鳶たかく秋夕焼を脾睨す
川口襄
遠嶺
199812
秋夕焼嘘を楽しく読みをはり
丸山佳子
京鹿子
199901
水盤に秋夕焼のなくなりぬ
清水志無子
風土
199911
秋夕焼たやすくきのふ忘れけり
頓所友枝
沖
199912
幸すこし秋夕焼に手を焦す
長尾康子
風土
199912
島ふたつ跨ぐ大橋秋夕焼
松宮幹彦
春耕
199912
鉄棒にぶらさがっている秋夕焼
薮ノ内君代
船団
199912
絢爛と亡びし平家秋夕焼
長谷川翠
馬醉木
200001
水尾深く船戻りくる秋夕焼
堀田知永
俳句通信
200001
甘え来る秋夕焼の幼き掌
吉野のぶ子
遠嶺
200001
雨止んで秋夕焼の広野かな
小澤克己
遠嶺
200002
友禅の雲のたなびき秋夕焼
小澤克己
遠嶺
200002
秋夕焼ホテルはパンを売るところ
中原幸子
遠くの山
200010
海峡の向かひの街の秋夕焼
菊地惠子
酸漿
200012
秋夕焼尖塔に火を点したる
菊地惠子
酸漿
200012
戦跡に戦士の像や秋夕焼
谷野由紀子
俳句通信
200012
秋夕焼犬の散歩の歩を伸ばす
大平保子
いろり
200012
秋夕焼ハモニカ吹いて子の帰る
神山ゆき子
狩
200101
学校に兎飼はるる秋夕焼
杉浦典子
火星
200101
秋夕焼どこまで行けどこの世なる
栗原公子
沖
200101
鉄塔を黄金づくりに秋夕焼
名本敦子
狩
200102
秋夕焼遠き日のこと次つぎと
大平保子
いろり
200102
京路地のかごめかごめや秋夕焼
山田和
京鹿子
200103
秋夕焼六番線の六の字に
山田六甲
六花
200110
秋夕焼かくれんぼまだ続きをり
佐藤悦子
百鳥
200111
秋夕焼タンカー河を溯る
山田天
雨月
200112
入日背に秋夕焼のなか帰る
谷口ふみ子
雨月
200112
石は石秋夕焼に染まるとも
槐布由子
銀化
200112
片羽にて秋夕焼の中にゐる
栗栖恵通子
槐
200112
稜線の木々明らかに秋夕焼
久松久子
百鳥
200112
秋夕焼警戒水位のままの河
宮川杵名男
春耕
200112
秋夕焼鳥ををさむる古墳かな
山越勝美
遠嶺
200112
秋夕焼見むと沙漠の端を踏む
有働亨
馬醉木
200201
秋夕焼畑の中に人ひとり
守屋井蛙
酸漿
200201
つなぐ手に力入れくる秋夕焼
太田土男
百鳥
200201
膝に置く木管楽器秋夕焼
小山徳夫
遠嶺
200201
天涯へ雲のきざはし秋夕焼
若生まりあ
遠嶺
200201
屋上は遠くまで空秋夕焼
高橋笛美
ホトトギス
200202
トランペット秋夕焼を濃くしたり
中田尚子
百鳥
200202
ふじごろも秋夕焼を脱ぎはじむ
梶浦玲良子
波小舟
200205
秋夕焼脈うつごとしハイネの碑
野口香葉
天女櫻
200209
秋夕焼神割崎の潮かな
田中聡子
遠嶺
200211
秋夕焼自転車降りて道譲る
青池亘
百鳥
200211
原子炉の一二三号秋夕焼
三浦照子
帆船
200211
童心のままに横岳秋夕焼
赤座典子
あを
200211
秋夕焼駿馬は長き影を曳き
小田玲子
百鳥
200212
シナモンを香らす厨秋夕焼
中野薫
雲の峰
200212
バスの客皆染まりたる秋夕焼
中野たけみ
雨月
200212
蛇塚てふ秋の夕焼溜りかな
小林輝子
風土
200301
二人ゐて生くる一筋秋夕焼
城石美津子
京鹿子
200302
地下を出て秋夕焼の高架ゆく
鵜飼紫生
雨月
200302
杉並木往古閉ざして秋夕焼
芝宮須磨子
あを
200310
阿修羅みて秋夕焼けの中に佇つ
近藤きくえ
槐
200311
櫛の歯のこぼれし不安秋夕焼
子安教子
沖
200311
秋夕焼湖一枚を遠に置き
