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「寓話」の版間の差分

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'''寓話'''(ぐうわ)とは、[[比喩]]によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ(削除) 、 (削除ここまで)それによって諭すことを意図した[[物語]](削除) 。 (削除ここまで)名指しされることのない、つまりは名無しの登場者は、動物、(削除) 静 (削除ここまで)物、自然現象など様々(削除) だ (削除ここまで)が、必ず[[擬人化]]されている(削除) 。 (削除ここまで)主人公が、もしくは主人公と敵対者が、ある結果をひき起こしたり、ある出来事に遭遇する始末を表現する本筋は、なぞなぞと同様な文学的構造を持ち、面白く、不可解な印象を与えることによって読者の興味をひき、解釈の方向を[[道徳]]的な訓話に向ける特性を持つ。民話によく見られるように、物語の語り末には(削除) 、 (削除ここまで)[[寓意]]的な解釈を付け加えることが習慣的に行われてきた。
'''寓話'''(ぐうわ(追記) 、{{lang-en-short|allegory, fable}} (追記ここまで))とは、[[(追記) 転義| (追記ここまで)比喩]]によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ(追記) 、 (追記ここまで)それによって諭すことを意図した[[物語]](追記) 。 (追記ここまで)名指しされることのない、つまりは名無しの登場者は、動物、(追記) 植 (追記ここまで)物、自然現象など様々(追記) である (追記ここまで)が、必ず[[擬人化]]されている(追記) 。 (追記ここまで)主人公が、もしくは主人公と敵対者が、ある結果をひき起こしたり、ある出来事に遭遇する始末を表現(追記) したり (追記ここまで)する本筋は、なぞなぞと同様な文学的構造を持ち、面白く、不可解な印象を与えることによって読者の興味をひき、解釈の方向を[[道徳]]的な訓話に向ける特性を持つ。(追記) [[ (追記ここまで)民話(追記) ]] (追記ここまで)によく見られるように、物語の語り末には[[(追記) アレゴリー| (追記ここまで)寓意]]的な解釈を付け加えることが習慣的に行われてきた。


==歴史==(削除) (削除ここまで)
==(追記) (追記ここまで)歴史(追記) (追記ここまで)==
===(削除) = (削除ここまで)古代オリエント(削除) = (削除ここまで)===
===(追記) (追記ここまで)古代オリエント(追記) (追記ここまで)===
寓話は、[[神話]]と同様にとても古い文献に発見されている。現時点では[[古代オリエント]]のものが最も古い。[[古代ギリシア|古代ギリシャ]]・[[古代ローマ|ローマ]]以前の寓話は、[[アイソーポス]](イソップ)以前の寓話 Ante-Aesopic fable と総称されている。19世紀後半から古代オリエントの[[楔形文字]]が解読され、1931年に[[ドイツ]]の[[アッシリア]]学者エーベリングがいくつかの文献をまとめて「[[バビロニア]]の寓話」として訳した<ref>Ebeling, ''Die Babylonishe Fabel und ihre Bedeutung für die Literaturgeschichte'' (1931).</ref>。その後も文献は発掘されたが、寓話の研究は衰えた。


