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[画像:秘伝・ポテトサラダ]

ジャガイモは、1年中、日本のどこかで栽培されていますが、この時期は長崎産の新ジャガがとくにおいしいです。刃物を使わなくとも、たわしでていねいにこすれば、皮が薄いので簡単に剥けます。ポテトサラダを作りましょうよ。子どものころから慣れ親しんだやさしい口当たりと、キュウリのさわやかな歯ごたえ、たくさん作って朝に夕に、何度食べても飽きないのですね。だれにも作れそうなものこそ、秘伝を持っていると得意満面。しろまるしろまるさんちのポテトサラダ、家庭の数ほど、人の数ほど作り方もちがうことでしょう。

[材料]

ジャガイモ 大4個
キュウリ 2本
タマネギのみじん切り 大さじ1杯
粒マスタード 大さじ1杯
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2杯
卵の黄身 1個分
塩、黒胡椒

[作り方]

流水のもとで、ジャガイモを亀の子たわしでごしごしこすって泥汚れを落とします。勢い余って薄皮がところどころむけても気にしないで。圧力なべに水をカップ1杯半ほど入れて、蒸し皿の上にジャガイモを並べて、蓋を閉めて強火にします。シューッと蒸気を噴いたら火を弱めて、15〜20分ほど蒸します。絶えず蒸気の音のする状態を保ちながら。

その間にキュウリに塩を擦りこみます。しばらく置いて、皮がしんなりしてきたら塩を洗い流して、ヘタを切り落とし、薄切りにします。ボウルにキュウリを入れて、スプーン1杯くらいの塩を手でやさしくまぶして放置します。さわってみてしんなりしてきたら、手でぎゅっと絞ります。このままでは塩が強すぎるので、水を張ったボウルに放ち、ささっと手でかき集めてかた絞りにします。歯ごたえのよいキュウリの塩揉みが出来上がりました。

大きなボウルに、粒マスタード、タマネギのみじん切り、オリーブオイル、塩ひとつまみ、黒胡椒を挽いて、卵黄を加え、勢いよくかき混ぜてドレッシングを作ります。

ジャガイモが蒸しあがったら、熱いうちにひとつずつ皿の上に置いて薄皮をむきます。剥いた順にジャガイモを丸ごとドレッシングのボウルに入れて、そのつど木べらで突き崩しながらドレッシングをからめます。こうすることで、卵の黄身がジャガイモに熱せられてねっとりしてきます。ジャガイモを全部入れたら、まんべんなくドレッシングがからむように、でも、ところどころジャガイモのほくほく感を残すために、ざっくりと混ぜて。

最後にキュウリの塩揉みを加えて、木べらで切るようにして全体になじむように混ぜます。出来上がり。

たっぷりありますから、好きなだけ皿にとって何度もおかわりしてね。残ったら常温まで冷まして、布巾を掛けてラップして冷蔵庫で保存します。夜作ったら、次の朝はトーストやバンズにはさんでポテトサンドはいかが。でもお昼までは保ちません。生卵はとても不安定なのです。作ってから冷蔵保存で半日を目安に、早めに食べきってください。

サイドメニュー トップ 関連コラム もうひとこと

  • 今回は粒マスタードが味の決め手です。いちばん美味しいのはフランス『BEAUFOR』社のムータルド・アンシエンヌ。酢と粒入りマスタードと塩だけで作られたものです。もうひとつはフランス『EDMOND FALLOT』社のナチュラルシードマスタード。粒マスタードとホワイトワイン、酢と塩、砂糖、スパイスが入っています。粒マスタードには、輸入も国産も含めてたくさんの商品があり、ドレッシングにしたときに、苦みが強く出てしまうものもありましたので、とくに本場フランスの銘柄を指定しました。

  • 胡椒は西洋料理に欠かせないものですが、なかには魚や肉の臭み消しと思われている方も多いことでしょう。しかしながらそれは大きな誤解で、スパイスへのまちがったアプローチです。あらかじめ挽いた粉胡椒と、粒胡椒をミルで挽いたものでは、香りが断然ちがいます。いちど粒胡椒を挽いてみれば、素材の持ち味が生かされて新鮮な香りがたって、なるほど、塩と胡椒のほかに、なんの調味料が必要だろうかと実感します。
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