租税法の潮流 第二巻

金融取引の課税

新たな金融取引に対する租税政策の議論がどのように展開されてきたのかを追うことができる。テーマとして一貫性の高い第二巻。

著者 中里 実
ジャンル 税法・税務
税法・税務 > 租税法・税制(法令集・通達集含む)
法律 > 租税法
出版年月日 2021年10月20日
書店発売日 2021年10月16日
ISBN 9784419068103
Cコード 3032
判型・ページ数 A5・444ページ
定価 4,950円(税込)
在庫 在庫あり

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現実の経済活動に合致した租税法の理論形成に資するべく、
税実務とかかわりの深いテーマを選び、講演録や小論を集めたシリーズ。

「租税法の潮流」シリーズは、40年にわたる著者の研究生活のなかで発表してきた小論や講演録のうち、税実務とかかわりの深いものを選んでまとめた論文集です。租税に興味を持ち、あるいは今後の税制の行方に思いを馳せる実務家の方々に興味を持っていただけるようなものを整理・分類しています。

第二巻は、執筆時期等の関係で中里実「キャッシュフロー・リスク・課税」(有斐閣、1999年)に掲載できなかった、「税研」連載の諸論文を中心に、金融取引と課税に関する様々な論点について扱った論文や講演や小論を集めたものであり、テーマとして一体性が高く独立した巻となっています。重要な論点について詳しく論じた論文等が多く含まれており、金融取引に対する課税のあり方についてかなり本格的な議論が展開されています。それらは現在においても参考になる部分が少なくないでしょう。

第一章「法解釈」は、金融取引の課税について考える際に必要とされる法解釈のあり方について論じたものです。特に、課税が経済取引を対象として行われ、その経済取引が第一義的に私法により規律されていることを考えると、私法についての正確な理解なしに、金融取引の課税について論ずることはできないという点が具体例に即して強調されています。第二章「経済取引」は、課税の対象となる、デリバティブ等の(当時における)新しいタイプの金融取引の中身について、その課税問題を考える前提として論じたものです。課税の対象である経済取引の構造についての正確な理解なしには、それについての適切な課税を論ずることは困難であるという基本的発想が、背景に存在しています。そして、第三章「租税政策」は、金融取引の課税に関連する様々な租税政策上の論点について論じたものとなっており、第四章「タックスシェルター」は、ファイナンスの技術や金融取引を応用して開発・利用された様々な課税逃れ商品について論じています。そして最後の第五章「税制改革」では、金融取引の課税に関する税制改革について検討したものとなっています。

【著者プロフィール】
中里 実(なかざと みのる)
昭和53年、東京大学法学部卒業。同年、東京大学法学部助手(指導教官、金子宏教授)。その後、一橋大学助手・講師・助教授、東京大学助教授を経て、平成9年1月より令和2年3月まで、東京大学大学院法学政治学研究科教授。令和2年4月より西村高等法務研究所理事、令和2年6月より、東京大学名誉教授。現在に至る。

第1章 法解釈
一 事実認定・私法上の法律構成による「否認」と重加算税
二 国内事業所得と国内資産所得の関係
三 事実認定による「否認」と契約の読み替え
四 「租税法と私法」論再考
五 「租税法と私法」論再々考
六 租税回避の概念は必要か
七 政策税制の政策目的に沿った限定解釈

第2章 経済取引
一 structured finance における信託の利用と課税―覚書―
二 レポ取引の課税について
三 続・レポ取引の課税について
四 金銭債権譲渡と所得課税
五 相互売買は売買か交換か
六 外国法人の資産の運用・保有による所得とデリバティブ
七 損害保険に関する課税上の扱い

第3章 租税政策
一 租税会計の向かうべき方向
二 経済政策と租税政策の整合性
三 金融取引から情報取引へ
四 時価,組織体,無形資産
五 経済学者の考える『法』
六 フレクシビリティーの確保とリアル・オプション
七 法律学への経済学の浸透

第4章 タックスシェルター
一 利益・損失の付替えと課税
二 クレジット・リスクについて
三 アメリカのタックスシェルター産業についての報告書
四 タックスシェルター対抗策
五 タックスヘイブン対策税制と赤字子会社
六 タックスヘイブン対策税制
七 タックスヘイブン親会社

第5章 税制改革
一 貸倒損失―時価主義の下の資産評価
二 不良債権の処理と租税法
三 国際的脱税等に関する最近のアメリカの動き
四 租税法研究の将来
五 アメリカ租税法における実務と研究
六 タックス・プロフェッショナルの苦悩―『デフレ下の法人課税改革』を振り返って
七 法人事業税の外形標準課税資本割における持株会社の扱い

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