音声広報CD「明日への声」トラックナンバー2 vol.106(令和7年(2025年)11月発行)
(イントロダクション:女性ナレーター)
飛行機に乗るときには、持ち込めないものがあります。出発直前に慌てないよう、旅の準備段階で、機内に手荷物として持ち込めないもの、あるいは空港カウンターで手荷物として預けられないものを確認しておきましょう。この音声では、「1.飛行機に持ち込めないもの」「2.持込み方に注意が必要なもの」「3.電動車いす持込みの注意点」についてご紹介します。音声は10分程度でお聞きいただくことができます。
(本文 Q.女性ナレーター / A.男性ナレーター)
Q1:飛行機に持ち込めないものを教えてください。
A1:飛行機の安全運航を確保するため、爆発のおそれがあるもの、燃えやすいもの、有害物質、凶器になり得るものなどの「危険物」は、飛行機内への持込みが禁止されています。ただし、一定の数量制限の下で、乗客が機内に直接持ち込む「機内持込み手荷物」又は航空会社のチェックインカウンターに預ける「預け手荷物」として運べるものもあります。
Q2:持込みに特に注意が必要なものを教えてください。
A2:特に注意が必要なものと持込み等に当たっての条件をご紹介します。なお、国内線と国際線ではルールが異なるため、事前に航空会社のホームページをご確認ください。
- ●くろまるリチウム電池内蔵のモバイルバッテリー、電子タバコ、電子製品用の予備のリチウム電池
- これらは、機内持込み手荷物にはできますが、預け手荷物にはできません。また、機内持込み手荷物の条件は、次のとおりです。
- 衝撃や損傷が原因で発火の可能性があるため、必ず機内持込みとし、手元で保管する
- モバイルバッテリーは、座席上の収納棚に収納せず、必ず手元で保管する
- 機内で、モバイルバッテリーからスマートフォン・パソコンなどへの充電や、機内電源からモバイルバッテリーへの充電は、常に状態が確認できる場所で行う
- ショート(短絡)による発火を防ぐため、露出する端子に絶縁テープを貼るか、収納ケースなどに入れて個々に保護する
- 持ち込めるのは、ワット時定格量が160Wh以下のものに限る。100Whを超え160Wh以下のものは持ち込める個数が2個までに制限される
- 電子タバコは、機内で本体・予備バッテリーの充電はできない
- ●くろまるリチウム電池内蔵のスマートフォンやパソコン、ワイヤレスイヤホン、電気シェーバー
- これらは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできます。それぞれの持込み条件は、次のとおりです。
- 機内持込み手荷物の場合は、パソコンやタブレットをカバン等の中に入れるときも、ケースや衣類などで保護し、手持ちの場合は、バッテリーが損傷して発火しないように注意する
- 預け手荷物の場合は、スリープモードではなく、電源を完全にオフにし、ケースや衣類などで保護した上で、固いスーツケースに入れる
- ワイヤレスイヤホンを預け手荷物とする場合は、リチウム金属電池0.3g以下又はリチウムイオン電池2.7以Wh下に限る
- ●くろまるコードレスのリチウム電池式のヘアアイロン・ヘアブラシ
- 本体から電池を取り外せない又は熱源と電池が分離できない製品は、機内持込み手荷物、預け手荷物のどちらにすることもできません。機内持込み手荷物と預け手荷物の条件は、次のとおりです。
- 本体から電池を取り外すか、熱源との電気回路が遮断できる製品は、その機能(フライトモードなど)を使用する
- 取り外した電池は、預け手荷物にはできないため、必ず機内持込み手荷物にする
- 単に「本体の電源を切る」、「アイロン部分の開閉ロックをかける」だけでは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできない
- なお、コンセント式の場合は、機内持込み手荷物、預け手荷物ともにできます。
- ●くろまるスキンケア、ヘアケア用の化粧品などの液体物
- これらは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできます。それぞれの条件は、次のとおりです。
- 1容器当たり500ml以下までで、1人当たり2l以下までに限る
- ●くろまる喫煙用ライター・安全マッチ
- 機内持込み手荷物にはできますが、預け手荷物にはできません。また、機内持込み手荷物の条件は、次のとおりです。
- 使い捨て又はガス充填式の液化ガスライター、吸収材入りのオイルライター、小型の安全マッチに限り、1人につき1個まで持ち込める
- 充填用のガスやオイルは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできない
- ●くろまる加熱式弁当(発熱材付き弁当)
- 酸化カルシウムを水と反応させて発熱する加熱式弁当は、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできません。
Q3:電動車いすを使用している場合の注意点はありますか?
A3:電動車いすを使用しているかたは、事前に、機内へ持ち込めるか、あるいは手荷物として預ける必要があるかをご確認ください。これは、電動車いすに搭載されているバッテリーには、次のような危険を生じさせるおそれがあるためです。
- 輸送中の振動などで電源が入り、動き出すおそれ
- 輸送中の気圧や温度の変化などで、バッテリー内の硫酸等の電解液が漏れ出すおそれ
- 輸送中の衝撃などにより、バッテリーが発火するおそれ
これらのことから、国際規則及び国内規則で、電池の種類ごとにルールが定められています。飛行機を利用する前に、ご自身の車いすの仕様や電池の種類を確認しておきましょう。
(エンディング:女性ナレーター)
空港の手荷物検査で危険物と見なされるものが見つかった場合、空港のロッカーに預けるなどの時間がないときは、その場で放棄せざるを得なくなります。こうしたことを避けるため、事前に機内への荷物の持込みルールを確認しておきましょう。万一、危険物をお持ちの場合は、空港カウンター又は保安検査場で必ず係員に申し出てください。危険物に該当するかどうか判断がつかない場合は、航空会社にご確認ください。詳しくは「政府広報 飛行機へ持ち込めないもの」で検索してみてください。