ますたけ)と呼ばれる{{R|図鑑}}<ref name="瀬畑2006"/>。地方により、アカキノコ(栃木県・福島県)、アカボウ(青森県)の地方名で呼ばれている<ref name="長沢2009"/>。

'''マスタケ'''(鱒茸<ref name="長沢2009"/>、[[学名]]: {{(追記) Snamei (追記ここまで)|Laetiporus (追記) cremeiporus (追記ここまで)}})は、[[ツガサルノコシカケ科]][[アイカワタケ属]]の[[食用キノコ]]。(追記) よく目立つ (追記ここまで)傘の(追記) オレンジ (追記ここまで)色が、魚の[[(追記) マス (追記ここまで)]]の肉の色に似ていることから、鱒茸(ますたけ)と呼ばれる{{R|図鑑}}(追記) <ref name="大作2005"/> (追記ここまで)<ref name="瀬畑2006"/>。地方により、アカキノコ(栃木県・福島県)、アカボウ(追記) ・アカンボ (追記ここまで)(青森県)(追記) 、ホクチタケ、マスキノコ (追記ここまで)の地方名で呼ばれている(追記) <ref name="大作2005"/> (追記ここまで)<ref name="長沢2009"/>。

== 形態 ==

20行目: 21行目:

== 分布・生態 ==

東アジア、および西日本に分布する{{R|図鑑}}。木材腐朽菌<ref name="瀬畑2006"/>。夏から秋にかけて、[[ミズナラ]]などの広葉樹、[[カラマツ]]、[[ツガ]]などの針葉樹の生木、倒木、枯れ木の古木、切り株などに、単生または重生する<ref name="瀬畑2006"/><ref name="長沢2009"/>。多数の傘が重なり合い、根元はたいてい融合する<ref name="長沢2009"/>。

東アジア、および西日本に分布する{{R|図鑑}}。木材腐朽菌<ref name="瀬畑2006"/>。夏から秋にかけて、[[ミズナラ]]などの(追記) [[ (追記ここまで)広葉樹(追記) 林]] (追記ここまで)、[[カラマツ]]、[[ツガ(追記) ]]、[[モミ (追記ここまで)]]などの(追記) [[ (追記ここまで)針葉樹(追記) 林]] (追記ここまで)の生木、倒木、枯れ木の古木、切り株などに、単生または重生する<ref name="瀬畑2006"/><ref name="長沢2009"/>。多数の傘が重なり合い、根元はたいてい融合する<ref name="長沢2009"/>。

== 分類 ==

かつて、マスタケは東日本では~~(削除) [[ (削除ここまで)~~モミ~~(削除) ]] (削除ここまで)~~などの[[針葉樹]]に、西日本では[[シイ]]や[[カシ]]といった[[広葉樹]]に生える[[サルノコシカケ]]に類するキノコと考えられており、東日本と西日本では味が異なることが、よく知られていた{{R|図鑑}}。

かつて、マスタケは東日本ではモミなどの[[針葉樹]]に、西日本では[[シイ]]や[[カシ]]といった[[広葉樹]]に生える[[サルノコシカケ]]に類するキノコと考えられており、東日本と西日本では味が異なることが、よく知られていた{{R|図鑑}}。

この針葉樹型マスタケと広葉樹型マスタケとの[[遺伝子]]などを詳細に分析した結果、針葉樹型と広葉樹型とは種が異なると結論づけられ、広葉樹型をマスタケ、針葉樹型を{{仮リンク|ミヤママスタケ|en|Laetiporus montanus}}(深山鱒茸、学名:''Laetiporus montanus'')とに分けられた{{R|図鑑}}。

この針葉樹型マスタケと広葉樹型マスタケとの[[遺伝子]]などを詳細に分析した結果、針葉樹型と広葉樹型とは種が異なると結論づけられ、広葉樹型をマスタケ、針葉樹型を{{仮リンク|ミヤママスタケ|en|Laetiporus montanus}}(深山鱒茸、学名:(追記) (追記ここまで)''Laetiporus montanus'')とに分けられた{{R|図鑑}}。

