デバイス外来(DAT初診外来)
デバイス補助治療(Device Aided Therapy; DAT)とは?
パーキンソン病は、脳内のドパミンが足りなくなる結果、動作が緩慢になったり、関節が固くなったり、ふるえたりといった運動症状を中心に様々な症状を呈する病気です。治療の基本は薬物治療で、様々な薬剤を組み合わせながら、症状をコントロールしていくことで、元気な状態で日常生活を送ることができます。しかし、進行期では、薬が切れてしまい動きが悪くなるウェアリング・オフ現象や、体が勝手に動いてしまうジスキネジアといった、「運動合併症」が生じ、薬物療法のみで症状を安定した状態にコントロールすることが難しくなることがあります。
Olanow CW, et al.: Nat Clin Pract Neurol. 2006; 2(7): 382-392. [PMID:16932589]より作成
このような場合に、新たな治療選択肢となっているのが、デバイス(機械)を用いて、症状のコントロールを補助するデバイス補助療法(Device Aided Therapy; DAT)です。現在デバイス補助療法には、脳深部刺激療法(DBS)、レボドパ・カルビドパ経腸療法(LCIG;デュオドーパ®)、ホスレボドパ・ホスカルビドパ持続皮下注(LDP/CDP:ヴィアレブ®)がありますが、デバイスを用いた治療のためには、治療に精通した多職種チームによる診療科を超えた連携が必要とされています。
それぞれの治療法の詳細については、下記のページをご参照ください。
デバイス補助療法を検討中の患者さんへ
患者さん一人一人にさまざまな治療オプションがあり、それぞれ向き不向きがあります。
そのために、順天堂医院では、デバイス外来(DAT初診外来)を開設し、デバイス補助療法を希望される患者さんには共通の評価をさせていただいた上で適応を決定しています。
デバイス補助療法を希望された患者さんは、まず主治医にご相談いただいた上、当院のメディカルコンシェルジュを通じてデバイス外来(DAT初診外来)をご予約ください。
DAT初診外来を受診していただき、問診、診察をもとに、チームでスクリーニングを行います。そこで、明らかな適応外でないことを確認します。
※(注記)LDP/CDP(ヴィアレブ)をご希望されている方については、パーキンソン病センター「パーキンソン病初診外来」での予約・導入も可能です。
そして、順天堂医院でのDAT評価は外来と入院の二つのパートに分かれます。
外来での評価、そして、入院での評価を行い、最終的な評価の結果、現状で考えられる治療オプション、デバイスの種類について提案し、患者さんとご家族と一緒に治療法を選択していくことになります。
※(注記)当院が遠方など通院での検査が難しい患者様は入院のみでの評価も可能ですのでご相談ください。
また、DBSやLCIG(デュオドーパ)、LDP/CDP(ヴィアレブ)が自分に向いているのか相談してみたい、受診したいけど遠方なので受診できない、地元で治療の相談ができる病院がないか相談したいなど、デバイス治療について相談について、オンラインセカンドオピニオンも行っています。ご希望の方はこちらからお申し込みください。