聖書はヤバイ
現在キリスト教は、世界最大の宗教ではありますが、日本ではあまり広まっていません。日本人が聖書を読むとき、身も蓋もなく言ってしまえば、かなりうさんくさく感じられることが多いと思われます。実際に読んでみると、イメージとのギャップに驚くことになります。この問題については、架神恭介氏の『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』などが分かりやすいです。題名はアレですが。
確かに聖書を読むとうさんくささがあるのですが、そこで思考を止めてしまうのはもったいないとも思うのです。なぜなら、そこでは、何故にうさんくさいと感じられるのかという問いが成り立つからです。
なぜ、うさんくさいのでしょうか?
なぜなら、そこには、本物の神が想定されているからです。『聖書』における神の記述は、神の振る舞いとして相応しくないと感じられるからです。もし神が存在するなら、もし理想の神が存在するなら、それは、このような(『聖書』に書かれているような)神ではないと感じられるからです。
だとするならば、逆に、その違和感を利用し、本物の神に近づけることができるのかもしれません。そこには、現時点で考えられうる「究極」のあり方が示されるのかもしれないのです。
つまり、『聖書』などを参照し、不適切と思われる記述を本物であるかのように書き換えることで、「究極」についての思考を深めることができるはずなのです。
偽りの神の記述を書き換えたのが・・
本物の神と偽りの神は、何によって判断されるというのでしょうか。それは、やはり学問の成果によって、でしょう。宗教学・心理学・論理学・物理学・生物学・思想・宗教・文学など、参考にすべき項目は多岐に渡ります。ただ、人間の能力には限界があるため、その試みは不完全さを免れ得ないでしょう。
そのため、その営為は任意の志向性をもって為されざるを得ません。これから行われる拝信行為においても、参考にしている対象は絞られています。例えば、カントール、ゲーデル、ユング、ウィトゲンシュタイン、西田哲学、永井哲学(特に『私・今・そして神』)などからの影響は、容易に見て取れるでしょう。これは一種の言葉遊びなのですが、真剣な遊びでもあるのです。
『聖書』などを参考にし、偽りの神の記述を書き換えること。それは本物の神に近づく行為でありながら、とてつもない邪悪な行いだとも見なされることになります。そこでは、あのヨブの物語との対決が、さらには神の子との対決が必要になります。それ故、その書は『聖書(バイブル)』ではなく、『反・聖書(アンチ・バイブル)』という性質を帯びることになります。そのため、その書の名は・・・。
ご覧頂く前に注意してもらいたいこと
この試みには、思想の方向性が近い何人かの友人たちの協力があります。そのため複数人での協働作業の結果ではありますが、本人たちの希望により、表に出すのは私の名前のみにしています。
記述については、極限まで言葉を削っており、読者に対してあまり親切な構成ではありません。それは、説明過多が本方針にそぐわないという理由のためです。そのため、書かれている内容が、意味のない単なる抽象概念の羅列に見えてしまうかもしれません。ですが、記述には、徹底的に厳密に意味を持たせています。複数の解釈を許すような文章かもしれませんが、意味は一意に限定することが可能です。
また、このような試みは、興味を持った人たちだけが理解し得るようなテーマです。私の過去の記事の論理性に共感でき、なおかつ、本物の神を不完全な人間が記述するというおかしな試みに興味をそそられる極めてわずかの人たちを想定しています。興味のない人は、深入りせずにそっとしておいてくださるようお願いします。
※(注記)次稿「『聖魔書』[1-1] 創造記」はコチラ
※(注記)本連載の一覧はコチラをご覧ください。
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期待しています。
ありがとうございます。
11回の構成の予定です。
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