(削除) 寓話は、[[神話]] と同様にとても古い文献に発見されている。現時点では[[古代オリエント]]のものが最も古い。古代[[ギリシャ]]・[[ローマ]]以前の寓話は、イソップ以前の寓話 Ante-Aesopic fable と総称されている。19世紀後半から古代[[オリエント]]の楔形文字が解読され、1931年にドイツのアッシリア学者エーベリングがいくつかの文献をまとめて「バビロニアの寓話」として訳した<ref>Ebeling, ''Die Babylonishe Fabel und ihre Bedeutung für die Literaturgeschichte'' (1931).</ref>。その後も文献は発掘されたが、寓話の研究は衰えた。 (削除ここまで)最近ではアキモトの研究が[[ヴァンダービルト大学]]から発表されているのみである。彼の研究によると、(削除) [[ (削除ここまで)古代オリエント(削除) ]] (削除ここまで)([[メソポタミア]]、エジプト、地中海東岸、[[アナトリア]])では、寓話は(削除) 、 (削除ここまで)口承文学として文字以前からあり、文字の発達とともに粘土板にも現れた。[[シュメール語]]や[[アッカド語]]の短い寓話が、[[諺]]やその他の民話といっしょに収集された粘土板は、そのほとんどが学校の遺跡から発見されている。(削除) [[ヒッタイト語]]と[[フルリ語]]のバイリンガルで残る寓話集は、神話と伝説の中にもりこまれていて、ある話し手が次から次へと寓話を語っては解釈して聞かせていくという形式をとっている最も古いもので、ヒッタイト版が、紀元前1400頃、その原本となったフル人の寓話は、もっと古く紀元前16から17世紀頃のものと推定されている。 Ninurta-uballitsu ニヌルタ・ウバルリトゥスウの古代アッシリア寓話集は、紀元前883年に完成と記されていて、編纂者名前と編纂年の判明している最古の寓話集である。古代[[アッシリア]]王家の書簡の中にも寓話を使ったものが発見されている<ref>Kazya Akimoto, Ante-Aesopica: Fable Traditions of Ancient Near East. (Vanderbilt University: 2010, UMI/ProQuest AAT 3441951)</ref>。 (削除ここまで)
最近ではアキモトの研究が[[ヴァンダービルト大学]]から発表されているのみである。彼の研究によると、古代オリエント([[メソポタミア]]、(追記) [[ (追記ここまで)エジプト(追記) ]] (追記ここまで)(追記) [[ (追記ここまで)地中海(追記) ]] (追記ここまで)東岸、[[(追記) アナトリア半島| (追記ここまで)アナトリア]])では、寓話は(追記) [[ (追記ここまで)口承文学(追記) ]] (追記ここまで)として文字以前からあり、文字の発達とともに(追記) [[ (追記ここまで)粘土板(追記) ]] (追記ここまで)にも現れた。[[シュメール語]]や[[アッカド語]]の短い寓話が、[[(追記) ことわざ| (追記ここまで)諺]]やその他の民話といっしょに収集された粘土板は、そのほとんどが学校の遺跡から発見されている。


[[ヒッタイト語]]と[[フルリ語]]の[[多言語#話者|バイリンガル]]で残る寓話集は、神話と伝説の中に盛り込まれていて、ある話し手が次から次へと寓話を語っては解釈して聞かせていくという形式をとっている最も古いもので、ヒッタイト版が紀元前1400年頃、その原本となったフル人の寓話はもっと古く、紀元前16から17世紀頃のものと推定されている。Ninurta-uballitsu ニヌルタ・ウバルリトゥスウの古代アッシリア寓話集は、紀元前883年に完成と記されていて、編纂者名前と編纂年の判明している最古の寓話集である。古代アッシリア王家の書簡の中にも寓話を使ったものが発見されている<ref>Kazya Akimoto, Ante-Aesopica: Fable Traditions of Ancient Near East. (Vanderbilt University: 2010, UMI/ProQuest AAT 3441951)</ref>。
===(削除) = (削除ここまで)古代ギリシャ(削除) = (削除ここまで)===


