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世界の有機食品市場の動向を踏まえた我が国の有機食品市場の見通しに関する研究

欧米の有機農業政策及び国内外の有機食品市場の動向と我が国有機農業及び食品市場の展望

研究総括者

学校法人 立教大学経済学部経済政策学科 准教授 大山 利男

共同研究機関

公立大学法人 秋田県立大学
学校法人 常翔学園摂南大学
国立大学法人 鹿児島大学
静岡県立農林環境専門職大学

研究の背景と目的

有機農業・有機食品市場に関する統計はJAS有機表示制度を利用したデータが公表されているものの不十分な状況であり、その特徴やトレンドを把握することは困難な状況にある。本研究では、有機食品市場の流通実態・構造を把握した上で、日本の有機農業・有機食品市場の動向と規模を定性的・定量的に把握し、今後の市場動向や有機農業施策の展開方向について展望することを目的とする。

研究の内容

(1)欧米諸国の有機農業関連政策分析

欧米諸国における有機農業に促進的な効果をもつ関連施策の概要とその論点を明らかにする。また、EUが進める農政改革において有機農業はどのように位置づけられようとしているのかヒアリング調査を行う。

(2)欧米諸国の有機農産物・食品の統計データ分析

有機食品市場に関するデータ収集方法について、欧州諸国及びアメリカでヒアリング調査を実施する。その際には、有機食品市場の小売総額について複数の推計方法を比較し、高いデータ品質と国際的整合性を持たせた我が国での有機食品市場に関するデータ収集システムのあり方を検討する。

(3)国内の有機農産物・食品の生産と市場に関する動向分析

既存のデータ及びヒアリング調査により、有機農産物と有機食品の生産動向を把握し、(2)の欧米諸国の有機農産物・食品の統計データ分析の結果を援用して、有機食品市場調査を実施し、小売総額について推計する。

(4)有機農産物・食品の需要動向分析

国内消費者の購買決定要因の分析や、海外における有機食品市場の成長に寄与する要因の解明により、日本国内における有機農産物・食品の将来の需要動向について展望する。

(5)有機農産物・食品の輸出拡大とサプライチェーンに関する調査研究

グローバル市場における有機農産物・食品の取引は、大手小売業者が主導する不特定多数の消費者が自由にアクセスできる流通が一般的である。このようなオープンマーケット化した有機農産物・食品の流通実態に関する調査を進め、日本からの有機農産物・食品の輸出拡大の条件について検討する。

(6)認証表示制度によらない有機農産物流通の動向分析

第三者認証によらないPGS(参加型保証システム)などのシステムの概要と運用実態について調査し、JAS有機表示制度によらない有機農家(いわゆる非JAS有機農家)の位置づけをめぐる議論に資する論点を明らかにする。

(7)有機農業施策の展開方向に関する検討

以上の研究成果に基づき、日本の有機農業関連施策の今後の展開方向について検討する。

期待される成果

有機農産物・食品市場が定量的に把握され、市場構造が明らかになることにより、有機農業や有機農産物・食品に関わる政策の効果を評価する指標が得られる。

有機農産物及び食品の生産振興の諸条件の解明:EUの分析と我が国への示唆

研究総括者

国立大学法人 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 香坂 玲

研究の背景と目的

EUでは、有機農業・畜産は地域に根差した農業環境を保全・活用する方法として、急速に生産・需要が拡大している。EUとの貿易や観光を介した結びつきが深化する状況を踏まえ、本研究では、EU諸国における有機関連政策・制度のリスト化や供給側の参入条件の解明を行い、我が国における供給側の参入条件と比較・分析する。これにより、EUと我が国の差違を明確にした上で、我が国における有機産品・食品の生産振興に必要とされる施策の要点や枠組の提言を行うことを目的とする。

研究の内容

(1)EU諸国の有機関連政策・制度のリスト化

EU各国(フランス、ドイツ、オーストリア、イタリア)を中心に、有機産品・食品の普及に係る施策を網羅的に特定し、支援・補助の政策メニューのリスト化を行う。

(2)EUにおける有機産品・食品の供給側の参入条件の解明

生産、供給の担い手となっている大手スーパー、大規模農家、有機生産組合を対象に、支援制度の活用実態、輸入品の取扱量、有機への参入の動機・課題・メリット、有機認証の活用状況等についてヒアリング調査を行い、生産拡大のプロセスを特定する。

(3)EUと比較した我が国の有機産品・食品の供給側の参入条件の解明

我が国の関連事業者・生協・農協に対し、(2)と同様のヒアリング調査を実施し、EU諸国等と比較分析を行う。結果、有機産品及び食品の生産拡大に必要な我が国特有の諸条件を解明する。

(4)我が国の有機産品・食品の生産振興の諸条件を踏まえた普及策の提言

以上の調査結果を統合的に考察し、我が国における有機普及の発展段階と、将来需要の見通しを解明する。その上で、EUと我が国の社会的、環境的背景の違いを踏まえた、施策の我が国への応用方法や普及策の提言を行う。

期待される成果

有機農産物及び食品の生産・輸出拡大のための施策のリスト化や要点の特定を、EUと我が国の既存の制度比較を踏まえて行うことにより、今後必要とされる具体的な政策立案に資する知見が提示される。

お問合せ先

農林水産政策科学研究委託事業推進事務局

ダイヤルイン:03-6737-9042

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