春夕焼メバル章魚いか黒目族
須山つとむ
船団
199811
幸福は愛あることよ春夕焼
平保子
いろり
199904
影となる大島小島春夕焼
山田京子
俳句通信
199905
春夕焼漁船に群れし鴎どち
山田京子
俳句通信
199905
点滴に眠り誘はる春夕焼
相沢有理子
風土
199906
潮満ちる珊瑚の海や春夕焼
河合朋子
春耕
199906
春夕焼魞の衣手染め尽す
渡邊千枝子
馬醉木
200004
金閣に燃えつきしかな春夕焼
遠藤若狭男
狩
200004
春夕焼音立て噛るフランスパン
宮津昭彦
濱
200004
春夕焼染む大仏の大き御手
樺山翠
雨月
200006
母に似て指から老いて春夕焼
芹沢愛子
海程
200006
春夕焼とうとう赤ん坊釣れました
村山半信
海程
200007
春夕焼漂泊のごと談合の衆
阿辺一葉
海程
200009
春夕焼け心の傷の疼くころ
栢森定男
あを
200105
鳰遠くに一羽春夕焼
小泉洋一
円虹
200106
丘に佇ち春夕焼の海抱く
小澤克己
遠嶺
200106
泊船のロシヤ民謡春夕焼
瀬尾幸代
苑
200107
逆あがり会得の血まめ春夕焼
伊佐利子
海程
200107
春夕焼指の先まで染めにけり
熊谷みどり
いろり
200107
首里城の石敢当に春夕焼
宮城菊子
濱
200107
ビッグベン春夕焼を告げてをり
高瀬チエ子
遠嶺
200107
子の肩のまた高くなり春夕焼
祐森弥香
遠嶺
200107
岩を噛むしぶきに映ゆる春夕焼
越智秀子
雲の峰
200204
朱雀とは赤き雀か春夕焼
大関靖博
沖
200204
局長の鞄重たし春夕焼
河田青嵐
風土
200205
春夕焼尿せる父ささへをり
城孝子
火星
200205
大淀も蓮如の寺も春夕焼
朝妻力
雲の峰
200205
露天の湯春夕焼けに首一つ
松村富子
苑
200206
肩ぐるま春夕焼の消ゆるまで
山田怜子
遠嶺
200206
春夕焼湯屋の煙突つつみけり
影山わこ
百鳥
200206
春夕焼白鬚橋を渡りけり
及川澄江
風土
200206
二上山の雲の消えたる春夕焼
中島陽華
槐
200206
春夕焼駄菓子に埋む季寄かな
いしだゆか
遠嶺
200207
春夕焼雑木林の透きとほる
土岐明子
遠嶺
200207
句碑除幕終へし安堵の春夕焼
本郷桂子
円虹
200207
春夕焼サーファー黒く上がり来る
大串章
百鳥
200305
春夕焼むらさき色にもも色に
山田六甲
六花
200305
父の忌や春夕焼の痛かりし
坂本俊子
沖
200306
春夕焼時ゆつくりと流れゆく
仲尾弥栄子
雲の峯
200306
小島より見るビル街の春夕焼
原茂美
雲の峯
200306
島守の船戻り行く春夕焼
清わかば
雲の峯
200306
春夕焼戦火の画面逃れ来て
徳永真弓
百鳥
200307
会ひに来る春夕焼に頬染めて
小山徳夫
小春の山河
200401
葛城山にやや風の出て春夕焼
中島紅からす
草の花
200405
高層のガラスしたたる春夕焼
竹内弘子
あを
200405
点滴の長き間合を春夕焼
田中藤穂
あを
200405
そのうちに死んでやるわい春夕焼け
松山律子
六花
200405
毎日の鴉のさわぐ春夕焼
市場基巳
槐
200406
寺子屋の段も佳境に春夕焼
木村てる代
雲の峰
200406
平安に今日の日送る春夕焼
村田文一
遠嶺
200406
春夕焼神山つなぐループ橋