===(追記) (追記ここまで)古代ギリシャ(追記) (追記ここまで)===
寓話と(削除) い (削除ここまで)えば[[イソップ寓話]]である。彼の名を冠する寓話がこのギリシャ人の作品であるかは不明で、[[ヘロドトス]]の記述外での彼の歴史的な存在も確かではないにせよ、紀元前6世紀以降の寓話は、イソップの寓話 Aesop's fable またはイソップ的寓話(削除) (削除ここまで)Aesopic fable と総称されている。伝説的イソップと文芸ジャンルとしての寓話は、[[ローマ]](削除) 、 (削除ここまで)[[(削除) ビザンチン (削除ここまで)]]の寓話収集家(削除) 及 (削除ここまで)び作家の手によりギリシャ語とラテン語の文献が伝承された。
寓話と(追記) 言 (追記ここまで)えば[[イソップ寓話]]である。彼の名を冠する寓話がこの(追記) [[ (追記ここまで)ギリシャ人(追記) ]] (追記ここまで)の作品であるかは不明で、[[ヘロドトス]]の記述外での彼の歴史的な存在も確かではないにせよ、紀元前6世紀以降の寓話は、イソップの寓話 Aesop's fable またはイソップ的寓話(追記) (追記ここまで)Aesopic fable と総称されている。伝説的イソップと文芸ジャンルとしての寓話は、[[(追記) 古代ローマ| (追記ここまで)ローマ]](追記) と (追記ここまで)[[(追記) 東ローマ帝国|東ローマ (追記ここまで)]]の寓話収集家(追記) およ (追記ここまで)び作家の手により(追記) [[ギリシア語| (追記ここまで)ギリシャ語(追記) ]] (追記ここまで)(追記) [[ (追記ここまで)ラテン語(追記) ]] (追記ここまで)の文献が伝承された。


===(削除) = (削除ここまで)インド(削除) = (削除ここまで)===
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===(追記) (追記ここまで)欧州(追記) (追記ここまで)===
パンチャタントラ(削除) (wiki英 Panchtantra)と呼ばれる仏教の本 (削除ここまで)では、釈迦が生まれ変わるたびに色々な動物として暮らす話を教訓的な寓話として表現している<ref>Dharma, Krishna (transl.) Panchatantra - A vivid retelling of India's most famous collection of fables (2004: Badger CA, USA: Torchlight Publishing: ISBN 978-1-887089-45-6)</ref>。(削除) (削除ここまで)
ギリシャ語とラテン語を読(追記) み (追記ここまで)書きする(追記) [[ (追記ここまで)キリスト教(追記) ]] (追記ここまで)の聖職者によ(追記) り、 (追記ここまで)寓話は(追記) [[中世]]から[[ルネサンス]]期を通じて (追記ここまで)(追記) け (追記ここまで)継がれた。[[(追記) ヨハネス・グーテンベルク| (追記ここまで)グーテンベルグ]]の(追記) [[ (追記ここまで)印刷機(追記) ]] (追記ここまで)の発明のすぐ後に、(追記) {{仮リンク| (追記ここまで)ハイリッヒ・シュタインヘーベル(追記) |en|Heinrich Steinhöwel}} (追記ここまで)がラテン語と(追記) [[ (追記ここまで)ドイツ語(追記) ]] (追記ここまで)のバイリンガルによる「エソプス」という題の寓話集を出版してから民間に広まっていった。(追記) [[ (追記ここまで)近世(追記) ]] (追記ここまで)には個性的な寓話作家も現れ(追記) 、 (追記ここまで)[[ジェフリー・チョーサー|チョーサー]](追記) や (追記ここまで)[[ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ|ラ・フォンテーヌ]]などの作品はよく知られている。


[[英語|英]]{{Lang-fr-short|Fable}}{{Fontsize|0.77em|([[:en:Fable|英語版]])([[:fr:Fable|フランス語版]])}}, {{Lang-de-short|Fabel}}{{Fontsize|0.77em|([[:de:Fabel|ドイツ語版]])}}, {{Lang-it-short|Favola}}{{Fontsize|0.77em|([[:it:Favola|イタリア語版]])}}, {{Lang-es-short|Fábula}}{{Fontsize|0.77em|([[:es:Fábula|スペイン語版]])}}などの各言語版[[ウィキペディア]]にある寓話の記事には、国ごとの寓話の発展が記されている。
===(削除) = (削除ここまで)欧州(削除) = (削除ここまで)===


