農家として取り組む情報発信
農家の皆さんは、どんなねらいやツールで情報発信をしているのでしょうか。それぞれのやり方で情報を発信している2人の若手農業者から、現場の声を届けます。
プラットフォームを横断して 農業の魅力を伝える
妻が家族のために育てた野菜を子どもたちが「美味しい!」と喜んでくれた姿が野口ファームの原点です。mama-yasaiと呼んでいます。 たまねぎの収穫開始は5月で、12月には売り切れていたのですが、数年の試行錯誤の結果、11月に収穫可能となり、通年販売も実現しました。 年間30品目〜40品目の野菜を栽培し、消費者や青果店、レストランに直接販売するほか、産直ECサイトやJAにも出荷しています。
野口ファームが取り組む さまざまな情報発信
Facebook 情報発信のスタートはFacebookでした。日々の農作業について書くとたくさんの反響があり、どんどん楽しくなりました。 Instagram 最近、一番頻繁に更新しています。主婦の方たちからの反応が多い印象です。最新情報を発信し続けることが大事だと思います。 YouTube しっかりしたコンテンツは長く見てもらえるので、自分たちが伝えたいことをうまくまとめて発信することを心掛けています。 TikTok 外出自粛期間にスタートしたところ、多くの新規顧客の獲得につながりました。Instagramとはまた異なる層の方にリーチできます。 Podcast stand.fmで、農業を続けてきて気付いたことからビジネスに役立つ知識や考え方まで、自分自身の経験をもとに話しています。 レシピ紹介 購買者の方から届いたレシピを公開しています。基本フォーマットを作ってどなたでもレシピを作成しやすいよう工夫しています。 ウェブコラム 「かぼちゃの食べ方」などテーマを決めてコラムを掲載すると、検索からたどりつく人が増え、オンライン販売につながります。 オンライン販売 毎月野菜セットをお届けする定期便、単発の野菜セット、旬の野菜や米などをオンラインで販売し、売上も順調に伸びています。 国際交流 エストニアのNext innovationという企業と共同で、日本とエストニアの農業をリアルに学べるS☆koolを運営しています。
情報発信することのメリット
購買者がファンになってくれる 農産物とともに、自分たちのことを身近に感じてもらうことで、購買者がファンとなり、心強いサポーターのような関係を築くことができます。 新たなつながりが生まれる これまで野口ファームを全く知らなかった人に知ってもらうきっかけになります。遠くの人にも声が届きます。 ビジネスチャンスが得られる 農作物の販売の仕事だけではなく、アドバイザーや講演の依頼など新たなビジネスチャンスが生まれるきっかけになります。 スキルアップにつながる 農業者や他業種の人たちとの交流を通して、それぞれの得意なことを教え合う関係が生まれ、スキルアップにつながります。
インスタグラムで 農業のリアルを発信
鳥海山の麓にあるこの地域の米は、ブナの原生林から流れるミネラルを豊富に含んだ水で育つことから美味しいと評判です。 2021年からオンライン販売を開始しました。直接販売の比率は年々高くなっていて、これからも増やしていきたいと思っています。 稲作に農機は欠かせません。最近はドローンや色彩選別機、乾田直播用の機械も加わりさらなる高品質、省力化を目指しています。
情報発信で得られること
消費者の声が直接届く 直接販売が増えて、消費者とダイレクトにつながるようになりました。米を食べた感想も届くので、とても励みになります。 学びの機会が増える 農業者の知り合いが増え、栽培データの活用方法や流通ルートの開拓、補助金や経営面のことなどを学ぶ機会が増えました。 情報が広く行き渡る 山形県の豪雨災害時に動画で情報発信したところ、惨状が瞬時に伝わり地元にたくさんの支援物資が届いてとても助かりました。
官僚系YouTubeチャンネル BUZZ MAFF (ばずまふ)
今週のまとめ
農家の皆さんにとって情報発信には、販売やPRに繋がるだけでなく、多くのメリットがあります。自分たちのことをたくさんの人に知ってもらうことで、新たなつながりが生まれ、知識が深まり、ビジネスチャンスが広がります。情報を受け取る消費者も、選択の幅が広がります。
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