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藤井竜王 「課題」の後手番で隙なし先勝 11日王座戦第4局へ弾み「気負わず臨めれば」

[ 2023年10月8日 05:09 ]

藤井竜王は伊藤七段を下し感想戦を行う(撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

将棋の第36期竜王戦7番勝負第1局は7日、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で第2日を指し継ぎ、後手の藤井聡太竜王(21)=王将、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が挑戦者・伊藤匠七段(20)に82手で先勝した。

3連覇を目指す藤井は、自ら「課題」と認める後手番での快勝劇で好スタートを切った。戦型選択権のある先手と違い、相手の出方に対応しなければならない立場だが「相掛かりになると本譜の形も考えられた」と、想定内の進行に慌てるそぶりは全くなかった。ただし第1日の午前中から激しい戦いとなり「こちらが軽い形で押さえ込まれそうな局面が続き、中盤にかけて自信の持てない展開が多かった」と省みる。

それでもゲインラインを突破されるには至らず、第2日開始早々には「仕方なく」と言いながら飛車を切って角を獲得。序盤に交換していた角を含め、2枚の大駒を敵陣左に配して制圧した。一方で自陣は安泰をキープ。8時間ある考慮時間を1時間9分余し、ワンサイドゲームに近い形で容赦のない1勝を挙げた。

終局後の感想戦。通常なら1時間前後行われるところ、27分で終了した。決定的な分岐点などの検討局面が極度に少なかったのだろう。「一局を通し、判断が難しい将棋だった」のコメントとは対照的な完勝だった。

苦手のはずだった後手番も、今年度はこれで10勝4敗(未放映対局を除く)。どこが課題なのかと突っ込みを入れたくなる。

次戦は11日に京都で行われる王座戦5番勝負第4局。永瀬拓矢王座(31)相手のシリーズ成績は2勝1敗で、前人未到の全8冠制覇は完全に射程内だ。「数日後になるので、コンディションを整え、気負わず臨めればと思っています」。過去に数々の歴史が刻まれた秋本番の古都で、新たな快挙が生まれようとしている。

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