リアル鬼ごっこ (伝記)
リアル鬼ごっこ(りあるおにごっこ)は、2002年に山田悠介という一青年が珍妙なパラレルワールドに迷い込んでしまい、その世界で見た一事件を綴って同年中に刊行した伝記 のことである。文芸社と幻冬舎の二社で刊行された。
時にこの作品は「フィクション 小説 」だと誤って紹介されることがあるが、その凄まじい内容はフィクションとしても理解しがたい摩訶不思議なものであることから、バイロンの名言「事実は小説より奇なり」に基づき、本に書かれていることは「彼が実際に目撃した、ないし後の彼の調査で明らかになった出来事」(すなわち伝記)であると、現在では看做されている。
あらすじ[編集 ]
2002年、山田悠介はまだその名を世間で知られておらず、書籍や本や活字をほとんど読まない無名な青年であったが、有名になりたいという願望は願っていた。そして、当時まだ無名であった彼は、どうすれば世で認められるかを考え、彼は日々思考を巡らせる日々であった。
そんなある朝、彼は目覚めて床から起床して起き上がり、テレビをつけると、キャスターの言っていることがどうも変だというおかしなことに気づく。国会など政治や国政に関するニュースが全く報道されず、代わりに「王の施策がどうたら...」と近世 ヨーロッパの絶対王政国家を思わせる前近代的なニュースが流れていたことに気づいたのである。
そして「3000年12月18日から新しく公布される王の新たな新政策」なるものがニュースで流され、山田は自分が異世界へ紛れ込んでしまったことを知るのであった。山田はその異世界の中で佐藤翼というひとりの若い一青年と出会い、彼とこの異次元の社会がおりなす7日間の凄まじい一週間を山田は身をもって自ら体験することとなる......。
社会の特徴[編集 ]
山田の文章から読み取れるこの伝記上の社会の特徴は、「西暦3000年」とはいうものの天皇制に基づく議院内閣制ではなく絶対王政(らしきもの?)の元に政治が行われているらしいと推定されること以外、ほとんど我々がいた21世紀初頭の日本と概ね顕著な大差はあまりなく、それほどの目立った大きな著しい違いはないらしいと思われる社会であると推定されるらしいのではないかと思われるのではないかということと、この伝記上の社会には我々が現在いる今の日本と比べて余りにも頭の悪いのではないかと思われる人々しかいないと推定されるということが恐らくこの伝記上の社会の特徴ではないかと思われるのではないだろうか。
後者の「頭の悪い人々しかいない」ことが分かる理由は以下に示すが、それゆえ王政が当時までもってきたといえるかも知れない理由であると推測する。
- 王
- 鬼ごっこのルールに欠陥・不備が多く、穴だらけ
- 佐藤姓人口500万に対して追っ手の数が少なすぎる
- 鬼ごっこをする時間が無駄に短すぎる。何で探し&追いにくい時間帯に......
- 国外への逃亡、入籍や養子縁組など改姓、人里離れた山や孤島への逃亡......など、佐藤姓に逃亡・ゲーム脱出の糸口を数多く与えている
- 1対1のルールなんか定めていないのに、勝手にあったことにしてその改正を提案し、上に示した穴の改正は思いつかない[1]
- 佐藤姓の居所は把握しているはずなのに、ゴーグル以外の検索手段を与えない
- 王の家来
- 不満を投げかけられた段階で「王家以外の佐藤姓に苗字を変えさせて変更させることを指示する改姓命令を出す」案が出せなかった所
- 王の親族から側近まで王に不満を持っているのに、誰一人暗殺を企てないところ
- 敬語の無知
- 佐藤姓の残存数の把握に無駄に時間を要し、情報統制も機能していない
- 佐藤翼と周辺人物
- 大学生にもなって父の仕事内容を知らない
- 同じく叔父の存在を知らない
- 叔父の名前を聞き忘れる
- 妹の危機より父の通夜を優先する
- 妹を探すのに「(佐藤姓の住所や地図を)印刷する」「分担する」という案が出せない
- 事情が察せられようとも相手の傷口に塩を塗る行動をする
- 逃亡手段が行き当たりばったりで無駄ばかり
- 妹のために大阪へ来たのに妹の存在を忘れる
- その他佐藤姓の人々
- 前述の上に示した上記の穴に全く気づかず、更にはまともな逃亡をしようともしないで無策に捕獲処刑される
- 追っ手や社会に集団反抗しようとする動きがほとんど見えない
- その上、無駄に精神錯乱した行動をする
- 追っ手の方々
- 集団で捕まえることや武器の使用可否などルールに無いのに、上からそれを認められるまで活用せず、更には無駄にルールに律儀な行動をとってズルしない
- ゲームの矛盾に気づくまで1週間かかり、挙句に翼に委託することしか自責を感じていない
件の山田の書いた文章は感情優先で書かれているため、ほんとうの実態が実際のところどうであるのかを汲み取るのは困難で、なかなか容易ではなく難しいとされているが、頭の悪い人々の行動ばかりを見ているうちに当人の頭もおかしくなり、彼らの行動同様におかしな文章を書いてしまった可能性も否定できないのではないかという可能性も指摘されている。
文法について[編集 ]
上記でも少し触れたが、最初、文芸社から刊行された伝記は現代の日本語の文法から著しく逸脱した文章で構成されており、伝記内で使われる言葉は「Yamada語」と呼ばれることもある。
この文章で伝記がかかれた理由は不明であるが、以下のような様々な理由が推定されている。
- 単に文章力が無いだけ
- ほとんど書籍を読んだことの無い人が書いたため、山ほどの間違いを犯してしまった、という説。しかしそれならば、文芸社の人々が校正の段階で指摘したであろうという反論もなされており、現在では余り支持されていない。
- 意図的に独特な文章で書くことにより、注目を集めようとした
- ネット上での話題作となるよう、意図的にこれらの文体を使ったという説。この説に従えば、実際にこの本はその意味で世間において大きな注目を浴びるようになったため、山田の策略は成功を収めたとみなせよう。
- 精神錯乱を犯したまま書いてしまった
- 上述したように、現代日本の人々が見れば余りにも間抜けな行動をその世界の人々がとり続けたため、著者もパニックになり、そのままの状態で文章を書いてしまったことからこのような文章になった、という説。
- 山田が行った異世界の言語で書いてしまった
- 山田が行った異世界の王国ではこの文法が自然なものであった。そのため現地の言葉に慣れ親しんだ後、その言葉のまま文章を書き、それを日本語に翻訳するのを忘れて刊行してしまったことから、今の日本人が見ると珍妙な言葉遣いになった、という説。
- 日本語に反感を持っていた
- 作者が日本語の文法を嫌っていたため、それへの反抗の気持ちを込めてこの言葉遣いを採用したのではないか、という説。
しかし、その手の文章の愛好家にとっては好まれたにせよ、普通の日本人には向いていないのではないかという指摘もなされた。文芸社に続いてこの伝記を刊行した幻冬舎はそうした声を受け、更には差別化を図る目的もあって日本語に翻訳したうえでこれを出版している。
脚注[編集 ]
- ^ なおこの伝記を若干脚色して描いた漫画作品においては、「鬼ごっこが成立しないようなズルいことしちゃう奴等は、こっちもズルしてとことん捕まえる」という極めて適当な理屈により、これらの行為は禁止されている。