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長期離脱中の錦織が激白「このまま終わってしまう可能性はゼロではない」

[ 2023年12月22日 11:00 ]

WOWOWのインタビューに応じた錦織
Photo By 提供写真

左膝の負傷からの復帰を目指す錦織圭(33=ユニクロ)が12月中旬、米フロリダ州IMGアカデミーでWOWOWの独占インタビューに答えた。股関節負傷による長期離脱から1年8カ月ぶりの復帰戦となった6月のツアー下部チャレンジャー大会で優勝。7月にはツアー復帰して8強入りしたが、この大会で左膝に痛みを発症して再び長期離脱に入った。インタビューは34歳の誕生日である12月29日に午後9時から「錦織圭2023 密着 今、そして未来」で放送・配信される。

――いろいろなケガを乗り越えてきたが、今年のケガは本当に苦しく見える。

「モチベーションがなくなることはないと思います。苦しいは苦しいですけど、自分で認めて納得しながらやっている気もするので、苦しんでいるというよりは戦っているという感じですね。先が見えないということが一番辛い。復帰におけるステップはどれも大変なのですが、自分で変えられないことだし、ここで悩んでも無駄だから、もう前だけ見ようと決めてやっているような感じです」

――日本でのチャレンジャー大会出場が期待された11月の4週間の心境は?

「あそこはちょっと自分の中でショックが大きかったです。まず(10月の)ジャパンオープンに出られなかったという部分と、せめて(日本での)チャレンジャー大会で1、2大会、さすがに間に合うだろうと思っていたのですが、その望みもかなわず。日本の大会に出るという自分の中でも目標があって、そこに間に合わなかったというのがかなりショックが大きかった」

――今の気持ちを一言で表すと?

「プレーしたいという気持ちを抑えて、ケガが治らないのはどうしてだろうという気持ちも抑えて、ぐっと蓋をしてやっているので、ずっと気持ちは一定でいます。上がらず下がらず、気持ちをAIのように、自分は機械だと思い込んでリハビリしたり、トレーニングしたりしていました」

――気持ちを抑えないとどうなる怖さがある?

「どうですかね、テニスをやめたいというのは、まだ出てこないと思うんですよね。自分の1番好きなテニスと、今まで積み上げてきたものを簡単に手放すのはもったいないなっていうところです」

――なぜ引退しないのか?との質問にはどのように答える?

「自分がそんなに良い成績を残したとは思えないです。どちらかというとまだ悔いは残りますから。満足というか、そういう気持ちが正直ひとつもないので。ただテニスが好きっていうことでやっている気がしますね。周りがどう思っているかはあまり気にしたことがないかもしれないです」

――グランドスラムで優勝したい、世界一になりたいという目標があったが。

「今はそれどころじゃないですね(笑)。まず復帰する、ケガを治すというところ。トップ10に戻れたらいいなと、なんとなく思っていますけど、選手もガラッと変わって、若い選手が出てきて、テニスがさらにパワーとスピードが求められるようになって、簡単ではないことはわかっていますが、あそこ(トップ10)に入れたらいいなという気持ちはあります」

――まだまだやり切った感はない?

「そうですね。この2、3年は自分の中で止まっていたりするので、良い意味で考えれば、気持ち的にバーンアウトしてないというか、どちらかというとハングリーな気持ちの方が強いので、後は身体の問題がどうなるかですね。まずはケガが治ってくれるのか、体が持つかっていうところ。そこ次第」

――来年のイメージは?

「また、グランドスラムでプレーしたいというのと、(最終的に)トップ10に戻ること。多分1年では戻れないと思うので、まずはしっかりと1年を戦えるようになること。それを第一の目標にしています」

――今のテニスへの思いは?

「自分の最大の趣味で、タイムリミットがあるので、その中で悔いなく楽しんでできたら、悔いはなくなるのかなと思います。このままケガで終わったとしても、自分の人生がそういうものだったのだなと、どういう形であれ受け止めると思います。でも理想はもうちょっとやって楽しんで終われたらいいですね。このまま終わってしまう可能性はゼロではないですが、そうならないように頑張ります」

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