高橋あゆみ
沖
200311
秋夕焼火の粉のごとく鴉群る
酒井多加子
雲の峰
200311
究極の美の消えやすし秋夕焼
大橋敦子
雨月
200311
巡航船島離れゆく秋夕焼
鵜飼紫生
雨月
200311
秋夕焼海をまっ赤に染めゐたる
二宮桃代
雨月
200311
帰船あり秋夕焼の真芯より
小澤克己
遠嶺
200311
長き橋踏んで他郷へ秋夕焼
小野恵美子
馬醉木
200312
秋夕焼馬車の車輪の軋む音
白井墨絵
遠嶺
200312
秋夕焼とどむる雲を谷戸の上
宮津昭彦
濱
200312
照り合うて秋夕焼の空と海
谷村幸子
槐
200312
秋夕焼一緒に歩くための靴
加藤峰子
鴫
200401
志なきにはあらず秋夕焼
石川英利
百鳥
200401
秋夕焼身を打たせ湯に委ねつつ
金山藤之助
苑
200401
東京の秋の夕焼のビル囲ひ
河原一夫
濱
200401
秋夕焼童女となりて家路まで
白井墨絵
遠嶺
200401
秋夕焼生簀仕舞ひの舟離る
上薗櫨夫
河鹿
200401
秋夕焼巻いては伸ばす象の鼻
芝生南天
河鹿
200401
サイケデリックな秋の夕焼磁気嵐
坂上香菜
苑
200402
秋夕焼寧らぎ色と思ひけり
白髭美佐子
苑
200402
自転車の同じ年頃秋夕焼
桜井葉子
遠嶺
200402
秋夕焼守備練習のシルエット
菅龍一
百鳥
200402
尖塔の影の浮き立ち秋夕焼
鵜飼紫生
雨月
200402
高層ビル秋夕焼を折りたたむ
花島みゆき
八千草
200404
ムンク展出でて恐ろし秋夕焼
山元志津香
八千草
200409
平家屋敷の梲赫々秋夕焼
田中芳夫
苑
200410
駅頭に聞くヴアイオリン秋夕焼
坂本フジ
帆船
200410
秋夕焼一抜け二抜け三残る
高橋十三夜
春燈
200411
秋夕焼に一大円弧の日本海
佐々木ミツヱ
濱
200411
墓山の低きは暮れて秋夕焼
岡本眸
朝
200411
文人の愛でし山村秋夕焼
土岐明子
遠嶺
200412
夕焼に染まる秋燕鹿島灘
岡村葉子
空
200412
死体処置実習ありて秋夕焼
よこたまさみち
帆船
200412
秋夕焼小江戸に残る火の見台
長野純顕
対岸
200412
自転車の大と中小秋夕焼
芝宮須磨子
あを
200412
山好きにどの山も郷里秋夕焼
中田みなみ
空
200412
悔恨の身にしくしくと秋夕焼
小山百合子
遠嶺
200501
秋夕焼ボレロ最高潮なりき
中島陽華
槐
200501
焼岳の乱杙歯なす秋夕焼
澤田緑生
馬醉木
200501
秋夕焼に焔の立てり照ヶ崎
中島指月
濱
200501
秋夕焼鵜は真直に沖睨む
寺岡ひろし
雨月
200501
電車から我が家の見えて秋夕焼
立花かほる
六花
200503
海消して秋の夕焼消えにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200509
潮流の記憶若狭の秋夕焼
能村研三
沖
200510
秋夕焼対岸の樹を近くせり
田山登喜子
沖
200510
秋夕焼海泳ぎくる隠岐の牛
新井泰子
馬酔木
200511
石段のくづれしままや秋夕焼
山田六甲
六花
200512
白砂の嬰のあしあと秋夕焼
有島夛美
河鹿
200601
秋夕焼船名のなき自家用船
村田北斗
百鳥
200601
秋夕焼開いてみたいドアがあり
倉持梨恵
鴫
200601
秋夕焼浴びてセスナ機高度千
野中啓子
苑
200602
秋夕焼子よりソネット授かりぬ
佐山苑子
遠嶺
200602
基地の外民家ひしめき秋夕焼
伊舎堂根自子
万象
200611
秋夕焼見て入院も四十日
大橋敦子
雨月
200611
一日の早きを惜しむ秋夕焼
早崎泰江
あを
