施設基準
緩和ケア病棟入院料の施設基準 緩和ケア診療加算に関する施設基準
[画像:緩和ケア病棟入院料の施設基準]令和6年厚生労働省告示第58号「基本診療料の施設基準等の一部を改正する告示」より抜粋
(1) 緩和ケア病棟入院料1の施設基準
- イ 主として悪性腫瘍の患者又は後天性免疫不全症候群に罹患している患者を入院させ、緩和ケアを一般病棟の病棟単位で行うものであること。
- ロ 当該病棟において、一日に看護を行う看護師の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が七又はその端数を増すごとに一以上であること。 ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護師が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、当該病棟における夜勤を行う看護師の数は、 本文の規定にかかわらず、二以上であることとする。
- ハ 当該療養を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- ニ 当該体制において、緩和ケアに関する研修を受けた医師が配置されていること(当該病棟において緩和ケア病棟入院料を算定する悪性腫瘍の患者に対して緩和ケアを行う場合に限る。)。
- ホ 当該療養を行うにつき十分な構造設備を有していること。
- ヘ 当該病棟における患者の入退棟を判定する体制がとられていること。
- ト 健康保険法第六十三条第二項第五号及び高齢者医療確保法第六十四条第二項第五号に規定する選定療養としての特別の療養環境の提供に係る病室が適切な割合であること。
- チ がん診療の拠点となる病院若しくは公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。
- リ 連携する保険医療機関の医師・看護師等に対して研修を実施していること。
- ヌ 次のいずれかに該当すること。
?@ 入院を希望する患者の速やかな受入れにつき十分な体制を有すること。
?A 在宅における緩和ケアの提供について、相当の実績を有していること。 - ル 次のいずれかに係る届出を行っていること。
?@ 区分番号A226-2に掲げる緩和ケア診療加算
?A 区分番号B001の24に掲げる外来緩和ケア管理
?B 区分番号C003に掲げる在宅がん医療総合診療料 - ヲ データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。
(2) 緩和ケア病棟入院料2の施設基準
(1) のイからリまで及びヲを満たすものであること。(3) 緩和ケア病棟入院料の注3の除外薬剤・注射薬
別表第五の一の二に掲げる薬剤・注射薬。令和6年3月5日保医発0305第5号:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)より抜粋
1 緩和ケア病棟入院料1に関する施設基準等
- 1)主として悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群に罹患している患者を入院させ、緩和ケアを行う病棟を単位として行うこと。
- 2)夜間において、看護師が複数配置されていること。
- 3)当該病院の医師の員数は、医療法に定める標準を満たしていること。
- 4)当該病棟内に緩和ケアを担当する常勤の医師が1名以上配置されていること。なお、複数の病棟において当該入院料の届出を行う場合には、病棟ごとに1名以上の常勤医師が配置されていること。
- 5)4)に掲げる医師は次のいずれかの研修を修了している者であること。
- ア「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」(平成 29年12月1日付け健発1201第2号厚生労働省健康局長通知)に準拠した緩和ケア研修会(平成29年度までに開催したものであって、 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」に準拠したものを含む。)
- イ 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立がん研究センター主催)等
- 6)当該病棟に係る病棟床面積は、患者1人につき内法による測定で、30平方メートル以上であり、病室床面積は、患者1人につき内法による測定で、8平方メートル以上であること。
- 7)当該病棟内に、患者家族の控え室、患者専用の台所、面談室、一定の広さを有する談話室を備えていること。
- 8)当該病棟は全室個室であって差し支えないが、特別の療養環境の提供に係る病床の数が5割以下であること。
- 9)入退棟に関する基準が作成されていること。
- 10)緩和ケアの内容に関する患者向けの案内が作成され、患者・家族に対する説明が行われていること。
- 11)緩和ケア病棟入院料を算定する保険医療機関は、地域の在宅医療を担う保険医療機関と連携し、緊急時に在宅での療養を行う患者が入院できる体制を保険医療機関として確保していること。
- 12)緩和ケア病棟入院料を算定する保険医療機関は、連携している保険医療機関の患者に関し、緊急の相談等に対応できるよう、24 時間連絡を受ける体制を保険医療機関として確保していること。
- 13)緩和ケア病棟においては、連携する保険医療機関の医師、看護師又は薬剤師に対して、実習を伴う専門的な緩和ケアの研修を行っていること。
- 14) がん診療の拠点となる病院は、別添3の第14の1の(13)と同様であること。また、がん診療の拠点となる病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院に準じる病院とは、 都道府県が当該地域においてがん診療の中核的な役割を担うと認めた病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構が定める機能評価(緩和ケア病院)と同等の基準について、第三者の評価を受けている病院をいう。