なお、ミヤママスタケの外観は、傘の表面がオレンジ色は同じだが、下面は黄色となる{{R|図鑑}}。

== 食用・毒性 ==

食用になるキノコで、一部の地域では幼菌を食用としてきた<ref name="長沢2009"/>。子実体を触ってみて耳たぶくらいの弾力があり柔らかい、色鮮やかな若い子実体を採取する<ref name="瀬畑2006"/>。適当な大きさに切って、[[天ぷら]]や[[フライ (料理)|フライ]]にすると鶏肉のささみのような食感になる<ref name="瀬畑2006"/>。ほかに[[すき焼き]]、[[バター炒め]]、[[野菜炒め]]などにして食す<ref name="瀬畑2006"/>。火が通りにくいキノコで、生食すると中毒を起こすことがあるため十分に火を通す<ref name="瀬畑2006"/>。

食用になるキノコで、一部の地域では幼菌を食用としてきた<ref name="長沢2009"/>。子実体を触ってみて耳たぶくらいの弾力があり柔らかい、色鮮やかな若い子実体を採取する<ref name="瀬畑2006"/>。(追記) 生長しすぎたものは、木質化して食用には適さない<ref name="大作2005"/>。食用に適するかは、採取のときにナイフが通るかどうかでも確認できる<ref name="大作2005"/>。 (追記ここまで)

適当な大きさに切って、[[天ぷら]]や[[フライ (料理)|フライ]]にすると鶏肉のささみのような食感になる(追記) <ref name="大作2005"/> (追記ここまで)<ref name="瀬畑2006"/>。ほかに[[すき焼き]]、[[バター炒め]]、[[野菜炒め(追記) ]]、[[サラダ (追記ここまで)]]などにして食す(追記) <ref name="大作2005"/> (追記ここまで)<ref name="瀬畑2006"/>。火が通りにくいキノコで、生食すると中毒を起こすことがあるため十分に火を通す<ref name="瀬畑2006"/>。

[[欧米]]ではこのキノコの仲間を有毒として扱っており、日本のものも生食に近い食べ方をすると中毒を起こすことがある<ref name="長沢2009"/>。ただし、毒成分については不明とされる<ref name="長沢2009"/>。生食したときに現れる中毒症状は、[[下痢]]、[[嘔吐]]、腹痛、[[めまい]]、[[頻脈]]、方向感覚の麻痺などを引き起こすことが知られている<ref name="長沢2009"/>。

== 近似するキノコ ==

外見がよく似ているキノコに[[シロカイメンタケ]](''Pseudophaeolus soloniensis''、タマチョレイタケ科)があるが、木質化した肉質で食用にはならない<ref name="大作2005"/>。

== 出典 ==

39行目: 45行目:

<ref name="瀬畑2006">{{Cite book|和書|author=瀬畑雄三監修、家の光協会編|title=名人が教えるきのこの採り方・食べ方|publisher=[[家の光協会]]|date=2006年09月01日|isbn=4-259-56162-6|ref={{SfnRef|瀬畑雄三監修|2006}} |pages=132-133}}</ref>

<ref name="長沢2009">{{Cite book|和書|author=長沢栄史監修 Gakken 編|title=日本の毒きのこ|series=増補改訂フィールドベスト図鑑 13|publisher=[[学習研究社]]|date=2009年09月28日|isbn=978-4-05-404263-6|ref={{SfnRef|長沢栄史監修|2009}} |page=218}}</ref>

<ref name="大作2005">{{Cite book|和書|author=大作晃一|title=山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説|publisher=[[山と渓谷社]]|series=Outdoor Books 5|date=2005年09月20日|isbn=4-635-00755-3|page=89}}</ref>

}}

2025年2月12日 (水) 21:12時点における版

マスタケ

分類
界 : 菌界 Fungi 門 : 担子菌門 Basidiomycota 亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina 綱 : ハラタケ綱 Agaricomycetes 目 : タマチョレイタケ目 Polyporales 科 : アイカワタケ科 Laetiporaceae 属 : アイカワタケ属 Laetiporus 種 : マスタケ L. cremeiporus
学名
Laetiporus cremeiporus Y. Ota & T. Hattori (2010)^[1]
和名
マスタケ(鱒茸)

