上海人形

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上海人形(シャンハイにんぎょう、Shanghai-doll)とは、華南の呪術である。

概要[編集 ]

古来より水運業が盛んであった華南(長江流域は河川や湖沼が多い)においては、航路の安全と商売の成功を祈願して、家族や友達が船乗りに護身人形を贈るのが慣わしとなっていた。その用途は寂しさを紛らわせたり(性的な意味で)、自分に代わって浮気を監視したり、神に代わって悪行を諌めてくれたり、その船乗りが若く独身であれば、もし船が難破するなどして死んでしまった時でも、冥土で花嫁になってくれると信じられていた(いわゆる花嫁人形)。そのため、筋骨隆々としたむくつけき男が、いつもその傍らに可愛らしいお人形さんを抱えている光景は、常にや誘惑と隣り合わせに生きている華南の男たちの覚悟にして未練であり、それを指さして笑うような不届き者はいなかったのである。少なくとも昔は。しかしその後、航海技術の発達によって商売範囲が拡大するとそんな習慣を知らない未開人たちが「まったく華南の男と来たら、いつも人形なんか抱えて軟弱なものだ」と文字通り指さして大笑いするようになったため、恥ずかしくなった男たちが家族や友達に「もう恥ずかしいから人形を贈るのはやめてくれ」と次第に人形を持ち歩く風習は衰退して行った。そのため、最後まで風習を(削除) 迷信深く (削除ここまで)敬虔に守り続けていた上海の人々によって、いつしかその人形を「上海人形」と呼ばれるようになったのであった。

作り方[編集 ]

使いこなせば、何かと便利。

最初は五寸釘を打ち込んだ藁人形(には貫「徹」の意味が含まれ、無事に使命を果たして、寄り道せずまっすぐ帰って来るようにという願いが込められている。また、五寸という長さには「五体満足」の意味を含めており、さすがに五尺は長すぎるため五寸である)に簡素な服を着せただけのものであったが、次第にリアリティ(色々な意味で)が求められるようになり、18世紀ごろにはかなり精巧なものとなっていた。中でも顔や手足の部分についてはや石膏を彫り込んだだけのものから眼に瑠璃や水晶をはめ込んだりの部分に膠を塗って質感を出したり、爪の形に薄く削り出した鼈甲を指先に貼り付けるたりするまでの凝りようで、19世紀に欧米列強(イギリスフランスアメリカ)が上海に租界を設置した時、その美術的価値を高く評価した商人たちによって大量に買い漁られ、本国へと輸出されたほどである。その後すっかり風習としては廃れてしまった上海人形は本国で作られることはなくなったものの、ヨーロッパでは一部の根強い愛好家によって作られ続け(アメリカ人はすぐに飽きてしまった)、さらに一部では魔女の末裔たちによってかつての呪術的性質を保ったまま(あるいは現地の魔術と習合させ)、その製造法は密かに継承されたのであった。

外部リンク[編集 ]

関連項目[編集 ]

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