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[画像:王様のベッドから学ぶこと]

中世の王様やお姫様でさえ、広すぎるベッドルームではよく眠れないのか、わざわざ天蓋つきのベッドにして、ベッドのまわりを布で覆ってあります。広いベッドルームが夢だという人には水をさすようですが、新築の計画をするときには、このことを思い出してください。実際、私たちは狭くて天井の低いところのほうが、親しみやすく安心できるのです。布団にもぐる癖のある人、蚊帳の内やコクーン(カイコなどのまゆ)願望の人、思い当たるでしょう? 穴のなかで生活していた先祖の名残りでしょうか。

王様やお姫様のように天蓋つきのベッドにする代わりに、ベッドルームそのものを思い切り狭い部屋にしたらどうでしょう。たとえばベッドを中央に据えて、周囲にベッドメイキングに支障ない程度のゆとりがあればいいわけです。天蓋の代わりに、壁と天井に連続するように、美しい花のプリントのある壁紙やテキスタイルを張るといった贅沢も、狭い部屋でなら可能でしょう。

狭いベッドルームのメリットは、暖房も冷房も効率がいいことです。以前にもいいましたが、寝しなの快適さが大事、眠ってしまえばわからない。眠る30分前に、真夏は冷房を強くして、真冬は暖房を強くして、寝る直前に暖冷房を切っても、寝具が乾燥したらそれだけで気持ちよく眠りにつけます。

部屋は狭くとも窓は必須です。空気の流れがないと息苦しくて眠れません。朝日が入る位置にあれば、目覚めの良さもさることながら、春夏には心地よい風が入り、秋冬にはぽかぽかと暖かい朝を迎えられます。ベッドメイキングの際の空気の入れ替えはもちろんのこと、雨の音やすきま風を感じながらベッドにいる幸せ感はいいものです。

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  • キャノピー、あるいはフォーポスターズ(4本の柱)などがあります。冬にはゴブラン織、あるいは絹織物、夏には透けるオーガンジーでベッドの天や周囲を覆います。冬の布はドレープを寄せて空気の層を作ることで暖かく保ち、外の雑音を吸収してくれます。夏は、透けるような薄い布が空気を通して、虫除けにもなり蚊帳の役目を果たします。それにもまして、薄布越しの風景は涼しげで魅惑的です。
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