在職老齢年金の計算方法

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更新日:2024年4月1日

概要

老齢厚生年金を受給されている方が厚生年金保険の被保険者であるときに、受給されている老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額に応じて年金額が支給停止となる場合があります。
なお、平成19年4月以降に70歳に達した方が、70歳以降も厚生年金適用事業所に勤務されている場合は、厚生年金保険の被保険者ではありませんが、在職による支給停止が行われます。
(注記)65歳未満の方の令和4年3月以前の年金については、支給停止の計算方法が異なります。

用語の説明

  • 基本月額
    加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)の月額
  • 総報酬月額相当額
    (その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12
    (注記)上記の「標準報酬月額」、「標準賞与額」は、70歳以上の方の場合には、それぞれ「標準報酬月額に相当する額」、「標準賞与額に相当する額」となります。

計算方法

在職老齢年金の計算方法のフローチャート

(注記)令和6年度の支給停止調整額

在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式

  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円(注記)以下の場合
    全額支給
  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円(注記)を超える場合
    基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円(注記))÷2

(注記)令和6年度の支給停止調整額

令和4年3月以前の65歳未満の方の在職老齢年金による年金支給月額の計算式

  • 基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合
    全額支給
  • 総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円以下の場合
    基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2
  • 総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円超の場合
    基本月額-総報酬月額相当額÷2
  • 総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円以下の場合
    基本月額-{(47万円+基本月額-28万円)÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}
  • 総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円超の場合
    基本月額-{47万円÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}

留意事項

  • 厚生年金基金に加入していた期間がある場合は、厚生年金基金に加入しなかったと仮定して計算した老齢厚生年金の年金額をもとに基本月額を算出します。
  • 厚生年金基金加入期間がある人の年金は、老齢厚生年金のうち報酬比例部分の一部が代行部分として厚生年金基金から支払われます。このため、在職老齢年金の停止額を計算するにあたっては、代行部分を国が支払うべき年金額とみなして、基本月額を算出します。
  • 年金支給月額がマイナスになる場合は、老齢厚生年金(加給年金額を含む)は全額支給停止となります。
  • 老齢基礎年金および経過的加算額は全額支給となります。
  • 70歳以上の方については、厚生年金保険の被保険者ではありませんので、保険料負担はありません。

支給停止期間や支給停止額の変更時期

支給停止期間

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円(注記)を超えている期間
(注記)令和6年度の支給停止調整額

支給停止額の変更時期

総報酬月額相当額が変わった月または退職日の翌月(注記)
(注記)退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金保険に加入した場合を除く

年金の受給権が発生した後の被保険者期間が年金額に反映される時期

在職老齢年金を受けている65歳以上の方が9月1日に厚生年金に加入しているとき

厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている65歳以上70歳未満の方が、基準日の9月1日において被保険者であるときは、翌月の10月分の年金額から見直されます。これを「在職定時改定」といいます。
なお、9月1日前に被保険者の資格を喪失して、そこから9月1日をまたぎ、1月が経過する前に被保険者の資格を取得したときは、基準日の9月1日において被保険者ではありませんが、在職定時改定として年金額の再計算が行われます。(例:8月25日資格喪失、9月3日資格取得)

  • 年金額に反映されていない前年9月から当年8月までの厚生年金に加入していた期間を追加して、年金額の再計算が行われます。

(注記)令和4年10月分については、65歳到達月から令和4年8月までの厚生年金に加入していた期間も、再計算の対象となります。
(注記)年金額が再計算された結果、支給停止額が変更となる場合があります。

在職老齢年金を受けている方が退職したとき(70歳に到達したとき)

厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている70歳未満の方が、退職して1カ月を経過したときは、退職した翌月分の年金額から見直されます。これを「退職改定」といいます。また、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている70歳未満の方が、70歳に到達したときは、70歳到達した翌月分の年金額から見直されます。

  • 年金額の一部または全部支給停止がなくなり、全額支給されます。
  • 年金額に反映されていない退職までの厚生年金に加入していた期間を追加して、年金額の再計算が行われます。

(注記)退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金に加入したとき(転職など)は、年金額の再計算は行われません。

留意事項

年金額の再計算について、下記の点にご注意ください。

  • 70歳以上の期間は、厚生年金に加入していないため、年金額の再計算には反映しません。
  • 年金額の再計算により厚生年金加入期間が20年を超えたときは、加給年金が支給される場合や、配偶者に対して振替加算が支給される場合があります。その際は、別途、手続きが必要となります。

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