===(追記) (追記ここまで)日本(追記) (追記ここまで)===
(削除) 中世から[[ルネサンス]]期を通じて (削除ここまで)ギリシャ語とラテン語を読書きするキリスト教の聖職者によ(削除) って (削除ここまで)寓話は受継がれた。[[グーテンベルグ]]の印刷機の発明のすぐ後に、(削除) [[ (削除ここまで)ハイリッヒ・シュタインヘーベル(削除) ]] (削除ここまで)がラテン語とドイツ語のバイリンガルによる「エソプス」という題の寓話集を出版してから民間に広まっていった。近世には(削除) 、 (削除ここまで)個性的な寓話作家も現れ(削除) て (削除ここまで)[[ジェフリー・チョーサー|チョーサー]](削除) 、 (削除ここまで)[[ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ|ラ・フォンテーヌ]]などの作品はよく知られている。
イソップは、[[日本]]における寓話の祖先でもある。16世紀の[[キリシタン]](切支丹)によって欧文から[[日本語]]に翻訳された『伊曾保物語』は、イソップ寓話を基にした寓話集である<ref>[https://www.nijl.ac.jp/koten/kokubun1000/1000ri.html 国文学研究資料館 『伊曽保物語』]</ref>。なお、『イソホノファビュラス』の[[ローマ字]]版は、[[大英博物館]]に所蔵されている。


== 寓話的な(追記) 著 (追記ここまで)(追記) を書いた (追記ここまで)作家の例 ==
→英仏 fable、 独 Fabel、伊 Favola 西 Fábula など各国語のウィキペディアでは、国ごとの寓話の発展が記載されているので参照。
文学における「寓話的」表現とは、寓話と同様な比喩を使うことで、作品を楽しく読めるように面白おかしくし、本質的な作品の意図を隠す手法である。実際(追記) に (追記ここまで)は、一般に[[アレゴリー]]を「寓話的な表現」と邦訳して(追記) 、 (追記ここまで)ジャンルの区別がないままに使われている。以下に挙げる作家は、イソップやラ・フォンテーヌなどの専門的な寓話作家ではないことに注意(追記) が必要である (追記ここまで)

* [[安部公房]]
===(削除) = (削除ここまで)日本(削除) = (削除ここまで)===
*(追記) (追記ここまで)[[宮沢賢治]]

*(追記) (追記ここまで)[[星新一]]
イソップは日本の寓話にとってもやはり元祖である。[[アイソーポス]](イソップ)の寓話として[[伊曾保物語]]は、16世紀の[[切支丹]]によって日本語に翻訳され、しかも印刷されている(イソホノファビュラスのローマ字版は、現在 大英博物館蔵)。
*(追記) (追記ここまで)[[時雨沢恵一]]

*(追記) (追記ここまで)[[イヴァン・クルィロフ]]

*(追記) (追記ここまで)[[フランツ・カフカ]]
====参考文献====
*(追記) (追記ここまで)[[ホルヘ・ルイス・ボルヘス]]
*(追記) (追記ここまで)[[カレル・チャペック]]
*(追記) (追記ここまで)[[ジョージ・オーウェル]]
*(追記) (追記ここまで)[[アマドゥ・クルマ]]
*(追記) (追記ここまで)[[イタロ・カルヴィーノ]]
*(追記) (追記ここまで)[[スタニスワフ・レム]]
*(追記) (追記ここまで)[[スワヴォーミル・ムロージェク]]
*(追記) (追記ここまで)[[シャーリイ・ジャクスン]]
*(追記) (追記ここまで)[[パトリシア・ハイスミス]]
*(追記) (追記ここまで)[[アンジェラ・カーター]]
*(追記) (追記ここまで)[[ジャック・ウォマック]]
*(追記) (追記ここまで)[[アンドレイ・クルコフ]]
*(追記) (追記ここまで)[[エーリッヒ・ケストナー]]
*(追記) (追記ここまで)[[ベンジャミン(追記) ・ (追記ここまで)エルキン]]


== 出典 ==
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== 寓話的な作(削除) 品がある (削除ここまで)作家の例 ==
文学における「寓話的」表現とは、寓話と同様な比喩を使うことで、作品を楽しく読めるように面白おかしくし、本質的な作品の意図を隠す手法である。実際は、一般に[[アレゴリー]]を「寓話的な表現」と邦訳してジャンルの区別がないままに使われている。以下(削除) 、例 (削除ここまで)に挙げ(削除) られ (削除ここまで)る作家は、イソップやラ・フォンテーヌなどの専門的な寓話作家ではないことに注意。