200611
ガンマンのあらはれさうよ秋夕焼
定梶じょう
あを
200611
影絵なすワット・アルンや秋夕焼
井村和子
万象
200612
勾玉は芽立ちの形秋夕焼
加藤峰子
鴫
200612
秋夕焼無口になつてしまふ色
倉持梨恵
鴫
200612
秋夕焼旅のよき日を締めくくる
森野俊子
遠嶺
200612
吊橋も吾も浸れり秋夕焼
竹内文子
遠嶺
200612
ひんがしの嶺々までも秋夕焼
大橋敦子
雨月
200612
秋夕焼片々と雲朱色なす
大橋敦子
雨月
200612
心地よき沼の一周秋夕焼
今井松子
遠嶺
200701
秋夕焼子は子の家へ帰り行く
西澤ひで子
遠嶺
200701
秋夕焼インドサラサの抱つこ紐
新井佐知子
遠嶺
200701
一村はミレーの天地秋夕焼
吉田裕志
苑
200702
凱旋の曲湧くオペラ秋夕焼
鈴木朗月
万象
200702
秋夕焼ひと口ほどの夫の食
福地初江
朝
200702
南国の秋の夕焼広野焼く
中村輝子
酸漿
200702
越えさればさらなる嶺や秋夕焼
小澤克己
遠嶺
200711
秋夕焼遠のくほどに濃くなれり
宮津昭彦
濱
200711
カーナビにちよつと逆らひ秋夕焼
北川英子
沖
200712
別れ告ぐ秋夕焼の桜島
樺山翠
雨月
200712
目を瞑り秋夕焼けを見てをりぬ
戸村よねこ
遠嶺
200801
秋夕焼退きたるあとを刻止まり
宮津昭彦
濱
200801
秋夕焼地球を青く染めにけり
加藤峰子
鴫
200801
万葉の二上山ぞ秋夕焼
山村修
酸漿
200801
邂逅に賜はりしもの秋夕焼
佐藤ナオ子
遠嶺
200802
束の間の秋夕焼やハーモニカ
吉田順子
槐
200802
行く先は秋夕焼と応へたし
湯浅夏以
樹も鳥も
200806
秋夕焼包み込みたる廃校舎
金田美恵子
ぐろっけ
200810
秋夕焼銀鱗おどる水面かな
渡辺安酔
峰
200811
猫飼えばと娘に言はれ秋夕焼
赤座典子
あを
200811
アルプスの秀を手放さず秋夕焼
泉田秋硯
苑
200812
秋夕焼ほら先生の笑ひ皺
宇都宮敦子
鴫
200812
愛宕嶺に秋夕焼の放射状
杉本綾
璦
200812
秋夕焼くづしてをはる子のあそび
佐藤良重
炎環
200812
色違ふ秋夕焼を畏れける
加藤みき
槐
200812
地球は一つ神はいろいろ秋夕焼
岩月優美子
槐
200812
病む足を己励ます秋夕焼
丹羽敦子
酸漿
200812
あふれ来る自衛隊員秋夕焼
中条さゆり
空
200812
秋夕焼ふっくら耳朶持つ人と
陽山道子
船団
200901
友見舞ふ窓より嶺々の秋夕焼
塩野きみ
遠嶺
200901
秋夕焼白壁染めて明日天気
山崎泰世
苑
200901
秋夕焼膨らむ彩度落としつつ
田村園子
鴫
200901
秋夕焼西も東も浄土かな
竹内悦子
槐
200902
山の辺にたちまち消ゆる秋夕焼
岡崎春菜
万象
200902
振り向けばローマを焦がす秋夕焼
谷澤秀子
璦
200911
静かなる工場地帯秋夕焼
宮田香
璦
200912
秋夕焼映し大淀悠揚と
辰巳あした
雨月
200912
つなぐ掌の思はぬ熱さ秋夕焼
大坪景章
万象
200912
病む妻へ急ぐ家路の秋夕焼
小川玉泉
末黒野
200912
秋夕焼濡れ髪しぼる海女二人
大橋伊佐子
末黒野
200912
灯をひとつこぼして秋の夕焼果つ
豊田都峰
京鹿子
200912
飛鳥なる奇石めぐりて秋夕焼
塩出眞一
ぐろっけ
200912
秋夕焼仰ぎて心明日にあり
三村武子
酸漿
200912
秋夕焼遠忌の膳を囲みたる
阪本哲弘
璦
201001
煙突を残す銭湯秋夕焼
北川キヨ子
苑
201001
下枝なき松亭々と秋夕焼
小川玉泉
末黒野
