行列
行列(ぎょうれつ、matrix)とは、人や物が列を作って並んだ状態のことであり、数学的に表現することができる。
行列を構成するひとつひとつの要素を成分と呼ぶが、特に全ての成分が実数の行列を実行列という。現実に存在する行列は全て実行列である。 また理論上 虚数を含むものを考えることがあり、これを虚行列と呼ぶ。虚行列と虚乳の間には密接な関係性がある。
概要[編集 ]
行列は、いくつかの数、文字など(成分)を方形状に並べ、両側を括弧でくくったものである。 成分は実際には並んで待っている人間であることが多いため、「客」などと呼ぶこともある。
成分の横の並びを行 (row)、縦の並びを列 (column) といい、左上から数えてそれぞれ第[math]\displaystyle{ m }[/math]行、第[math]\displaystyle{ n }[/math]列という。
行列は、その行と列の個数によって、その型が区別される。 [math]\displaystyle{ m }[/math]個の行と [math]\displaystyle{ n }[/math]個の列からなる行列を [math]\displaystyle{ m \times n }[/math] 行列と呼ぶ。 特に、行の個数と列の個数が等しい行列([math]\displaystyle{ n \times n }[/math] 行列)を [math]\displaystyle{ n }[/math]次の正方行列という。
例えば、[math]\displaystyle{ 5 \times 2 }[/math] 行列は、隣り合った二軒のラーメン屋 [math]\displaystyle{ n_{1}, \quad n_{2} }[/math] に [math]\displaystyle{ 5 }[/math]人ずつの客が並んで待っている状況である。 また、[math]\displaystyle{ 3 }[/math]次の正方行列( [math]\displaystyle{ 3 \times 3 }[/math] 行列)の場合、三軒のラーメン屋にそれぞれ [math]\displaystyle{ 3 }[/math]人ずつの客が待っている状況を想像すると分かりやすい。
このように、ふつう、列は縦として考え、店などの行列の対象はそれぞれの列の上にあるとする。よって、行は並んでいる客などの順番を表すことになる。
以上のことから、次のような行列 [math]\displaystyle{ A }[/math] を考える。
- [math]\displaystyle{ A = \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13}\\ a_{21} & a_{22} & a_{23}\\ a_{31} & a_{32} & a_{33}\\ \end{pmatrix} }[/math]
このとき、客 [math]\displaystyle{ a_{11} }[/math] を、第1行と第1列の交点にあることから [math]\displaystyle{ (1, \quad 1) }[/math] 成分という。 一般に、第 [math]\displaystyle{ i }[/math] 行と第 [math]\displaystyle{ j }[/math] 列の交点にいる客を [math]\displaystyle{ (i, \quad j) }[/math] 成分という。
また、[math]\displaystyle{ a_{11} }[/math] の上には何らかの行列の対象となりうるもの(ここでは、仮に法律相談所 1 とする)があると考えられる。同様に、[math]\displaystyle{ a_{12} }[/math] の上には法律相談所2、[math]\displaystyle{ a_{13} }[/math] の上には法律相談所3 がある。
成分の値[編集 ]
上の行列 [math]\displaystyle{ A }[/math] において、法律相談所1には 客 [math]\displaystyle{ a_{11}, \quad a_{21}, \quad a_{31} }[/math] が並んでいるが、ここで、[math]\displaystyle{ a_{11} }[/math]に実数を代入して考えてみよう。
- [math]\displaystyle{ a_{11} = 1 }[/math]
この場合、客 [math]\displaystyle{ a_{11} }[/math] は [math]\displaystyle{ 1 }[/math]人である。 第 [math]\displaystyle{ 1 }[/math] 列のほかの客(成分)、つまり [math]\displaystyle{ a_{21}, \quad a_{31} }[/math] も [math]\displaystyle{ 1 }[/math] であれば、法律相談所1に並んでいる客は [math]\displaystyle{ 1 + 1 + 1 = 3 }[/math]人となる。
[math]\displaystyle{ 0 }[/math]という成分も考えられる。これは、そこにいた者のために場所を取っている状態を表す。誰しもそのような経験があるのではないだろうか。この状態は、客が存在しなくても行が消費されるという点で特殊である。
全ての成分が[math]\displaystyle{ 0 }[/math]の行列も理論上は考えられる。これを零行列[math]\displaystyle{ O }[/math]というが、現実には存在しないため、そんなもののことを考えるのは無意味である。
和・差[編集 ]
行列の和(差)は、各行列の [math]\displaystyle{ (i, \quad j) }[/math] 成分同士の和(差)として定義される。
例えば、
- [math]\displaystyle{ A = \begin{pmatrix} a_{1} & a_{2}\\ a_{3} & a_{4}\\ \end{pmatrix} ,\quad B = \begin{pmatrix} b_{1} & b_{2}\\ b_{3} & b_{4}\\ \end{pmatrix} }[/math]
とすると、
- [math]\displaystyle{ A + B = \begin{pmatrix} a_{1} + b_{1} & a_{2} + b_{2}\\ a_{3} + b_{3} & a_{4} + b_{4}\\ \end{pmatrix} }[/math]
となる。これは、家族連れや友人同士のグループなどが、仲間の一人に並ばせておいて後から列に加わるような場合である。
ちなみに、行列は同じ型(同じ行数・列数)どうしでなければ足したり引いたりすることができない。
積・商[編集 ]
実際的な問題として、行列同士で掛けたり割ったりするのは非常に危険な行為である。 数学的に扱おうとしても物理的に考えてみても大変なことになるので、本稿でも扱わないことにする。
実例[編集 ]
右の写真を見てほしい。
少々分かりづらいが、ラーメン屋の入り口から手前へ7つのグループが並んでいる。
これを数学的に表すと、以下のようになる。
- [math]\displaystyle{ R = \begin{pmatrix} 2\\ 2\\ 2\\ 2\\ 1\\ 2\\ 2\\ \end{pmatrix} }[/math]
上がラーメン屋の入り口である。
ここから分かるのは、ほとんどの客が二人組なのに 客 [math]\displaystyle{ (1, \quad 5) }[/math] は独りであるということだ。何か事情があるか、一緒に来ていた人がトイレにでも行っているのだろう。
このように、一般に小さい数字の成分ほど寂しい。
フォーク並び[編集 ]
次は特殊な並び方、フォーク並びである。
賢明な読者はもうお気づきだろう。 そう、フォーク並びはこれまでに述べてきたような数学的理論では説明がつかない現象なのである。
フォーク並びを行列で表現するという命題は現在、リーマン予想などと並んでクレイ数学研究所の懸賞金問題となっており、解決が待たれる。
関連項目[編集 ]
この項目「行列」は、内容が足りません。このままでは驚くべき証明を書く余白が残ってしまいます。内容を充実させてくれる人を探しています。 (Portal:スタブ)