白鳥義岳
帆船
200505
春夕焼和解の握手交しけり
中里とも子
百鳥
200505
めずらしき雲に惑へる春夕焼
早崎泰江
あを
200505
子と並みて春夕焼の高野道
川崎俊子
馬醉木
200506
交差するレール春夕焼の中
太田佳代子
春燈
200506
春夕焼ひと日離れぬ曲ありて
高木嘉久
沖
200506
ピンポンと押して逃げ去る春夕焼
赤座典子
あを
200506
木の家の瓦親しや春夕焼
加瀬美代子
朝
200506
鉄塔の碍子がきらり春夕焼
三枝邦光
ぐろっけ
200507
母子来て春夕焼に稚魚放つ
吉村一郎
百鳥
200507
砂の上の積木の城や春夕焼
渡辺民親
遠嶺
200508
パゴタめく国会議事堂春夕焼
篠田純子
あを
200508
春夕焼らんぷを吊したくなりぬ
山田暢子
風土
200605
果てしなき春の夕焼け五頭連峰
内藤恵子
万象
200605
春夕焼雲の端のぞく忘れ汐
後藤眞由美
春燈
200606
集まりて横顔ばかり春夕焼
井上信子
鴫
200606
病む夫の帰心ふくらむ春夕焼
大石喜美子
雨月
200606
牛帰る春夕焼に尻向けて
阿久津勝利
万象
200606
春夕焼男ひとりが干物焼く
八木柊一郎
ぐろっけ
200607
春夕焼万象夕日染めにけり
鈴木榮子
春燈
200704
岩礁のいよいよ黝し春夕焼
加瀬美代子
朝
200705
やきものや土と炎で春夕焼
林日圓
京鹿子
200707
鯨碑に素外の一句春夕焼
岡田章子
ぐろっけ
200708
公園に帰宅拒否の子春夕焼
鈴木照子
璦
200805
春夕焼明日へと望み託しけり
高橋あつこ
遠嶺
200805
京恋うて眺めてをりぬ春夕焼
森下康子
璦
200806
本閉ぢて春夕焼の窓開くる
加藤京子
遠嶺
200806
春夕焼東京湾に架かる橋
勝見玲子
鴫
200806
万葉の山見ゆる街春夕焼
早崎泰江
あを
200806
夫と見る窓いつぱいの春夕焼
湯浅夏以
樹も鳥も
200806
音感のとぼしき血すぢ春夕焼
井上信子
鴫
200807
抱きあげて春夕焼のやはらかに
服部早苗
空
200807
軒瓦巣藁はみだし春夕焼
定梶じょう
あを
200807
春夕焼天草灘の船染めて
田下宮子
璦
200905
叫びたきこと胸に持ち春夕焼
黒澤登美枝
峰
200905
春夕焼拐かされし子の記憶
水野恒彦
槐
200905
春夕焼陵は足冷ゆるなり
小形さとる
槐
200905
ひと日の苦労は一日もて足る春夕焼
滝沢幸助
春燈
200905
一人居や義母のアルバム春夕焼
赤座典子
あを
200905
一条の潮目朱に染め春夕焼
松村富子
苑
200906
春夕焼染む帆柱も一行詩
千田敬
沖
200906
牛伏山の牛の骨格春夕焼
神宮安見子
炎環
200906
寧らぎを明日へと繋ぐ春夕焼
勝見玲子
鴫
200906
一湾のふところ深し春夕焼
勝見玲子
鴫
200906
怖ろしき映画のあとの春夕焼
布川直幸
峰
200906
白樫の葉越しの春の夕焼けかな
藤井美晴
やぶれ傘
200906
ひろやかに魞の沖あり春夕焼
石田克子
馬醉木
200907
東京湾横断道の春夕焼
勝見玲子
鴫
200907
春夕焼さいごの渡し戻りけり
岩永はるみ
春燈
200907
壁を打つテニスボールや春夕焼
垣岡暎子
火星
200907
空き地よりにんじん色の春夕焼
