2025年8月 5日 (火)

「2024年度 分野別動向調査報告書」発行について(MMC「国内外技術動向調査委員会」)

マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそしてナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に、各年度MEMSの分野で代表的な国際会議を定点観測して、分野別動向調査報告書にまとめています。

2024年度は"APCOT 2024 (The 11th Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)"と"MEMS 2025(The 38th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)"を調査しました。

"APCOT"は、アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される国際会議で、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersの開催されない年に隔年で開催されています。第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウィルス感染拡大のため中止となり、2022年に開催地を上海としてハイブリッド形態で開催され、第11回である今年は、シンガポールで開催されました。

投稿件数は計11ヵ国から192件で、前回の129件から大幅に増加しました。その中から178件(前回118件)の論文が採択され、採択率は92.3%(前回91%)でした。
国では、日本が前回は33件で2位でしたが今回は66件で1位となり、中国は前回の72件から減少し今回は56件で2位となりました。また、開催地であるシンガポールが、今回は21件(前回3件)と大幅に増加して3位となり、韓国が今回は10件(前回1件)で4位でした。
発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎)が46件(26%)、Applied Devices/Systems(応用)が131件(74%)、どれにも該当しないものが0件(0%)で、基礎分野に関する発表と応用分野に関する発表件数の割合は、前回とほぼ同等でした。発表件数が多い分野は、Mechanical Sensorが26件と一番多く、RF-MEMSが20件、Radiation/Material Substanceが19件となりました。

次に、"MEMS2025"は、IEEEのMEMS技術に関する国際会議で、毎年開催されています。38回目にあたる今回は、2025年1月19日〜23日の日程で、台湾 高雄のKaohsiung Exhibition Centerで開催されました。
論文投稿数は729件(前回659件)で、昨年より約10%超増加しました。採択された論文数は、全体で328件(前回324件)、採択率は約45%(前回49%)でした。採択論文の地域別の割合では、アメリカ13%、ヨーロッパ&アフリカ9%、アジア&オセアニア78%となっており、アジア&オセアニア地域が大きな割合を占めています。
地域別ではアジアが最も多く、国別では、昨年に続き中国が114件(前回99件)でトップ、日本44件(前回40件)、米国41件(前回81件)と続きました。アジア諸国では、韓国32件(前回18件)、台湾28件(前回30件)でした。
発表内容の大分類別では、Fundamentals(基礎)が210件(全体の35.2%、前回は37.8%)、Applied Devices/Systems(応用)が384件(全体の64.3%、前回は61.5%)と、いずれの比率も前回と同程度でした。小分類別に見ると、件数が多いのは、Tissue/Organ & Medical Applications(76件)、Mechanical Sensor(72件)、Design and Modeling(56件)、Radiation/Material Substance Sensor(56件)、Others (Applied Devices/Systems)(49件)、Fabrication Technologies (non-Silicon)(45件)でした。

報告内容の詳細は、マイクロマシンセンターホームページ内の賛助会員ページにてご覧になることができます。((注記)ログインには、ユーザーID及びパスワードの入力が必要です。)


(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

2025年8月 5日 (火) 産業・技術動向 | 固定リンク
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