2020年11月19日
緊急声明 「広域行政一元化条例は、住民投票で示された民意に反する」
緊急声明
「広域行政一元化条例は、住民投票で示された民意に反する」
NPO法人AMネット
大阪市廃止・特別区設置の住民投票で示された意思は「政令指定都市・大阪市を存続」させることだ。
詳細はまだ不明なものの、現在の知事・市長の発言から「広域行政一元化条例」は、都構想と同じく「大阪市の財源と権限を奪う」ものであり、「自治の否定」だ。
二度否決した民意を無視するものであり、主に以下理由から条例設置に強く抗議する。
1、財源・権限、自治の喪失。都構想とほぼ同じことが起こる。
大阪都構想が否決された主な理由は、
?@大阪市の廃止。
?A大阪市の税収と財産の約1/3を、大阪府に無償で移管。
(大阪市の持つ広域行政を府に移管するため、財源と権限をセットで失う)
?B市民サービスの悪化。
(収入は増えないのに分割コストが増える。権限も失い、市民サービスが悪化する)
であった。
広域行政一元化条例が制定されると、以下のように、大阪都構想とほぼ同じことが起こる。
-?@都構想と同じく、政令市の権限である広域行政を、大阪府に移管。
-?A都構想と同じ。大阪市の税収と財産の約1/3を大阪府に無償で移管。
-?B予算の硬直化。大阪市内での財源調整ができず、市民サービスが悪化。
これまでも高齢化等による社会保障費の増大に対応し、公共事業を減らすなどして大阪市内で財源調整されてきた。
しかしこの条例ができれば、大阪市は毎年、大阪府に税収の約1/3を差し出し、広域行政に使われる。
大阪市は残された金で、市民サービスを行うしかない。
つまり、大阪市に市民サービスに掛けるお金が不足し、大阪市が反対したとしても、
大阪市の税収で、カジノなど巨費のビッグプロジェクトを大阪府が進めることが可能になる。
これらすべて、都構想のデメリットとして懸念されていた内容そのものである。
2、水道、消防も大阪府へ。都構想と全く同じ。
都構想反対の理由として、水道料金の値上げの懸念も大きかった。
しかし、この条例では水道も、消防も大阪府に行くと想定されている。
これでは都構想と全く同じだ。
大阪市のままであれば当面の水道料金の値上げは不要だが、大阪府が決めることになる。
大阪府内で最も安価な、大阪市の水道料金は上がるしかない。
大阪市の水道民営化は2017年の市会で否決されたが、大阪府が民営化を決定した場合、大阪市は従わざるを得ない。
消防車や救急車を購入する権限すら大阪市が失う点も、この条例は都構想と同じである。
100億円もの税金を使い、二度否決された住民投票は一体何だったのか。
「究極の民主主義が住民投票」と言っていた知事・市長は、民主主義を否定するのか。
民意を無視し、実質的に都構想と同じ条例を出すなど決して許されない行為であり、条例設置に強く抗議する。