- 15) 当該病棟への入院を希望する患者の紹介を受けた場合に、4)の医師が入院の適応を判断し、当該医師又は当該医師の指示を受けた看護職員が入院までの待機期間や待機中の緊急時の対応方針等について、 患者に説明を行う体制を設けること。
- 16) 以下のア又はイを満たしていること。
- ア 当該病棟直近1年間の入院患者について、以下の(イ)から(ロ)までの期間の平均が14日未満であること。
- (イ) 4)の医師又は当該医師の指示を受けた看護職員から説明を受けた上で、患者等が文書又は口頭で入院の意思表示を行った日
- (ロ) 患者が当該病棟に入院した日
- イ 直近1年間において、退院患者のうち、次のいずれかに該当する患者以外の患者が15%以上であること。
- (イ) 他の保険医療機関(療養病棟入院基本料、有床診療所入院基本料及び有床診療所療養病床入院基本料を算定する病棟及び病室を除く。)に転院した患者
- (ロ) 同一の保険医療機関の当該入院料にかかる病棟以外の病棟(療養病棟入院基本料を算定する病棟を除く)への転棟患者
- (ハ) 死亡退院の患者
- 17) 次のいずれかに係る届出を行っていること。
- ア 区分番号「A226−2」に掲げる緩和ケア診療加算
- イ 区分番号「B001」「24」に掲げる外来緩和ケア管理料
- ウ 区分番号「C003」に掲げる在宅がん医療総合診療料
- 18) 毎年7月において、前年度に当該入院料を算定する病棟に入院していた患者の(16)のアに掲げる期間の平均及びイに掲げる割合について、別添7の様式 52の2により地方厚生(支)局長に報告を行うこと。
- 19) データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。また、当該基準については別添7の様式40の7を用いて届出を行った時点で、 当該入院料の届出を行うことができる。ただし、令和6年3月31日において急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟の場合に限る。)、 専門病院入院基本料(13対1入院基本料を除く。)、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4又は地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟若しくは 病室をいずれも有しない保険医療機関であって、地域一般入院基本料、療養病棟入院料1若しくは2を算定する病棟、旧算定方法別表第1に掲げる 療養病棟入院基本料の注11に係る届出を行っている病棟、専門病院入院基本料(13対1入院基本料に限る。)、障害者施設等入院基本料、 回復期リハビリテーション病棟入院料5、特殊疾患病棟入院料、緩和ケア病棟入院料若しくは精神科救急急性期医療入院料を算定する病棟又は 特殊疾患入院医療管理料を算定する病室のいずれかを有するもののうち、これらの病棟又は病室の病床数の合計が当該保険医療機関において200床未満であり、 かつ、データ提出加算の届出を行うことが困難であることについて正当な理由があるものは、当分の間、当該基準を満たしているものとみなす。
- 2 緩和ケア病棟入院料2に関する施設基準等
- 1の(1)から(14)まで及び(19)を満たしていること
- 3 届出に関する事項
- 緩和ケア病棟入院料の施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式20及び様式52を用いること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、 様式20の当該看護要員のみを省略することができること。また、当該病棟の平面図(面積等が分かるもの。)を添付すること。
令和6年3月5日保医発0305第4号:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)より抜粋
- 1)緩和ケア病棟は、主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者を入院させ、緩和ケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟であり、 当該病棟に入院した緩和ケアを要する悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者について算定する。
- 2)緩和ケア病棟入院料を算定する日に使用するものとされた薬剤に係る薬剤料は緩和ケア病棟入院料に含まれるが、退院日に退院後に使用するものとされた薬剤料は別に算定できる。
- 3)悪性腫瘍の患者及び後天性免疫不全症候群の患者以外の患者が、当該病棟に入院した場合には、一般病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。
この際、同特別入院基本料の費用の請求については、区分番号「A308」の回復期リハビリテーション病棟入院料の(4)と同様であること。 - 4)緩和ケア病棟における悪性腫瘍患者のケアに関しては、「がん疼痛薬物療法ガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版 がん緩和ケアガイドブック」 (日本医師会監修 厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドライン (以下この項において「緩和ケアに関するガイドライン」という。)を参考とする。
- 5)「注2」に規定する緩和ケア病棟緊急入院初期加算は、当該保険医療機関と連携して緩和ケアを提供する別の保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)
(以下本項において「連携保険医療機関」という。)から在宅緩和ケアを受ける患者の病状が急変し、症状緩和のために一時的に入院治療を要する場合の緩和ケア病棟への受入れを通じ、