安藤久美子
やぶれ傘
200907
地図になき一村過ぐる春夕焼
勝見玲子
鴫
200908
アリゾナの春夕焼け見て白衣脱ぐ
伊吹之博
京鹿子
201005
フラミンゴ春夕焼に紛れけり
矢口笑子
春燈
201005
うなさかにムンクの叫び春夕焼
大島翠木
槐
201006
生も死も一字なりしよ春夕焼
柴田久子
風土
201006
八高の最初の時鐘春夕焼
岡田のり子
笹
201006
直立に並ぶ空爆春夕焼
秋葉貞子
やぶれ傘
201007
首筋の名札をはづす春夕焼
成田美代
鴫
201007
黒鶫の春夕焼を惜み鳴く
海上俊臣
酸漿
201007
春夕焼塔の十字架眩しかり
小川玉泉
末黒野
201008
放歌なき寮をつつみて春夕焼
井上信子
鴫
201104
針の先ほどの機影や春夕焼
木戸宏子
璦
201105
海峡の帰船を包む春夕焼
片岡久美子
璦
201105
春夕焼チョコレート色に告白す
遊橋惠美
風土
201105
ジオラマのやうな街並み春夕焼
五十嵐章子
沖
201105
声きけて嬉しと泣けり春夕焼
田中藤穂
あを
201105
深閑の愛染坂や春夕焼
長濱順子
璦
201106
東日本大震災春夕焼け燃ゆ
菊地瑩子
春燈
201106
春夕焼瓦礫の山を照らしをり
池田光子
峰
201106
この地球に震へ止まらず春夕焼
深川敏子
春燈
201107
さむいさむいと夕焼空を春鴉
吉弘恭子
あを
201107
悼
ダンディーな帽子溶けゆく春夕焼
小張志げ
春燈
201108
古書店の目当ての本や春夕焼
大内由紀
末黒野
201108
瓶詰のピクルスに透け春夕焼
三谷道子
万象
201205
春夕焼水牛の歩のゆるぶとき
中本清
万象選集
201205
指切りの約束春の夕焼雲
柳生千枝子
火星
201205
車窓よりアルプスの嶺春夕焼
本郷宗祥
かさね
201206
春夕焼棚田は深く翳をおき
宮内とし子
沖
201206
事終へてサンタモニカの春夕焼
伊吹之博
京鹿子
201206
窯変に似て羊蹄山の春夕焼
土屋草子
ろんど
201206
千枚の水田に春の夕焼かな
米尾芳子
馬醉木
201207
英虞湾の島蔭染める春夕焼
早川周三
ぐろっけ
201207
春夕焼バス待つ母子のスキップ音
水野範子
ぐろっけ
201207
春夕焼至福の時間リス森ヘ
伊吹之博
京鹿子
201207
国境を越ゆる流れや春夕焼
後藤桂子
万象
201208
春夕焼平城山古代に還りゆく
中井弘一
璦
201306
天平の甍に沈む春夕焼
中井登喜子
璦
201306
春夕焼更地に遅々と上総掘り
富川明子
沖
201306
露坐仏のお耳を染むる春夕焼
荒井書子
馬醉木
201404
掬ふ手に波の名残や春夕焼
堀田順子
馬醉木
201405
春夕焼明日の夢を浮き立たす
岩月優美子
槐
201406
春夕焼昔酒屋は量り売り
宮崎高根
鴫
201406
春夕焼コントラストの手稲の嶺
園部早智子
ろんど
201406
海峡のあかね一枚春夕焼
笹村政子
六花
201406
かくれんぼの一抜け二抜け春夕焼
小山繁子
春燈
201406
春夕焼砂場に並ぶつちだんご
野坂民子
馬醉木
201407
春夕焼橋脚洗ふささら波
熊切修
末黒野
201407
残されて牝ライオンの春夕焼
比嘉半升
万象
201407
行く雲に後戻りなし春夕焼
松田都青
京鹿子
201407