201001
師の通夜に向ふ車窓や秋夕焼
小野口正江
末黒野
201001
秋夕焼三輪明神の大鳥居
加藤みき
槐
201001
秋夕焼釜中の魚のごときかな
中野京子
槐
201001
秋夕焼バックミラーに吸はれけり
橋本リエ
春燈
201001
秋夕焼父母への思ひ濃かりけり
中島静子
酸漿
201001
新都心とふビル街つつむ秋夕焼
早崎泰江
あを
201001
父呼ぶや能登金剛の秋夕焼
石田邦子
遠嶺
201002
除幕式終りし摩耶の秋夕焼
鈴木てるみ
ぐろっけ
201002
秋夕焼茜は冴えてより沈む
空音
六花
201011
外航船遠くにいだき秋夕焼
吉弘恭子
あを
201011
秋夕焼路地賑やかにケンケンパ
紀川和子
璦
201012
束の間の秋夕焼を惜しみけり
青山正英
璦
201012
秋夕焼手応へありし投網曵く
泉田秋硯
苑
201012
まのあたり秋夕焼の幕下りる
中村恭子
鴫
201012
いつの間に秋夕焼に囲まるる
高田令子
鴫
201012
西方へ踏み出すまよひ秋夕焼
菅野雅生
ろんど
201012
フィナーレを飾る遷都や秋夕焼
小林成子
璦
201101
再現の平城京や秋夕焼
増田一代
璦
201101
秋夕焼残る命を雲に分け
川崎真樹子
春燈
201101
秋夕焼引き込む海の重さかな
竹田ひろ子
ろんど
201101
鐘楼の青銅に映ゆ秋夕焼
早崎泰江
あを
201101
コンテナを積みし貨車行く秋夕焼
瀬島洒望
やぶれ傘
201101
フィナーレ飾る遷都式典秋夕焼
小林成子
苑
201102
秋夕焼たちまち消えぬ欣一忌
大坪景章
万象
201102
筏より暮るる英虞湾秋夕焼
森清信子
末黒野
201102
一望の上州平野秋夕焼
吉田きみえ
末黒野
201102
農道の一直線や秋夕焼
大内佐奈枝
万象
201103
秋夕焼鳴門海峡渡りけり
上林富子
やぶれ傘
201104
廢校のどのガラスにも秋夕焼
竹貫示虹
京鹿子
201109
木版画めきし祇園の秋夕焼
大谷昌子
馬醉木
201111
秋夕焼鎌を研げよと塞の神
石橋公代
春燈
201111
秋夕焼絢爛と燃え人遠し
米山喜久子
峰
201111
よぎりし名秋夕焼の中に消ゆ
吉村さよ子
春燈
201112
秋夕焼校庭の子の逆上がり
安藤久美子
やぶれ傘
201112
秋夕焼中途はんぱな己染む
藤兼静子
鴫
201112
近道で行きたる秋の夕焼かな
小幡喜世子
ろんど
201112
秋夕焼傷つきし手にやはらかし
近藤公子
槐
201112
風の手が秋の夕焼けを宅配す
瀬川公馨
槐
201201
ふりむけば秋の夕焼海に入る
柴田靖子
槐
201201
捨て舟の傾ぎて零す秋夕焼
木暮陶句郎
ホトトギス
201201
秋夕焼カッパ住む沼照らしをり
池田光子
峰
201201
沢木欣一先生
耳奥のさうかいさうかい秋夕焼
大坪景章
万象
201201
ほのぼのと老ゆるを願ふ秋夕焼
加藤千春
春燈
201201
秋夕焼なごめる海の波の貌
小野寺節子
風土
201201
声なき声秋夕焼の伊良虞岬
村上美智子
雨月
201201
秋夕焼け鴉玉虫色をして
笠置早苗
火星
201201
秋夕燒いつもの烏とほりすぐ
佐藤喜孝
あを
201112
肩並べ秋の夕焼見届くる
田村園子
鴫
201202
秋夕焼荷台に乗せる子と農具
苑実耶
空
201202
起重機を焼ベビルを焼べ秋夕焼
原友子
空
201202
古書市の跡かたもなし秋夕焼
北岸邸子
春燈
201202
秋夕焼かごめかごめの鶏はゐず
和田照海
京鹿子
201202
晩鐘の川をゆつたり秋夕焼け
岡山敦子
京鹿子
201202
退庁の人とぶつかる秋夕焼
丑久保勲
