機動戦士ガンダム MS IGLOO
機動戦士ガンダム MS IGLOO(きどうせんし-えむえすいぐるー)とは、熱狂的なジオン軍信者による二次創作アニメである。
概要[編集 ]
「機動戦士ガンダム」においてジオン軍は「敵軍機より性能が劣ると発覚して尚、過去の栄光から旧型機にしがみつく」「戦線後退に焦る余り、実戦に耐える保証の無い試作機まで投入」という「敗戦国の軍隊がやりがちな失敗」をテンプレートになぞって結局ボロ負けするというある意味リアルな敗戦を迎えた。そしてその負けっぷりは、判官贔屓な日本人に愛され熱狂的なジオニストを産んだのである
彼らは思った。「もし、ここでもっと凄い機体があったら」「ここで作戦が変わっていたら」、と。なんにしても敗戦自体は変わらないだろうが、華々しい最期を遂げたのではないか、と。そして彼らは持ちうる資金とコネを使い、「末期の水物兵器集」「世界の駄っ作機」を彷彿とさせる「敗軍の隠れた名機紹介アニメ」を作成しようと目論んだ。これが本作である。コンセプトは「挫折するプロジェクトX」であり、言わば「敗けの美学」を描こうとした意欲作となった。
ただしあくまでジオニストの二次創作であるため、設定はメチャクチャである。明らかに作中設定を無視しているし、そもそもの時点で兵器関連の知識がおかしい。放物線を描く実体砲(有名なところでは大和の46サンチ砲など)ならともかく、亜光速のビーム兵器に正確な前線観測が必要なのだろうか[1] 。また「高性能だが全力出すと空中分解するモビルスーツ[2] 」が出てくるが、設計の段階で普通は気付く。気づかないままコンペに出して爆砕させておきながら政治的圧力とか言うのはおかしいのではないだろうか。
続編[編集 ]
色々と物議は醸したもののガンダムシリーズのスピンオフとして評価され、続編イグルー2も作成されている。
これは上記の挫折するプロジェクトXというコンセプトに加えて「勝軍への深い憎しみ」も描かれており、連邦軍視点でありながら毎回主人公が絶望的な状況でどうにもならないまま非業の死を迎えることになる。
しかも彼らは最初から死神(しかも17歳)に見守られており、生存ルートは一切見いだせないというオマケ付き。一応敗けの美学を背負って華々しく散った前作メインキャラクターたちとは雲泥の差である。その上、彼らは連邦軍の秘密兵器など使わせてもらえず戦車だの廉価ガンタンクだので散ることとなった。それどころか「ガンダム」はまったく登場さえしない。ジオニストの執念恐るべし、である。
登場兵器[編集 ]
ジオン公国軍[編集 ]
- QCX-76A ヨルムンガンド
- 第1話『大蛇はルウムに消えた』主役機。ガンダムシリーズでも数少ない大砲 。比喩でも何でもなく本当に大砲。全長300mを超え、核融合炉を搭載したその威力は60TJ(60兆J)、広島型原爆の9割であり、弾速はマッハ5800(公式設定)[3] 。しかし、いくら威力があろうがミノフスキー粒子がウワンウワンばら撒かれている状況下でこんな馬鹿でっかい大砲を撃ってもまず命中せず、そもそも一発撃つごとに小型原子力発電所並みのエネルギーを注入しなきゃいかん兵器など実用性は全く無く、実際の所はザク開発の目くらましであった。
- その後、コレより小型でさらに強力なメガバズーカランチャーとかハイメガ・キャノンとかが出来たので面目丸潰れである。アナザーで言えばガンダムXとかの足元にも及ぶまい。
- MS-06F/06J ザクII
- 偉大なる白い巨人に立ち向かったサイクロプスたち。本作においても活躍できたのは第1話くらいのもんで、他は出てきては撃墜、出てきては撃墜である。とほほ。
- そもそも地上用で宇宙BなザクJ型を宇宙に打ち上げて「暫くそこで救援を待て」ってイカれてんのかジオン星人は! つるべ打ちにされるに決まってんだろうが!