在宅での緩和ケアを後方支援することを評価するものである。
当該保険医療機関と連携保険医療機関の間では、過去一年以内に、緩和ケアを受ける患者の紹介、緩和ケアに係る研修又は共同でのカンファレンスの実施等の際に、 医師その他の職員が面会した実績が記録されている必要がある。ただし、当該情報についてICTの活用により、当該保険医療機関が常に連携保険医療機関の有する診療情報の閲覧が可能な場合、 文書による情報提供に関する要件を満たしていると見なすことができる。
また、在宅緩和ケアを受け、緊急に入院を要する可能性のある患者について、緊急時の円滑な受入れのため、病状及び投薬内容のほか、患者及び家族への説明等について、 当該連携保険医療機関より予め文書による情報提供を受ける必要がある。
- 6) 「注4」に規定する緩和ケア疼痛評価加算を算定する場合には、「がん疼痛薬物療法ガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版がん緩和ケアガイドブック」 (日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参考として、 疼痛の評価その他の療養上必要な指導等を実施すること。
[画像:緩和ケア診療加算に関する施設基準]
令和6年厚生労働省告示第58号:基本診療料の施設基準等の一部を改正する告示より抜粋
- (1) 緩和ケア診療加算の施設基準
- イ 緩和ケア診療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- ロ 当該体制において、緩和ケアに関する研修を受けた医師(歯科医療を担当する保険医療機関にあっては、医師又は歯科医師)が配置されていること (当該保険医療機関において緩和ケア診療加算を算定する悪性腫瘍又は末期心不全の患者に対して緩和ケアを行う場合に限る。)。
- ハ がん診療の拠点となる病院若しくは公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。
- (2) 緩和ケア診療加算の注2に規定する厚生労働大臣が定める地域
別表第六の二に掲げる地域 - (3) 緩和ケア診療加算の注2に規定する施設基準
- イ 一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定する病棟を有する病院(特定機能病院及び許可病床数が四百床以上の病院並びに診療報酬の算定方法第一号 ただし書に規定する別に厚生労働大臣が指定する病院の病棟を有する病院を除く。)であること。
- ロ 緩和ケア診療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- ハ 当該体制において、緩和ケアに関する研修を受けた医師(歯科医療を担当する保険医療機関にあっては、医師又は歯科医師)が配置されていること (当該保険医療機関において緩和ケア診療加算を算定する悪性腫瘍又は末期心不全の患者に対して緩和ケアを行う場合に限る。)。
- ニ がん診療の拠点となる病院若しくは公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。
- (4)個別栄養食事管理加算の施設基準
- イ 緩和ケアを要する患者の個別栄養食事管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- ロ 当該体制において、緩和ケアを要する患者に対する個別栄養食事管理に係る必要な経験を有する管理栄養士が配置されていること。
令和6年3月5日保医発0305第5号:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)より抜粋
- 1)当該保険医療機関内に、以下の4名から構成される緩和ケアに係るチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)が設置されていること。
ア 身体症状の緩和を担当する専任の常勤医師
イ 精神症状の緩和を担当する専任の常勤医師
ウ 緩和ケアの経験を有する専任の常勤看護師
エ 緩和ケアの経験を有する専任の薬剤師
なお、アからエまでのうちいずれか1人は専従であること。ただし、緩和ケアチームが診察する患者数が1日に 15 人以内である場合は、いずれも専任で差し支えない。
また、緩和ケア診療加算の注2に規定する点数を算定する場合には、以下の4名から構成される緩和ケアチームにより、緩和ケアに係る専門的な診療が行われていること。
オ 身体症状の緩和を担当する常勤医師
カ 精神症状の緩和を担当する医師
キ 緩和ケアの経験を有する看護師
ク 緩和ケアの経験を有する薬剤師 - 2)緩和ケアチームの構成員は、外来緩和ケア管理料に係る緩和ケアチームの構成員と兼任であって差し支えない。また、緩和ケアの特性に鑑みて、専従の医師にあっても、 緩和ケア診療加算を算定すべき診療、小児緩和ケア診療加算を算定すべき診療及び外来緩和ケア管理料を算定すべき診療に影響のない範囲において、専門的な緩和ケアに関する外来診療を行って差し支えない。 (ただし、専門的な緩和ケアに関する外来診療に携わる時間は、所定労働時間の2分の1以下であること。)
- 3)1)の緩和ケアチームの専従の職員について、次に掲げる介護保険施設等又は指定障害者支援施設等(以下単に「介護保険施設等又は指定障害者支援施設等」という。)からの求めに応じ、
当該介護保険施設等又は指定障害者支援施設等において緩和ケアの専門性に基づく助言を行う場合には、緩和ケアチームの業務について専従とみなすことができる。
ただし、介護保険施設等又は指定障害者支援施設等に赴いて行う助言に携わる時間は、原則として月10 時間以下であること。
ア 指定介護老人福祉施設
イ 指定地域密着型介護老人福祉施設
ウ 介護老人保健施設
エ 介護医療院
オ 指定特定施設入居者生活介護事業所
カ 指定地域密着型特定施設入居者生活介護事業所
キ 指定介護予防特定施設入居者生活介護事業所