やぶれ傘
201201
秋夕焼湖上の船の黒々と
久世孝雄
やぶれ傘
201202
秋夕焼ボール蹴り蹴り下校の児
松本善一
やぶれ傘
201202
秋ゆうやけ一生いのち輝やけり
沢木欣一
万象
201209
悲しみは祈りとなりて秋夕焼
頓所友枝
冬の金魚
201209
あかね色秋の夕焼に音のなき
池田加寿子
璦
201211
雲走る鴉も走る秋夕焼け
水野弘
ぐろっけ
201211
石投げて倒木鳴らす秋夕焼
山本耀子
火星
201211
風を切る馬上の少女秋夕焼
黒滝志麻子
末黒野
201211
礁打つ真砂女が海や秋夕焼
岡井マスミ
末黒野
201211
また次の角まで送る秋夕焼
久布白文子
馬醉木
201212
神さまのふとゐるやうな秋夕焼
栗原公子
沖
201212
父いよよ平たく病みぬ秋夕焼
柴田佐知子
空
201212
秋夕焼物として吾染まりけり
吉田順子
槐
201301
秋夕焼け一瞬烈し茜色
羽賀恭子
峰
201301
秋夕焼明日が見ゆるところまで
池田光子
風土
201301
プロレスのポスター破れ秋夕焼け
秋岡美津子
京鹿子
201301
秋夕焼突進して行く三輪車
佐瀬晶子
ろんど
201301
秋夕焼千の色持つ千枚田
竹田ひろ子
ろんど
201301
バス渋滞秋夕焼の褪めるまで
平田恵美子
ぐろっけ
201301
ベランダに残る干し物秋夕焼
渡邊孝彦
やぶれ傘
201302
秋夕焼これから夜の国いくつ
火箱ひろ
船団
201304
誕生日髪すっきりと秋夕焼
赤座典子
あを
201311
軍艦と釣舟行き交ふ秋夕焼
森岡陽子
かさね
201311
畳なはる波のさきざき秋夕焼
小山繁子
春燈
201311
秋夕焼明日への望み赤々と
大口堂遊
春燈
201311
秋夕焼まんのう池のゆらぎかな
石脇みはる
槐
201311
執りし手に執られてゐたり秋夕焼
大坪景章
万象
201311
墓といふ寂びゆく慣秋夕焼
江島照美
槐
201311
病室の窓よぎる飛機秋夕焼
松本周二
かさね
201311
残り菓子包んで持たす秋夕焼
松本俊介
春燈
201311
鴇いろの秋夕焼や砂金採
川崎利子
璦
201311
うづ高き新書立ち読む秋夕焼
中山皓雪
鴫
201312
競技果て選手らの去る秋夕焼
羽賀恭子
峰
201312
水切りの石飛んでいく秋夕焼
白石正躬
やぶれ傘
201312
水嵩の減らぬ濁流秋夕焼
坂根宏子
璦
201312
稜線の黒々と見ゆ秋夕焼
龍町子
末黒野
201312
秋夕焼消えて漁火沖に浮く
川井素川
かさね
201312
秋夕焼一樹ふくらむ鳥の声
堀園子
沖
201312
秋夕焼ひろがり広島カープ捷つ
水原春郎
馬醉木
201312
秋夕焼こども一一〇番の旗
坂上香菜
璦
201312
秋夕焼カリヨンの音流れ来る
小柳千美子
かさね
201312
秋夕焼SFめける硝子都市
菅谷たけし
沖
201312
紫陽花の終の色とよ秋夕焼
藤丸誠旨
春燈
201312
山間の香りなつかし秋夕焼
山本とく江
万象
201312
塩田の跡地の杭に秋夕焼
岡野安雅
かさね
201312
オカリナの消え行く果の秋夕焼
森脇貞子
雨月
201312
やはらかき色を化粧ひて秋夕焼
村上悦子
雨月
201312
「シェーンーカムバック」耳内に残響秋夕焼
小河原清江
沖
201401
照り合ひて秋夕焼の出雲崎
古沢幸次
ろんど
201401
昭和めく神田の街や秋夕焼
光岡れい子
万象
201401
閻魔王の眼光いよよ秋夕焼
菅野日出子
末黒野
201401
秋夕焼黯々とおく富士一枚
兵泉美
京鹿子
201401
秋夕焼飛行機雲の伸びて行く
大木清美子
峰
201401
秋夕焼静かな波に鳶の群