- 連邦がメインの2では敵としてその恐ろしさを遺憾なく発揮したが、バズーカでやられるようじゃね...。(まあV2ガンダムもアサルトパーツをただのバズーカで壊されてたし)
- YMT-05 ヒルドルブ
- 第2話『遠吠えは落日に染まった』主役機。ガンダムシリーズでも数少ないモビルタンク。というかそんなカテゴリはこの機体しかねぇ。
- 要するに戦車に変形するMSという無敵鋼人ダイターン3みたいな機体であるが、あまりにでかく作りすぎて市街戦が全くできず、「ある程度硬く高低差の無い遮蔽物の少ない地面で、有視界戦闘をするための機体」というワガママなお嬢様みたいな機体になってしまった。はたして変形する必要はあったのだろうか。陸に上がった河童でも水の中でだけは無双の強さだったということを示した機体。どうでもいいが、強襲タンクと戦ったらどっちが強いのだろうか。
- PVN.42/4 マゼラ・アタック
- 第2部に登場する、ご存知ジオンの量産戦車。デザインが多少TV版よりかっこよくなった。それだけ。
- EMS-04⇒10 ヅダ
- 第3話『軌道上に幻影は疾る』主役機。ある意味では本作を代表する機体である。
- 元々は旧ザクとコンペを競い、その高い機動力でわりとけっこういい線行った良作MSであったが、なんと加速性能に機体強度が全くついて行っていないということが判明し、加速しすぎると爆発四散するという本末転倒な欠陥が発覚。そのままお蔵入りになるかと思いきや、ゲルググ開発前の目くらましとして改良された形で実戦投入。しかし、こんな人命軽視マシンにザクの1.8倍もの予算なんざ貧乏父さんジオン軍がかけられるわけもなく、実際は何も変わってなかった。
- 余談だが、連邦がヅダをバカにするために使用したアニメは史上初のSDガンダムと言われている。
- 一部ゲームではIGLOO代表として登場しているが、必殺技がウルトラダイナマイト などネタぶりがひどい。
- MSM-07Di ゼーゴック
- 第4話『ジャブロー上空に海原を見た』主役機。金満連邦のハエどもが生意気にも宇宙を目指しくさったので、そうはさせんぞと貧乏ジオン軍が作った「猿止め」兵器。
- ...が、その発想が「本来は水中兵器であるズゴックを改造してロケットブースターを点け、宇宙から投下して目標をロケット弾でぶち抜く」という、頭がどうにかしているとしか思えない代物であった。やっぱりこういうの考えつくのは公国面。今までのアホ兵器とは異なり、それなりに戦果を挙げたのはグー。
- MS-09R リック・ドム
- 背景に登場。上記のヅダを作ったツイマッドの傑作機。結果がどうなったかは書かない。
- MS-14 ゲルググ
- ジオンの最終量産機であり至高のMS。ただ残念なのは乗ってる奴が殆ど新米である事。いくらレーシングカーが凄くてもペーパードライバーを載せてF1で勝てるわけはないのである。一応、カスペン大佐専用機はかなり活躍したが、1機で戦場が変えられるのは戦争の序盤だけであることに変わりはない。また、後述の超悲惨兵器オッゴの存在により、このゲルググで無双していたガトーが「学徒兵が必至で戦ってるのにトンズラこいた連中」という扱いを受けるようになってしまった。
- MP-02A オッゴ
- 第5話『光芒の峠を越えろ』に登場する棺桶。要するにマジで金が底をついたジオン軍がないよかマシくらいの考えでこしらえたジオン版ボールであり、しかも載っているのは学徒兵という最低な代物であった。こんなゴミ箱でも一応無いよりはマシであったが、本当にマシなだけだったので何ら戦況に影響は与えなかった。狂気の代物。
- MA-05Ad ビグ・ラング
- 最終話『雷鳴に魂は還る』の主役機であり、初めて主人公が座乗した兵器。
- ビグロに本体よりでかい強化パーツを付けたいわばビグロ版ゼーゴックであり、機動性を全部かなぐり捨てたと同時に味方(上記ゴミ箱)の補給と対艦兵器による武装を追加した代物。いわば小型戦艦も同然であり、本作のアホ兵器群の中でも主人公が乗っているという補正も含めて唯一まともに機能した兵器。あんなド素人が乗って、あれだけ船を沈められれば、これにシャアが乗っていたらとんでもなく強かったかもしれないぞ。赤いし。
地球連邦軍[編集 ]
- M61A5 連邦軍61式戦車5型
- 第2部第2話『陸の王者、前へ!』主役機。ガンダムシリーズでも数少ない戦車主役回。ただの戦車なので書く事はあまり無い。
- RB-79 ボール
- 恐らく史上最強のボール。TV版では棺桶同然の扱いであったが、本作ではちゃんと活躍さえすればザクでも粉々に出来るという恐ろしさを発揮し、中の人たちの怪演、悪趣味な塗装もあって、ボールが本当に恐ろしいというTV版や08小隊からは考えられない活躍を(悪い意味で)見せた。
- 第5話でのオッゴとの宇宙世紀最底辺兵器決定戦は、数日後に行われた宇宙兵器頂上決戦であるガンダムVSジオングに匹敵する名勝負である。さながら後者が三本柱マンJr.VS世直しマンだとすれば、前者は同時に行われていたヒーロー協会会長VSスーパースターマン並みの熱さである。
- RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク
- 第2部第3話『オデッサ・鉄の嵐!』主役機。ガンタンクの親戚であり、要するに連邦版ヒルドルブである。連邦はジオンほどバカではなかったので、ただでかく、ただ頑丈にすりゃええわ!といった発想ではなく、可変機能と高い機動性を持たせた突撃兵器として作り出した。戦車なのに突撃兵器、あとは分かるな。
- RGM-79(G) 陸戦型ジム
- 『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のやられメカ。せっかく作ったんだから出しとこーぜってなことでオデッサ作戦に投入され、それなりの戦果を挙げた。
- RGM-79 ジム
- やられ役、かませ犬と言った扱いも面目躍如と相成った連邦の主力量産機。これを見れば連邦が何で勝てたかというのがよくわかる無双の強さを発揮している。こんなに強いジムはそうそうお目には描かれまい。
- RX-78 ガンダム
- 「うわあああああ!! 白い奴が! ガンダムが! うぎゃああああああ!!!」...うん、そりゃそういう反応になるよね。ジムでさえ上記の扱いなのだからガンダムなんか猶更である。出番は10秒。だが江頭2:50並みの伝説を残した。
脚注[編集 ]
関連項目[編集 ]
- ジオン軍
- 二次創作
- 負け犬
- 捏造
- 機動戦士ガンダム0083 REBELLION:本作の登場人物やビックリドッキリメカが登場する。
- 機動戦士ガンダム サンダーボルト:IGLOOをスーパー系にするとこうなる例。
- 機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム:同じくフルCGで製作された、「ガンダムとジム超怖ェ」アニメ。