マスタケ(鱒茸^[2]、学名: Laetiporus cremeiporus)は、ツガサルノコシカケ科アイカワタケ属の食用キノコ。よく目立つ傘のオレンジ色が、魚のマスの肉の色に似ていることから、鱒茸(ますたけ)と呼ばれる^[3]^[4]^[5]。地方により、アカキノコ(栃木県・福島県)、アカボウ・アカンボ(青森県)、ホクチタケ、マスキノコの地方名で呼ばれている^[4]^[2]。

形態

子実体は非常に大型で、傘は径20 - 50センチメートル (cm) にもなり、半円形、扇形、イチョウ形などさまざまな形に例えられる^[5]。傘の表面色は鱒の身にも例えられる鮮やかなオレンジ色で、やがて生長すると退色して全体が白っぽくなる^[5]^[2]。はじめ木に近い部分がオレンジ色で、縁に近い部分が淡い肌色をしている^[2]。ふつう淡い環紋状の濃淡がある^[2]。傘下面は管孔状で、はじめはクリーム色、のちに傘表面より淡色の淡紅色を帯びる^[2]^[3]。肉は若いうちは柔らかいが、次第に堅くなってきて、のちにもろく砕けやすくなる^[5]^[2]。

分布・生態

東アジア、および西日本に分布する^[3]。木材腐朽菌^[5]。夏から秋にかけて、ミズナラなどの広葉樹林、カラマツ、ツガ、モミなどの針葉樹林の生木、倒木、枯れ木の古木、切り株などに、単生または重生する^[5]^[2]。多数の傘が重なり合い、根元はたいてい融合する^[2]。

分類

かつて、マスタケは東日本ではモミなどの針葉樹に、西日本ではシイやカシといった広葉樹に生えるサルノコシカケに類するキノコと考えられており、東日本と西日本では味が異なることが、よく知られていた^[3]。

この針葉樹型マスタケと広葉樹型マスタケとの遺伝子などを詳細に分析した結果、針葉樹型と広葉樹型とは種が異なると結論づけられ、広葉樹型をマスタケ、針葉樹型をミヤママスタケ (英語版)(深山鱒茸、学名: Laetiporus montanus)とに分けられた^[3]。

なお、ミヤママスタケの外観は、傘の表面がオレンジ色は同じだが、下面は黄色となる^[3]。

食用・毒性

食用になるキノコで、一部の地域では幼菌を食用としてきた^[2]。子実体を触ってみて耳たぶくらいの弾力があり柔らかい、色鮮やかな若い子実体を採取する^[5]。生長しすぎたものは、木質化して食用には適さない^[4]。食用に適するかは、採取のときにナイフが通るかどうかでも確認できる^[4]。

適当な大きさに切って、天ぷらやフライにすると鶏肉のささみのような食感になる^[4]^[5]。ほかにすき焼き、バター炒め、野菜炒め、サラダなどにして食す^[4]^[5]。火が通りにくいキノコで、生食すると中毒を起こすことがあるため十分に火を通す^[5]。

欧米ではこのキノコの仲間を有毒として扱っており、日本のものも生食に近い食べ方をすると中毒を起こすことがある^[2]。ただし、毒成分については不明とされる^[2]。生食したときに現れる中毒症状は、下痢、嘔吐、腹痛、めまい、頻脈、方向感覚の麻痺などを引き起こすことが知られている^[2]。

近似するキノコ

外見がよく似ているキノコにシロカイメンタケ(Pseudophaeolus soloniensis、タマチョレイタケ科)があるが、木質化した肉質で食用にはならない^[4]。

出典

^ "Laetiporus cremeiporus". MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年2月10日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m 長沢栄史監修 Gakken 編『日本の毒きのこ』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日、218頁。ISBN 978-4-05-404263-6。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 大作晃一、吹春俊光、吹春公子「「マスタケ」の味の違いは、種の違いにあった」『おいしいきのこ毒きのこハンディ図鑑』主婦の友社、2016年、231頁。ISBN 978-4074168415。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 大作晃一『山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説』山と渓谷社〈Outdoor Books 5〉、2005年9月20日、89頁。ISBN 4-635-00755-3。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j 瀬畑雄三監修、家の光協会編『名人が教えるきのこの採り方・食べ方』家の光協会、2006年9月1日、132-133頁。ISBN 4-259-56162-6。