遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
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更新日:2024年4月1日
遺族厚生年金を受給するためには一定の要件が必要となります。
受給するための要件、対象となる遺族、年金額は以下のとおりです。
遺族厚生年金の受給要件
次の1から5のいずれかの要件を満たしている方が死亡したときに、遺族に遺族厚生年金が支給されます。
- 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
- 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
- 1および2の要件については、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。ただし、死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
- 4および5の要件については、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります。
遺族厚生年金の受給対象者
死亡した方に生計を維持されていた以下の遺族のうち、最も優先順位の高い方が受け取ることができます。なお遺族基礎年金を受給できる遺族の方はあわせて受給できます。
- 子のある配偶者
- 子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)(※(注記)1)
- 子のない配偶者(※(注記)2)
- 父母(※(注記)3)
- 孫(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)
- 祖父母(※(注記)3)
※(注記)1 子のある妻または子のある55歳以上の夫が遺族厚生年金を受け取っている間は、子には遺族厚生年金は支給されません。
※(注記)2 子のない30歳未満の妻は、5年間のみ受給できます。また、子のない夫は、55歳以上である方に限り受給できますが、受給開始は60歳からとなります(ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金を受給できます)。
※(注記)3 父母または祖父母は、55歳以上である方に限り受給できますが、受給開始は60歳からとなります。
遺族厚生年金の年金額
遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。
なお、上記受給要件の1、2および3に基づく遺族厚生年金の場合、報酬比例部分の計算において、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
65歳以上で老齢厚生(退職共済)年金を受け取る権利がある方が、配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときは、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。
次のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金(※(注記)1)には、40歳から65歳になるまでの間、612,000円(年額)が加算されます。これを、中高齢寡婦加算といいます。
- 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子(※(注記)2)がいない妻。
- 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(※(注記)3)が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。
※(注記)1 老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときは、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で共済組合等の加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たした方はその期間)以上の場合に限ります。
※(注記)2 「子」とは次の方に限ります。
- 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
- 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の障害の状態にある子
※(注記)3 40歳に到達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けている妻。
※(注記)4 平成19年3月31日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている方は、上記1.と※(注記)3の「40歳」を「35歳」と読み替えてください。
次のいずれかに該当する場合に遺族厚生年金に加算されます。
- 昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき(上記4および5の受給要件に基づく場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で共済組合等の加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たした方はその期間)以上の場合に限ります。)
- 中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である妻が65歳に達したとき
経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢寡婦加算の額と同額程度となるよう決められています。
65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合
平成19年3月31日までは、原則、どちらを受けるか選択することとなっていましたが、平成16年の年金制度改正により、平成19年4月1日からは、自分自身が納めた保険料を年金額に反映させるため、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある方は、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。
平成19年4月1日前に65歳以上である遺族厚生年金受給権者の取り扱い
平成19年4月1日前に遺族厚生年金を受ける権利を有し、かつ、同日においてすでに65歳以上の方は、平成19年4月1日前と同様に、次の1から3のうち、いずれかの組合せを選択することになります。
ただし、3は、遺族厚生年金の受給権者が、死亡した方の配偶者である場合に限ります。
- 「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金」を受給する
- 「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を受給する
- 「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金の3分の2と老齢厚生年金の2分の1の合計」を受給する