協定相手国別の注意事項(イタリア)

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更新日:2024年3月8日

1.適用調整の対象となる制度について

日イタリア協定において適用法令の調整が行われる対象となる制度は、以下のとおりです。

日本側は年金制度と雇用保険制度が対象です。
イタリア側は年金制度(注)と失業保険制度が対象です。


日本からイタリアに派遣される方は、日本の年金制度や雇用保険制度に加入していること等を条件として派遣を開始した日(協定発効日以前からすでに派遣されている方は協定発効日)から5年以内で当該派遣が終了するまでイタリアの年金制度(注)や失業保険制度は適用免除となります。

日本の年金制度と雇用保険制度の両制度に加入している方がイタリアに派遣される場合は、日本で発行された適用証明書の裏面に、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写しを貼付した上で、派遣先のイタリアの事業所へ証明書の写しを提出してください。イタリア当局から証明書の提示を求められたときは提示してください。

日本で年金制度には加入しておらず、雇用保険制度にのみ加入している方が、一時的にイタリアに派遣される場合に必要となる適用証明書の申請方法については、厚生労働省職業安定局雇用保険課適用係(03-5253-1111)までお問い合わせください。

(注)イタリアとの協定において、適用調整の対象となるイタリアの年金制度は、以下のとおりです。

  1. 民間被用者が加入する被用者の障害年金、老齢年金および遺族年金に関する一般強制保険
  2. 自営業者が加入する自営業者に関する一般強制保険の特別制度
  3. 準従属労働者(組織的かつ継続的な労働に従事する独立労働者)が加入する一般強制保険の分離制度
  4. 公務員、教員、ジャーナリストおよび興行関係者が加入する1.に規定する一般強制保険を代替し、および除外する保険制度

2.海上航行船舶の乗組員の取り扱い

海上航行船舶において就労する被用者については、一方の締約国の旗を掲げる船舶において就労をする場合は、当該一方の締約国の法令のみを適用することとなります。一方の締約国の旗を掲げる船舶において就労をするにも関わらず、雇用主の所在地および申請者の居住地が他方の締約国の場合は、当該他方の締約国の法令のみを適用することとなります。

3.一時派遣期間の延長について

派遣(自営活動)期間が5年を超えて継続される場合には、当初の派遣期間と延長期間の合計が10年を超えないことを条件に、両国の関係機関間で個別に判断の上、合意した場合に限り、引き続き派遣元国の制度にのみ加入することができます。

4.協定発効日以前からイタリアに派遣されている方の手続き

協定発効日以前からすでにイタリアで就労している被用者および自営業者の方も協定発効日から起算して5年を超えないと見込まれる期間内で派遣等が終了する予定であれば、日本の制度のみに加入し、イタリアの制度の加入が免除されます。この場合、協定発効日以降に日本年金機構に適用証明書交付申請書を提出し、適用証明書の交付を受けてください。その後、イタリア国内の派遣先事業所を通じてイタリア当局へ適用証明書を提示し、イタリア制度からの脱退手続きを行ってください。

なお、イタリアとの協定においては、このような方が協定発効日までさかのぼってイタリア制度の加入が免除されるためには、適用証明書交付申請書の受付日が協定発効日から6カ月以内である必要があります。もし、受付日が6カ月を超えた場合は、協定発効日までさかのぼって免除されず、両国の関係機関間で免除の開始日を確定させるための協議を行ったうえで申請書の受付日からイタリア制度の加入が免除されることになります。(6カ月を超えて適用証明書交付申請書を提出する場合は、就労の形態欄の「協定第10条該当」のチェックボックスへのチェックおよび「備考」欄にどのような不利益を被るかを具体的に記入する必要があります。)

5.イタリアの老齢年金の申請

イタリア老齢年金(pensione di vecchiaia)の原則的な受給要件は以下のとおりです。

  1. 20年の保険料納付期間を有していること。ただし、EU域外に住む非EU市民(日本に住む者を含む)であり、1996年前に保険料納付期間がない場合には、この要件を満たす必要はありません。 ((注記)1)
  2. 67歳((注記)2)に達していること。
  3. 就労をしていないこと

((注記)1)住んでいる国や保険料を納付した時期により要件が異なります。詳細はイタリアの実施機関のホームページを確認してください。
((注記)2)平均余命に応じて調整されます。

老齢年金の申請は、受給権発生の3カ月前から行うことができます。

イタリアの老齢年金は最大5年さかのぼって受け取ることができます。

6.イタリアの年金の受取方法

日本に在住している方は、日本国内の銀行口座によりイタリアの年金を受け取ることができます。

7.イタリア在住者の所得税の取り扱い

イタリアに居住している方が日本の年金を受給する場合、年金に対する所得税はイタリアで課税対象となり、日本では非課税となります。

この取り扱いを受けるためには、「租税条約に関する届出書(様式9)」を提出する必要があります。届出書を新規ウインドウで開きます。日本の国税庁ホームページ(外部リンク)から取得して、二部作成し、日本年金機構本部に提出する必要があります。