森岡陽子
かさね
201401
風少し秋夕焼けの彼方より
白石正躬
やぶれ傘
201401
観覧車降りて仰げり秋夕焼
杉本裕子
末黒野
201402
和菓子屋の秋夕焼に身を容るる
小泉欣也
ろんど
201402
いつさいは秋夕焼の中にあり
戸栗末廣
空
201402
三つ目の橋まで土手を秋夕焼
松本三千夫
末黒野
201402
五階より子を呼ぶ母や秋夕焼
古沢幸次
ろんど
201402
畳なはる波のさきざき秋夕焼
小山繁子
春燈
201403
野の情趣深めて嵯峨の秋夕焼
落合由季女
雨月
201403
見はるかす九十九島の秋夕焼
難波篤直
川
201404
下宿屋の残る本郷秋夕焼
稲垣佳子
末黒野
201404
いつさいは秋夕焼の中にあり
戸栗末廣
空
201405
漁に出てゆく舟や秋夕焼
井上石動
あを
201409
大いなるも-のが過ぎゆく秋夕焼
上原重一
峰
201411
秋夕焼少し焦げたるたまご焼
齊藤實
沖
201411
丹沢の遠嶺くつきり秋夕焼
菅野日出子
末黒野
201412
スカイツリーいつとき化粧ふ秋夕焼
中村紀美子
春燈
201412
散骨をいいなと思ふ秋夕焼
足立良雄
鴫
201412
秋夕焼クイーンの塔の薄みどり
寺沢千都子
万象
201412
根ごと木の流れてきたる秋夕焼
林徹也
空
201412
秋夕焼横目に家路急ぎけり
廣畑育子
六花
201412
盆栽を長々語り秋夕焼
松井季湖
瓔
201412
秋夕焼野島が崎へ及びけり
笹村政子
六花
201412
秋夕焼船に乗り込む家族かな
永田万年青
六花
201412
秋夕焼久しき友の皺深し
永田万年青
六花
201412
秋夕焼横のベンチに二人連れ
永田万年青
六花
201412
一日の終はり佳きかな秋夕焼
永田万年青
六花
201412
鰡飛んで秋夕焼の中に入る
廣畑育子
六花
201412
うず潮の秋夕焼に見惚れけり
赤松有馬守破天龍正義
六花
201412
崩れゐる秋夕焼の城址かな
赤松有馬守破天龍正義
六花
201412
嬰も荷ももう負はぬ背や秋夕焼
小林輝子
風土
201412
秋夕焼下校児童に赤信号
小野寺節子
風土
201412
逆光の西山黒し秋夕焼
難波篤直
璦
201501
豆腐屋の秋夕焼を連れ来る
浅木ノヱ
春燈
201501
秋夕焼ぬぐひ終へたる父母の墓
荒井千佐代
空
201501
我が影のすらりと長し秋夕焼
堺昌子
末黒野
201501
西を向く千体観音秋夕焼
岡本尚子
風土
201501
秋夕焼戸口に甘酸つぱき匂ひ
笹村政子
六花
201501
秋夕焼缶蹴りの音高らかに
前田美恵子
槐
201501
金色に染まる雲ゐて秋夕焼
出口誠
六花
201501
黒きビル秋夕焼けに呑み込まる
上家弘子
ろんど
201501
秋夕焼ゆるりとすすむ車椅子
佐瀬晶子
ろんど
201501
秋夕焼かもめのやうな街跡灯
澤近栄子
京鹿子
201501
赤壁や秋夕焼けに立ち尽くす
赤座典子
あを
201501
己が身の何と小さき秋夕焼
内山照久
沖
201502
涸れ果てたはずの涙よ秋夕焼
仲里奈央
空
201502
秋夕焼老いては口を真一文字
田岡千章
空
201502
秋夕焼海賊船の水尾を染め
西川みほ
末黒野
201502
秋夕焼掻き分け満員電車来ぬ
村高卯
鴫
201502
餞を死者へと秋の大夕焼
すずき巴里
ろんど
201502
秋夕焼空知平野に火の匂ひ
佐瀬晶子
ろんど
201503
秋夕焼夫婦寄り添ふ二基の墓
亀井紀子
空
201504
2021年10月1日
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