外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ(令和7年度一部変更)(概要)
令和4年6月、我が国が目指すべき外国人との共生社会のビジョン、それを実現するために取り組むべき中長期的な課題及び具体的施策を示すロードマップを決定しました。令和7年度にも、前年度に続き、施策の着実な実施を図るため、その実施状況について有識者の意見を聴取した上で点検を行い、施策の見直し等を実施しています。(105施策)
1 目指すべき外国人との共生社会のビジョン(三つのビジョン)
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安全・安心な社会
これからの日本社会を共につくる一員として外国人が包摂され、全ての人が安全に安心して暮らすことができる社会
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多様性に富んだ活力ある社会
様々な背景を持つ外国人を含む全ての人が社会に参加し、能力を最大限に発揮できる、多様性に富んだ活力ある社会
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個人の尊厳と人権を尊重した社会
外国人を含め、全ての人がお互いに個人の尊厳と人権を尊重し、差別や偏見なく暮らすことができる社会
3 重点事項に係る主な取組
1 円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組
- 都道府県等が行う日本語教育を強化するための総合的な体制づくりを着実に推進するとともに、市区町村が都道府県等と連携して行う日本語教育を含めて支援【文科省】《1》
- 生活オリエンテーション(日本で生活するための基本的な情報提供、初歩的な日本語学習)動画の作成・活用等により社会制度等の知識を習得できる環境(来日前を含む。)を整備【法務省】《6》
- 生活場面に応じた日本語を学習できるICT教材の開発・提供等【文科省】《8》
- 来日前に円滑なコミュニケーション力を身に付けるための海外における日本語教育環境の普及【外務省】《9》
- 日本語教育機関認定の開始及び登録日本語教員の資格制度の円滑な運用【文科省】《11》
- 企業等からの教育投資により認定日本語教育機関がニーズに応じた質の高い教育を提供するモデルの確立【文科省】《12》
2 外国人に対する情報発信・外国人向けの相談体制の強化
- 「生活・就労ガイドブック」及び「外国人生活支援ポータルサイト」の掲載方針を作成、公表【法務省】《18》
- 外国人受入環境整備交付金の見直し等による一元的相談窓口の設置促進【法務省】《21》
- 多言語翻訳技術について、実用レベルの「同時通訳」の実現及び重点対応言語の21言語への拡大に向けた取組【総務省】《24》
- 外国人支援を行う地域の関係機関による合同の相談会の実施等【法務省】《28》
- 外国人支援人材の育成や、専門性の高い支援人材の認証制度等に係る検討【法務省】《31》
- やさしい日本語の普及に向けた研修の実施等【法務省】【文科省】《32・33》
3 ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援
- 子育て中の親子同士の交流や子育て中の不安・悩みを相談できる場の提供等を行う地域子育て支援拠点事業の実施【こども家庭庁】《34》
- 住民基本台帳システムと学齢簿システムとの連携により、外国人の子どもの就学状況の一体的管理・把握を推進【文科省】《37》
- 外国人材にとって魅力的な子供の教育環境のモデルの開発及び全国の自治体や学校等への横展開の実施【文科省】《47》
- 公立高等学校入学者選抜において外国人生徒を対象とした特別定員枠の設定及び受検に際しての配慮の取組を推進【文科省】《49》
- 高等学校において、日本語の個別指導を教育課程に位置付けて実施する制度の活用【文科省】《51》
- ハローワークの外国人雇用サービスコーナーにおける専門相談員や通訳の配置による適切な職業相談の実施、外国人の雇用管理に関する周知・啓発【厚労省】《59》
- 定住外国人を対象とした、日本語能力に配慮した職業訓練の実施【厚労省】《63》
- 年金制度に関する周知・広報の継続・充実【厚労省】《65》
4 共生社会の基盤整備に向けた取組
- 外国人との共生に係る啓発月間の創設、各種啓発イベント等の実施【法務省】《69・70》
- 学校における、異文化理解・多文化共生の考え方に基づく教育の更なる普及・充実を推進【文科省】《73》
- 外国人労働者の労働条件等の雇用管理、労働移動等の実態把握のための統計調査の実施【厚労省】《77》
- 在留資格手続上の利便性向上と正確な情報に基づく円滑な審査の実施による適正な在留管理を目的とした関係機関間の情報連携に向けた取組【法務省】《84》
- 在留資格手続のオンライン申請等における完全オンライン化の実現及び利便性向上【法務省】《85》
- マイナンバーカードと在留カードの一体化による利便性向上【法務省】《87》
- 育成就労制度の創設等に伴う外国人材の受入れ環境の整備【法務省、厚労省】《93》
- 先導的な地方公共団体の取組に対する新しい地方経済・生活環境創生交付金による支援の実施【内閣官房】《99》
- 事案に応じた送還形態の一層の充実等による送還及び自発的な出国の促進【法務省】《104》
※(注記)赤字のものは、令和7年度一部変更に伴う新規施策、青字のものは、主な見直し施策、数字は施策番号
4 推進体制
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計画期間は令和8年度(2026年度)まで
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有識者の意見を聴きつつ毎年の点検による進捗確認、必要に応じ施策の見直し
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総合的対応策において、当該年度に実施すべき施策を明示
5 令和7年度見直し点等
有識者からの主な指摘事項
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政府発行のガイドブック等の認知度を向上させるため、引き続き工夫が必要である。
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全住民に占める外国人住民の割合が上がったことにより市町村が置かれた状況の変化や課題等がないか実態調査等をすべきである。
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アウトプット指標が曖昧であるため、評価が難しい項目がある。
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施策が想定どおりの展開になるのか、そこに意図せざる結果は生じないのかと考える視点をもって、検討を進めながら施策を推進してほしい。
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地域の現状や施策の進捗状況に鑑みて、継続する必要性が低くなった施策があれば、立ち止まったり、方向性を変更したりするなど積極的に修正を行うことも視野に入れてほしい。
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その他、個別施策に対する指摘事項等
主な見直し
工程表見直し 11件
KPI指標見直し 6件
新規・施策内容の見直し 7件