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[画像:キッチンの壁]

キッチンの壁を考えるときには、まっさきに水濡れ、こぼし汁などの汚れ、油はねの汚れを考えなくてはなりません。キッチンを活用すればするほど、この問題は最優先となります。水濡れは放っておくと水分中のカルキ成分が白い斑になって残り、乾いてしまってからではなかなか落ちません。ケチャップやソースの汚れは時間がたつとシミになります。そして油汚れ。熱せられたはね油は高温ですし、微粒子が空気中に舞って隅々まで広がり、冷めれば粘性があるので、そこにホコリやカーボンが付着して、さらなる汚れを呼びます。

調理をする場所の壁は、タイル、磨いた石材、ステンレスなどが実用的です。滑面は汚れが付着しやすいですが、取り除きやすい。熱や摩耗に強く傷つきにくい。そして表面が冷たいのでカビが生えにくい。とくに金属は菌の繁殖を防ぐ利点があります。

カウンターと同じ素材をある高さまで立ち上げれば、ディスプレイを兼ねたワークトップとなり、実用と装飾を兼ねます。立ち上がり部分はシンクの水はねよけにもなります。さらに、この立ち上げ部分を少し壁から浮かせることによって生じる段差は、奥行きの浅い水平棚のように使え、配線カバーとしての役目も果たせます。いまどきの電化型キッチンにたくさん欲しいコンセントやスイッチも、この立ち上がり面のラインを生かしてディスプレイします。そうすれば操作性もよく、見た目も美しくなります。

それ以外の壁や天井はペンキ塗りやビニールクロスの壁でもよいし、ダイニングに続くのであれば、その天井や壁に準じたほうが一体感があっていいでしょう。

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  • 横に長く、奥行きの浅い水平棚があるとキッチンが楽しくなります。腰壁や壁の立ち上がり部、窓枠なども利用できます。カレンダーや時計、タイマー、クックブック、メモ帳、写真たて、額縁などを置くことができます。必要なものはいつでも見やすく、料理するときはこころ優しい気持ちで向かうために、思い出の品を並べたり......。

  • たとえばスイッチやコンセントなど、好き勝手にいろんな場所にいろんな形や色のものを取りつけると空間全体がだらしなく、締まりのない印象になります。「ディスプレイ」とは、一般的には陳列ケースにものを展示することだと考えられていますが、ここでは使いやすくわかりやすく表示するという意味で使っています。取りつける場所はちがっても高さを統一することで使いやすくなりますし、プレートを同じもので統一すれば気が利いて見えます。
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