*[[宮沢賢治]]
*[[星新一]]
*[[時雨沢恵一]]

*[[イヴァン・クルィロフ]]
*[[フランツ・カフカ]]
*[[ホルヘ・ルイス・ボルヘス]]
*[[カレル・チャペック]]
*[[ジョージ・オーウェル]]
*[[アマドゥ・クルマ]]
*[[イタロ・カルヴィーノ]]
*[[スタニスワフ・レム]]
*[[スワヴォーミル・ムロージェク]]
*[[シャーリイ・ジャクスン]]
*[[パトリシア・ハイスミス]]
*[[アンジェラ・カーター]]
*[[ジャック・ウォマック]]
*[[アンドレイ・クルコフ]]
*[[エーリッヒ・ケストナー]]
*[[ベンジャミン(削除) · (削除ここまで)エルキン]]


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{ウィキポータルリンク|文学|[[画像:Open book 01.svg|36px]]}}
{{ウィキポータルリンク|文学|[[画像:Open book 01.svg|36px]]}}
* [[説話]] - [[民話]]、[[昔話]]、[[神話]]
*[[(削除) 格言 (削除ここまで)]]
*[[(削除) 比喩 (削除ここまで)]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 童話 (追記ここまで)]]
* [[知恵文学]](機知文学)
*[[挿話]]
*[[(削除) 逸話 (削除ここまで)]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 戯作 (追記ここまで)]]
*[[(削除) 引用 (削除ここまで)]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 祭文 (追記ここまで)]]
* [[アレゴリー]] - [[たとえ話]]
*[[民話]]
*(追記) [[転義|比喩]]、 (追記ここまで)[[風刺|諷刺]]
*[[昔話]]
*[[(削除) 神話 (削除ここまで)]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 引用 (追記ここまで)]]
* [[エピソード]](挿話)
*[[戯作]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 逸話 (追記ここまで)]]
*[[祭文]](ノート:祭文を参照)
*[[(削除) アレゴリー (削除ここまで)]](削除) (削除ここまで)
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) ことわざ|諺 (追記ここまで)]]
*[[(削除) 諺 (削除ここまで)]]
*(追記) (追記ここまで)[[(追記) 格言 (追記ここまで)]]
*[[童話]]
*[[風刺|諷刺]](削除) (削除ここまで)
*[[機知文学]]([[:en: wisdom literature]])


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[[Category:寓話|*]]
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[[Category:児童文学]]
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2024年3月20日 (水) 03:30時点における最新版

曖昧さ回避 寓話 (エル・グレコ)」とは異なります。

寓話(ぐうわ、: allegory, fable)とは、比喩によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭すことを意図した物語。名指しされることのない、つまりは名無しの登場者は、動物、植物、自然現象など様々であるが、必ず擬人化されている。主人公が、もしくは主人公と敵対者が、ある結果をひき起こしたり、ある出来事に遭遇する始末を表現したりする本筋は、なぞなぞと同様な文学的構造を持ち、面白く、不可解な印象を与えることによって読者の興味をひき、解釈の方向を道徳的な訓話に向ける特性を持つ。民話によく見られるように、物語の語り末には寓意的な解釈を付け加えることが習慣的に行われてきた。

歴史

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古代オリエント

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寓話は、神話と同様にとても古い文献に発見されている。現時点では古代オリエントのものが最も古い。古代ギリシャローマ以前の寓話は、アイソーポス(イソップ)以前の寓話 Ante-Aesopic fable と総称されている。19世紀後半から古代オリエントの楔形文字が解読され、1931年にドイツアッシリア学者エーベリングがいくつかの文献をまとめて「バビロニアの寓話」として訳した[1] 。その後も文献は発掘されたが、寓話の研究は衰えた。