やはきもの抱き見てゐる春夕焼
藤丸誠旨
春燈
201407
春夕焼うす桃色に別れ告ぐ
水谷直子
京鹿子
201408
帰任なき赴任見送る春夕焼
秋葉雅治
沖
201501
曳売女春夕焼を負ひ戻る
大谷畠子
馬醉木
201504
春夕焼け玻璃戸洗ひし水の綺羅
相沢有理子
風土
201505
桟橋は見送るところ春夕焼
千田敬
沖
201505
亡き人の口跡をふと春夕焼
渕上千津
沖
201505
素晴らしき明日あるごとし春夕焼
鈴木初音
槐
201505
たちまちに春の夕焼け雨上る
丑久保勲
やぶれ傘
201505
終章のひと日に充つる春夕燒
鈴鹿仁
京鹿子
201505
春夕焼人逢ふことの罪めきて
吉田順子
槐
201506
皇子ねむる山むらさきに春夕焼
豊田都峰
京鹿子
201506
ひとり出て春夕焼にまみれたり
小林愛子
万象
201506
春夕焼ゆるゆる山を漆黒に
赤座典子
あを
201506
足し算も九九も湯舟で春夕焼
山内碧
空
201506
本棚の写真古びる春夕焼
吉村さよ子
春燈
201507
春夕焼ピンクに広がる西の方
水谷直子
京鹿子
201507
クラス会春夕焼の日本海
仁平則子
峰
201507
一山を抱きて余る春夕焼
吉中愛子
万象
201507
教会は坂の上なり春夕焼
赤座典子
あを
201507
春夕焼地球の海はひとつづき
森俊人
空
201508
遠き帆の走りはじめし春夕焼
北川孝子
京鹿子
201508
春夕焼先行き憂ふ
徐脈
(
)
かな
松本文一郎
六花
201509
石段を跳びて帰る子春夕焼
阿部重夫
末黒野
201604
竹藪のきれいに残り春夕焼
井上信子
鴫
201605
文鎮のごと春夕焼の遠き富士
田原陽子
鴫
201605
悼・上山永晃氏
点鬼簿に釋滋徳とよ春夕焼
松橋利雄
春燈
201605
人待つ間春夕焼の中にをり
吉田順子
槐
201606
春夕焼土手のその先防波堤
青谷小枝
やぶれ傘
201606
春夕焼け人のまばらな公園に
松村光典
やぶれ傘
201606
春夕焼神が給ひし赤子かな
本間せつ子
末黒野
201606
病室の刻ゆつたりと春夕焼
坂田静枝
万象
201606
春夕焼見舞の夫の来べき頃
玉置かよ子
雨月
201606
投函の白き封書や春夕焼
西村まさ
万象
201607
飼主を走らせる犬春夕焼
田村園子
鴫
201607
げんまんの声の散りゆく春夕焼
山口順子
馬醉木
201607
手をつなぐ木の間の夫婦春夕焼
吉村さよ子
春燈
201607
ふるさとに別るる峠春夕焼
鈴木庸子
風土
201607
永き日を使ひ切りたる春夕焼
伊吹之博
京鹿子
201607
嘴太鴉骨の髄まで春夕焼
中島悠美子
京鹿子
201608
春夕焼人逢ふことの罪めきて
吉田順子
槐
201608
中央線飛びこむ春夕焼のなか
秋月祐一
船団
201701
春夕焼子の住む方の濃かりけり
近藤暁代
馬醉木
201704
鬼遊びの一人づつ抜け春夕焼
中田禎子
槐
201705
うるうると春夕焼けの濡らす橋
高橋道子
鴫
201705
春夕焼恋の重さを少女言ふ
江澤弘子
鴫
201705
高階に遠き伊吹を春夕焼
服部珠子
雨月
201706
みさゝぎを覆へる春の夕焼かな
井上石動
あを
201705
開発のクレーン染めぬ春夕焼
滝沢いみ子
末黒野
201706
調律の響ける窓の春夕焼
岡本秀子
沖
201706