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×ばつジブリ鈴木敏夫 旧友対談】ジブリ史上"最低動員"映画は超名作「千と千尋を恨みましたね」

[ 2023年12月22日 17:10 ]

落合博満氏と対談したスタジオジブリの鈴木敏夫氏
Photo By スポニチ

現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が22日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。好評対談企画「博満の部屋」第5回目として、株式会社スタジオジブリ代表取締役議長で数々のジブリ映画プロデューサーとして活躍する鈴木敏夫さん(75)をゲストに招いて対談を行った。

スタジオジブリで、歴史に残る名作の一つが「となりのトトロ」(1988年)だろう。ところが、鈴木さんは「『となりのトトロ』と『火垂るの墓』っていうのが本当にお客が入んなくて」と、実は興行収入で大苦戦していたと明かした。これには落合氏も「トトロは入らなかったんだ」と驚いた。

鈴木さんは「全然ダメだったんですよ。ジブリの全作品の中で1番入らなかったのは『トトロ』です。だから、世の中って不思議なんですよ」と振り返った。

実は制作段階で、「となりのトトロ」は周囲から不評だったという。「何でかっていったら、"昭和30年、オバケと子供たちの交流を描く"って言ったらね。戦争を知ってるおじさんたちはみんな反対でしたね。"昭和30年なんて冗談じゃない。あんな時代いいことなんか何もねえよ"」と、とにかく反対意見が多かった。

それでも鈴木さんは信念を持ち、制作に携わった。決して前向きではなかった映画会社を口説き落としてまで配給したが、「やったんですけれど、残念ながら全4週間やって集めたお客さんが42万人」。鈴木さんは続けて「これがどういう数字かっていうとね、後に『千と千尋の神隠し』っていうのやるんですけれど。初日に45万人集めてんですよ。だから、僕ね、『千と千尋』を恨みましたね。かわいそうになっちゃったんですよ、『トトロ』と『火垂る』が」と苦笑いした。周囲を説得し、自分が先頭に立って制作に携わっただけに、余計に自戒の念が強かったという。

落合氏は「でも、スタジオジブリっていったら、『トトロ』が代表作みたいな感じじゃないですか」と首をかしげ、鈴木さんも「だから、不思議なんですよ。1番入らなかった映画が結局、ジブリを支えてくれるのはね、トトロのぬいぐるみですよ」と回想。落合氏は「うちの女房も、トトロの商品いっぱい買い込んだもん」と話すと、鈴木さんは「ありがとうございます」と思わず頭を下げた。

実は、人気が急上昇するきっかけはテレビ放送。「徳間(書店)がよく頑張ってくれましたね。氏家(齊一郎)さんも頑張ってくれた」と、元日本テレビ会長で、副社長時代にジブリとの提携を推進した氏家齊一郎さんの名前を挙げた。

「全くダメだった『トトロ』をね、すごいお金出して放映権買ってくれたのが氏家さんなんですよ。これがね、日テレとのつながり」と断言。今年の9月に日本テレビは「スタジオジブリ」を子会社化しているが、「だから、日テレに協力してもらおうかな、と思ったのは氏家さんのせいです。だって、1番困ってた時に、『トトロ』をテレビでね、それもゴールデンタイムで放映してくれたのは彼ですから」とキッパリ。「僕は、どこのテレビ局がなんだっていうのはないんだけれど、やっぱり氏家さん。あの人には世話になりましたね」としみじみと語った。

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