最近ではアキモトの研究がヴァンダービルト大学から発表されているのみである。彼の研究によると、古代オリエント(メソポタミアエジプト地中海東岸、アナトリア)では、寓話は口承文学として文字以前からあり、文字の発達とともに粘土板にも現れた。シュメール語アッカド語の短い寓話が、やその他の民話といっしょに収集された粘土板は、そのほとんどが学校の遺跡から発見されている。

ヒッタイト語フルリ語バイリンガルで残る寓話集は、神話と伝説の中に盛り込まれていて、ある話し手が次から次へと寓話を語っては解釈して聞かせていくという形式をとっている最も古いもので、ヒッタイト版が紀元前1400年頃、その原本となったフル人の寓話はもっと古く、紀元前16から17世紀頃のものと推定されている。Ninurta-uballitsu ニヌルタ・ウバルリトゥスウの古代アッシリア寓話集は、紀元前883年に完成と記されていて、編纂者名前と編纂年の判明している最古の寓話集である。古代アッシリア王家の書簡の中にも寓話を使ったものが発見されている[2]

古代ギリシャ

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寓話と言えばイソップ寓話である。彼の名を冠する寓話がこのギリシャ人の作品であるかは不明で、ヘロドトスの記述外での彼の歴史的な存在も確かではないにせよ、紀元前6世紀以降の寓話は、イソップの寓話 Aesop's fable またはイソップ的寓話 Aesopic fable と総称されている。伝説的イソップと文芸ジャンルとしての寓話は、ローマ東ローマの寓話収集家および作家の手によりギリシャ語ラテン語の文献が伝承された。

インド

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サンスクリットで書かれた説話集『パンチャタントラ』では、釈迦が生まれ変わるたびに色々な動物として暮らす話を、教訓的な寓話として表現している[3]

欧州

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ギリシャ語とラテン語を読み書きするキリスト教の聖職者により、寓話は中世からルネサンス期を通じて受け継がれた。グーテンベルグ印刷機の発明のすぐ後に、ハイリッヒ・シュタインヘーベル (英語版)がラテン語とドイツ語のバイリンガルによる「エソプス」という題の寓話集を出版してから民間に広まっていった。近世には個性的な寓話作家も現れ、チョーサーラ・フォンテーヌなどの作品はよく知られている。

: Fable(英語版)(フランス語版), : Fabel(ドイツ語版), : Favola(イタリア語版), 西: Fábula(スペイン語版)などの各言語版ウィキペディアにある寓話の記事には、国ごとの寓話の発展が記されている。

日本

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イソップは、日本における寓話の祖先でもある。16世紀のキリシタン(切支丹)によって欧文から日本語に翻訳された『伊曾保物語』は、イソップ寓話を基にした寓話集である[4] 。なお、『イソホノファビュラス』のローマ字版は、大英博物館に所蔵されている。

寓話的な著作を書いた作家の例

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文学における「寓話的」表現とは、寓話と同様な比喩を使うことで、作品を楽しく読めるように面白おかしくし、本質的な作品の意図を隠す手法である。実際には、一般にアレゴリーを「寓話的な表現」と邦訳して、ジャンルの区別がないままに使われている。以下に挙げる作家は、イソップやラ・フォンテーヌなどの専門的な寓話作家ではないことに注意が必要である。

出典

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  1. ^ Ebeling, Die Babylonishe Fabel und ihre Bedeutung für die Literaturgeschichte (1931).
  2. ^ Kazya Akimoto, Ante-Aesopica: Fable Traditions of Ancient Near East. (Vanderbilt University: 2010, UMI/ProQuest AAT 3441951)
  3. ^ Dharma, Krishna (transl.) Panchatantra - A vivid retelling of India's most famous collection of fables (2004: Badger CA, USA: Torchlight Publishing: ISBN 978-1-887089-45-6)
  4. ^ 国文学研究資料館 『伊曽保物語』

関連項目

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キャラクター
プロット
設定
主題 (英語版)
文体
物語構造 (英語版)
形式
ジャンル (英語版)
語り手
時制
関連項目

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