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【白鵬杯】山田町の小学生が初出場 宮城野親方「本当に感慨深い」震災後の運命的な出会いから12年

[ 2023年2月12日 21:00 ]

佐藤真士くん(右)の取組を見守る宮城野親方(後列左端)=撮影・前川 晋作
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少年相撲大会「白鵬杯」が12日、東京・両国国技館で行われ、122チーム、計920人の選手たちが熱戦を繰り広げた。今年は3年ぶりに海外チームを招待。ウクライナやモンゴルなど7カ国も参加した。

岩手県山田町の小中学生3人も初参加。小学6年生の佐藤真士くんは11年3月生まれで、東日本大震災直後に慰問に訪れた当時の横綱・白鵬(現・宮城野親方)に抱っこしてもらったという過去があった。運命に導かれるように小学2年生の頃から相撲を始め、今回初めて出場した。

試合の結果は1回戦敗退。「上には上がいると思った。もうちょっと強くなりたい」と悔しがった。試合時には宮城野親方に土俵近くで見守られ「緊張したけど、白鵬さんの前で相撲取れたのはよかった」と貴重な経験になっていた。

佐藤くんの父・哲也さんは「小学生最後の大会なので、今までよくやってくれたな」と感謝。東日本大震災による津波で地元の土俵は流され、横綱・白鵬を中心とした力士会からの寄付金で翌年再建された土俵で、これまで稽古を積んできた。哲也さんは「ここまでよく来たな、よかったな...」と感慨深く語ると言葉を詰まらせ、目を潤ませた。震災を乗り越え、宮城野親方と相撲がつないだ運命的な縁に感極まる思いだった。

宮城野親方は、12年前に抱っこした赤ちゃんが成長して国技館で相撲を取っている姿に「本当に感慨深いものがありますね。あの時の子が育ってこの大会に参加するというのは不思議な感覚」としみじみ。佐藤くんには「今日は負けたけど参加することに大きな意味がある」と言葉を贈った。

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