ク 指定認知症対応型共同生活介護事業所
ケ 指定介護予防認知症対応型共同生活介護事業所
コ 指定障害者支援施設
サ 指定共同生活援助事業所
シ 指定福祉型障害児入所施設 - 4)1)のア又はオに掲げる医師は、悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であること。 なお、末期心不全の患者を対象とする場合には、末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。 また、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週 22 時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師 (悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する医師に限る。(末期心不全の患者を対象とする場合には、 末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。))を2名組み合わせることにより、 常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、 当該基準を満たしていることとみなすことができる。
- 5)1)のイ又はカに掲げる医師は、3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する者であること。 なお、イに掲げる常勤医師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師 (3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する医師に限る。)を2名組み合わせることにより、 常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、 当該基準を満たしていることとみなすことができる。
- 6)1)のア、イ、オ及びカに掲げる医師のうち、悪性腫瘍の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、以下のア又はイのいずれかの研修を修了している者であること。
また、末期心不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、アからウまでのいずれかの研修を修了している者であること。
なお、後天性免疫不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には下記研修を修了していなくてもよい。
ア がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会
イ 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立研究開発法人国立がん研究センター主催)等
ウ 日本心不全学会により開催される基本的心不全緩和ケアトレーニングコース - 7)1)のウ又はキに掲げる看護師は、5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事した経験を有し、緩和ケア病棟等における研修を修了している者であること。
なお、ここでいう緩和ケア病棟等における研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。
ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であること。(600 時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの)
イ 緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。
ウ 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。
(イ) ホスピスケア・疼痛緩和ケア総論及び制度等の概要
(ロ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群のプロセスとその治療
(ハ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群患者の心理過程
(ニ) 緩和ケアのためのアセスメント並びに症状緩和のための支援方法
(ホ) セルフケアへの支援及び家族支援の方法
(ヘ) ホスピス及び疼痛緩和のための組織的取組とチームアプローチ
(ト) ホスピスケア・緩和ケアにおけるリーダーシップとストレスマネジメント
(チ) コンサルテーション方法
(リ) ケアの質を保つためのデータ収集・分析等について
エ 実習により、事例に基づくアセスメントとホスピスケア・緩和ケアの実践 - 8)1)のエ又はクに掲げる薬剤師は、麻薬の投薬が行われている悪性腫瘍患者に対する薬学的管理及び指導などの緩和ケアの経験を有する者であること。
- 9)1)のア、イ、オ及びカに掲げる医師については、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任ではないこと。
ただし、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師が複数名である場合は、緩和ケアチームに係る業務に関し専任である医師については、 緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任であっても差し支えないものとする。 - 10)症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担う医師、看護師、薬剤師などが参加していること。
- 11)当該医療機関において緩和ケアチームが組織上明確に位置づけられていること。
