2009年12月15日
石けんの向こう側に見える景色〜内容報告
今日は朝から少し曇りの憂鬱な天気と思いながら、久々のAMネット入門講座のスピーカーなので少し緊張気味に会場(天人)に急ぎました。
少し早めに行ったので、豆カレーを注文し、食べながら準備していました。ぽつり、ぽつりと参加者が増え、12人程度になりました。先日AMネットのニュースレターの発送に手伝いに来てくれた人や事務局会議に顔を出してくれた方などいろんな方が来てくれました。
最初の自己紹介で今自分がやっている「エコな」ことについても話してもらいました。マイ箸から家庭菜園、生ゴミの肥料化まで様々なことをされていました。もちろん洗剤ではなく、石けんを使っている方もいました。
まずは、石けんと合成洗剤がどの程度環境負荷を与えているのかCOD(化学的酸素消費量)という汚濁指標を実際に測定して確認しました。パックテストという簡易測定キットを使用しました。結果は予想どおり、石けんのCOD値の方が高い結果となりました。簡単に言うと、石けんのほうが汚いということです。生分解性については石けんの方が合成洗剤より優れているのですが、同じ洗濯量を洗うと考えると、環境負荷の総量から見ると、必ずしも石けんが優れているとは言えない結果となります。
また石けんが熱帯雨林を破壊しているかという点については、パーム油を石けんの原料としていることを考えると、パーム油プランテーション開発による熱帯雨林破壊に寄与していることは違いないと言えます。
ここまでの話から考えると、エコと思って合成洗剤より石けんを使用しても、環境負荷は却って悪いし、しかも熱帯雨林の破壊にも寄与していると考えるとなにがエコなのかよくわからないということになってしまいそうです。自分が何か一つ行ったことが、プラスに働いていたりマイナスに働いていたり、目の前の起きていることだけでは簡単に判断できそうにない複雑な社会になっているといことです。
話を石けん戻すと、合成洗剤と石けんと比べても生分解性に大きな差はありません。それよりも洗濯し過ぎないことや洗濯する必要のないものまで洗濯していないかなど、別の観点から考えるほうがいいかもしれません。またパーム油についてもその用途から考えると、食品関係が90%以上で石けんなどの工業用途は10%程度なので、石けんや合成洗剤を止めてもパーム油はなくなりません。パーム油を生産しないのではなく、持続可能な生産のルールを広げるために生産者、NGO、消費国の企業などが参加して持続可能なパーム油のための円卓会議が開催されており、一つの方向ではあります。もちろんその実効性を検証する必要はありますが。
一つの負の出来事に対してできることは一つではなく、様々な方法があり、さらには新たな方法も生まれて来る必要があります。まずは考えて思いついたこと等をいろいろやってみようということです。ひらめき
石中 英司(AMネット)
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