- 12)院内の見やすい場所に緩和ケアチームによる診療が受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされていること。
- 13)緩和ケア診療加算の注4に規定する点数を算定する場合には、緩和ケアチームに、緩和ケア病棟において緩和ケアを要する患者に対する患者の栄養食事管理に従事した経験 又は緩和ケア診療を行う医療機関において栄養食事管理に係る3年以上の経験を有する専任の管理栄養士が参加していること。
- 14)がん診療の拠点となる病院とは、「がん診療連携拠点病院等の整備について」(令和4年8月1日健発0801第16号厚生労働省健康局長通知)に規定するがん診療連携拠点病院等
(がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療連携拠点病院(いずれも特例型を含む。))、特定領域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院(いずれも特例型を含む。))又は
「小児がん拠点病院の整備について」(令和4年8月1日健発0801第17号厚生労働省健康局長通知)に規定する小児がん拠点病院をいう。特定領域がん診療連携拠点病院については、
当該特定領域の悪性腫瘍の患者についてのみ、がん診療連携拠点病院に準じたものとして取り扱う。
また、がん診療の拠点となる病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院に準じる病院とは、 都道府県が当該地域においてがん診療の中核的な役割を担うと認めた病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構が定める機能評価(緩和ケア病院)と同等の基準について、 第三者の評価を受けている病院をいう。
令和6年3月5日保医発0305第4号:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)より抜粋
- 1)緩和ケア診療加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、 抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、症状緩和に係るチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)による診療が行われた場合に算定する。
- 2)末期心不全の患者とは、以下のアからウまでの基準及びエからカまでのいずれかの基準に該当するものをいう。
ア 心不全に対して適切な治療が実施されていること。
イ 器質的な心機能障害により、適切な治療にかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類IV度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。
ウ 過去1年以内に心不全による急変時の入院が2回以上あること。なお、「急変時の入院」とは、患者の病状の急変等による入院を指し、予定された入院は除く。
エ 左室駆出率が 20%以下であること。
オ 医学的に終末期であると判断される状態であること。
カ エ又はオに掲げる状態に準ずる場合であること。 - 3)緩和ケアチームは、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要である。緩和ケアチームの医師は緩和ケアに関する研修を修了した上で診療に当たること。 ただし、後天性免疫不全症候群の患者を診療する際には当該研修を修了していなくても本加算は算定できる。
- 4)緩和ケアチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療を担う保険医、看護師及び薬剤師などと共同の上別紙様式3又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、 その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。
- 5)当該加算を算定する患者については入院精神療法の算定は週に1回までとする。
- 6)1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。ただし、「注2」に規定する点数を算定する場合は、1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね15人以内とする。
- 7)症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師などが参加している。
- 8)「注2」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第6の2に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、 DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟において、算定可能である。 なお、基本診療料施設基準通知の別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟ごとに 一般病棟入院基本料の届出を行っている保険医療機関においては、一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定している病棟で当該点数を算定できる。
- 9)「注4」に規定する点数は、緩和ケア診療加算を算定している患者について、緩和ケアチームに管理栄養士が参加し、個別の患者の症状や希望に応じた栄養食事管理を行った場合に算定する。
- 10)「注4」に規定する点数を算定する場合は、緩和ケア診療実施計画に基づき実施した栄養食事管理の内容を診療録等に記載又は当該内容を記録したものを診療録等に添付すること。